2002年 第11戦 フランスGP


 

1. 予選結果

 マイケルの"今シーズン チャンピオン"が決まる可能性が、早くもこの第11戦で出てきました(マイケル1位、バリチェロ3位以下、ラルフ3位以下、モントーヤ2位以下の場合)。92年のナイジェル・マンセル(ウィリアムズ・ルノー) 以来の大記録、しかもナイジェルは全16戦での記録だったんで、マイケルが挑む記録の方が上ってことになる!!因みに、今シーズンのチャンピオンをマイケルが取ればF1黎明期に活躍したファンジオの5回に並ぶ!!記録を次々と塗り替えていくマイケル・シューマッハ、なんて凄い人なんでしょうか?アンチ・マイケルの私としても素直に感動してしまいます。
 今回の予選、フェラーリ2台とウィリアムズ2台がトップタイムを次々と塗り替えていく展開。やはりこの2チームは他とは格が違うのか? と思ってたらマクラーレン/ライコネンが食い込んでくる。予選中盤での順位はマイケル、モントーヤ、ライコネン、バリチェロ、ラルフ、クルサードの順。この後にはバトン、トゥルーリのルノーが続く。
 ここまで4戦連続のポールを獲得しているモントーヤ、この予選でもマイケルを上回るタイムを連発、やはり1発の速さはウィリアムズに軍配か? マイケルも必死で食らいつくもほんのちょっとの差でモントーヤが5回連続のポールを獲得。これでレースでの安定感が出てくれば……マイケルもうかうかしてらんないっすね、こいつは

1  モントーヤ  ウィリアムズ  ミシュラン  1:11.985
2位  M シューマッハ  フェラーリ  ブリヂストン 1:12.008
3位  バリチェロ  フェラーリ  ブリヂストン 1:12.197
4位  ライコネン  マクラーレン  ミシュラン 1:12.244
5位  R シューマッハ  ウィリアムズ  ミシュラン 1:12.424
6位  クルサード  マクラーレン  ミシュラン 1:12.498
7位  バトン  ルノー  ミシュラン 1:12.761
8位  トゥルーリ  ルノー  ミシュラン 1:13.030
11位  パニス  BAR ホンダ  ブリヂストン 1:13.457
13位  ヴィルヌーブ  BAR ホンダ  ブリヂストン 1:13.506
14位  佐藤琢磨  ジョーダン ホンダ  ブリヂストン 1:13.542
16位  サロ  トヨタ  ミシュラン 1:13.837
17位  マクニッシュ  トヨタ  ミシュラン 1:13.949

 ジョーダンのフィジケラはフリー走行でクラッシュ、ドクターストップがかかって予選欠場。その他ホンダ勢はごらんの順位。今シーズン序盤で好調だったトヨタの調子は今ひとつ。決勝はBARに期待。

2. 決勝結果

 フォーメーションラップ、バリチェロのフロントにジャッキがついたまま、当然出られません。他のマシンが出て行った後もクルーがマシンに取り付きますが……どうやら無理のようです。ピットスタートできるか? 結局マシンは復活せず、バリチェロ、リタイアです。
 さて、スタート。モントーヤ、ライコネンが好スタート。ライコネンが3位へ。マイケルは明らかにモントーヤより速そうなんだけど、モントーヤが上手く抑えている。
 3周目、マイケルがモントーヤに仕掛ける! モントーヤは見事なブロック、詰まったマイケルの隙をライコネンがうかがう!! 結局順位変動なし、見ごたえのあるシーンでした。
 10周を過ぎてレースは小康状態。モントーヤ、マイケル、ライコネンがファステストラップを奪い合う。ラルフは少し置いていかれている状態。クルサードはその後ろ、ラルフを追い詰めようとしているが……今回のGP、どうやらマクラーレンの調子はいいようです。
 ラルフのピットイン(流せよな、ちゃんと)で解き放たれたクルサード、23周目にファステストラップをたたき出してライコネンを追いかける。トップ4台が1つのカメラアングルに入るような状態。これはペースが遅いことの証明か?24周目でモントーヤがピットイン、マイケルが飛ばして行くが、それについて行くライコネン、なかなかのパフォーマンスです。マイケルはまだ入る気配なし。きっちし引っ張ってピットイン時のマージンを稼いでいく。26周目でマイケルがピットイン、マイケルがモントーヤの前へ!! しかし、解説の亜久里さんによるとピットアウト時に「白線」を踏んだとのこと。コース合流時の安全のために線が轢いてあるんだが、これを踏むとペナルティになっちまうんだねー、こりが。スローで映像がでました。確かにギリギリのところで踏んでます。まだまだ今回のレース、読めないっす、これで。この間にライコネンもピットイン。
 33周目、マイケルはペナルティがわかっているのか、ぐいぐい飛ばしてます。2位のモントーヤは7.7秒後方、審判の皆さんもわかっているのか、十分な差が出る前にペナルティを課すようです。35周目、マイケルがドライブスルーペナルティーへ! 2位ライコネンの後ろに復帰。このあたり、モントーヤのペースが上がらず団子状態。こうなるとマイケルの鬼神のごとき追い上げが見られるか?
 2回目のピットイン、どうやらモントーヤの方が先。ライコネンはもう少し引っ張りそうだから(マクラーレンだからね)ってことでの判断か? しかし、ピット作業でミス、3秒程ロスしました。戻った先は周回遅れもいない、自分のペースで走れる位置。この後のライコネン、マイケルのピットインタイミングで今回の優勝が決まってくる?
 ライコネンが必死でプッシュ、マイケルもそれに続いている。4位に戻ったモントーヤはペース上がらず、このまま行けばライコネンはピット作業後トップ、マイケルも恐らく前に出るか? と言ったタイム差。マイケルが先にピットへ。引っ張りたいところなんだろうが、やはりマクラーレンはガソリン多め、引っ張る戦略に出ている様子。こうなると有利なのはライコネンだけでなくマイケルから4秒弱遅れのクルサードも含め、マクラーレンの1,2フィニッシュの目も出てくる!! マイケル、ピットイン後はモントーヤの前へ。次の周でライコネンがピットイン、ギリギリでマイケルの前でコース復帰!! ただ、ライコネンのタイヤはまだ熱が入っていない! この1周を守りきれるか? 
 1周を何とか頑張ったライコネン、ペースが乗ってきました。現在の順位からすると、ラルフは表彰台圏外、バリチェロはリタイア、モントーヤも表彰台が危ういと言うこの状況、マイケルはライコネンを抜けば大記録となる5度目のチャンピオン獲得、抜けなければライコネンの初優勝という、どっちに転んでも歴史的なレースになりそう。ただ、クルサードはまだまだ引っ張っている。既に54周目、残り20周。ファステストラップを出して優勝を狙っていきますが……55周目、クルサードがピットイン、しかし一歩及ばす、マイケルの後ろへ。こうなるとライコネン初優勝のための援護攻撃開始か? ライコネンのペースがいい! さらにクルサードがマイケルを追い詰める……と思ったら、クルサードも「白線」を踏んじまったみたい。これで援護を期待できなくなったライコネン、後は実力でマイケルを抑え切るしかない!! それでもクルサード、判定の結果が出るまではプッシュしていこうと言うのか、マイケルを追い立ててます(当然か)。ライコネンとマイケルの差は次第に開いていっている様子。クルサードがドライブスルーペナルティへ。4位モントーヤは大幅にペースダウン、クルサード3位に復帰です。
 残り6周、マイケルは徐々にライコネンを追い詰める。ライコネンは必死で逃げていくが、これはまだわからない。ここでライコネンが痛恨のミス!! マイケルのプレッシャーに負けてしまったか? それでもライコネンはまだ諦めていない。何とか暗いついて行くがこれでも残り2周。
 結局、マイケルが優勝!! やっぱ、凄い人です、この人。
 

決勝結果

1  M シューマッハ  フェラーリ  ブリヂストン
2位  ライコネン  マクラーレン  ミシュラン
3位  クルサード  マクラーレン  ミシュラン
4位  モントーヤ  ウィリアムズ  ミシュラン
5位  R シューマッハ  ウィリアムズ  ミシュラン
6位  バトン  ルノー  ミシュラン

 ここまで圧倒的な強さを見せられると、もう脱帽するしかありません。さすがはマイケルシューマッハといったところ。この後は2位争いが熾烈になりそう。ここはクルサード、ライコネンの巻き返しに期待したい。今日のレースを見る限り、ライコネンがチャンピオンになる日もそう遠くないように思う。

 

次回は7/28、ドイツGP

 

ここまでのポイントの行方はこちら!!

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