LDL-Cの直接測定法は精度が不十分 Medical Tribune 2010.05.13 |
・日本動脈硬化学会がLDL-C測定法について声明 ・LDL-Cは総コレステロールの測定を前提とするFriedewald(F式)で算出することを推奨する ・正確な測定値を出すためF式は空腹時測定を推奨 ・脂質異常は動脈硬化の危険因子であるが、エビデンスは総コレステロール(TC)値によるものである。 @TCには動脈硬化発症に対して相反するLDLとHDLが存在 A日本女性ではHDL値が高く、LDLが正常レベルでもTC値が高くなる ・TC値のみでは過剰診断になる恐れがあり2007年の動脈硬化診療ガイドラインでLDL、TG、HDLに絞り、TCを除外 ・同ガイドラインでLDL測定はTC-HDL-TG÷5(F式)推奨 ・F式の欠点は食後TGが400mg/dl以上の時は使用できない ・そのためLDLの直接測定法が急速に普及 ・行政がLDLを特定検診で採用したため、食後測定が多くなることを予想し、直接測定法を採用した ・学会は直接測定法の標準化、情報開示を付帯条件を提案したが、十分に行われていない ・現在使用されている直接測定キットの多くは正常範囲のLDL値は満足できるレベルであるが、TGが高値のものでは信頼性に欠ける→キット間で30mg/dl以上の差 ・TGが400mg/dl以上ではF式でも直接測定でも信頼できない→TC−HDLで算出するnon-HDLを参考にするとよい ・TCとHDLは測定精度の信頼性が高く、食餌影響を受けにくいという利点 ・LDL測定の標準化、精度管理が今後の課題、F式にはまだ重要性がる |