2002年 第12戦 ドイツGP


まずは残念なお知らせから。

今期休養中だったミカ・ハッキネン、正式に引退を表明

 私としては、彼には是非にも復帰してもらってもう一度チャンピオンを取って欲しかったのだが……。

 

 世界屈指の"超"高速サーキットで知られたドイツ ホッケンハイムリンク。今年からは全面改修されて中速テクニカルコースに生まれ変わりました。あの有名な"ホッケンハイムの森"は廃止。その代わり、新設された1.2kmくらいのストレートは見ごたえ十分。最高速は恐らく320kmは行くだろうとのこと。んでも、この改修で第2シケイン、通称"アイルトン・セナ・カーブ"が廃止に……。

 

1. 予選結果

 序盤はフェラーリの独壇場と言った感じ。ウィリアムズはいくら途中までフェラーリより速くても最終セクションでのスピードは明らかにフェラーリが上。ラルフも一度は意地を見せてトップタイムをたたき出すが、しかし、チャンピオンの意地+バリチェロ2位によるシリーズ完全制覇への野望からかフェラーリの2人も見事に"キレた"走りを見せ、マイケルがポール獲得。ここのところ予選は"マイケルvsモントーヤ"の展開が多かったが、今回は久しぶりの兄弟対決。母国での2人の争いはマイケルに軍配。

       Tyre  Best Lap  Gap
1位  M シューマッハ  フェラーリ  ブリヂストン  1:14.389  
2位  R シューマッハ  ウィリアムズ  ミシュラン  1:14.570  0.181
3位  バリチェロ  フェラーリ  ブリヂストン  1:14.693  0.304
4位  モントーヤ  ウィリアムズ  ミシュラン  1:15.108  0.719
5位  ライコネン  マクラーレン  ミシュラン  1:15.639  1.250
6位  フィジケラ  ジョーダン ホンダ  ブリヂストン  1:15.690  1.301
7位  パニス  BAR ホンダ  ブリヂストン  1:15.885  1.462
8位  トゥルーリ  ルノー  ミシュラン  1:15.885  1.496
9位  クルサード  マクラーレン  ミシュラン  1:15.909  1.520
11位  ヴィルヌーブ  BAR ホンダ  ブリヂストン  1:16.070  1.681
12位  佐藤琢磨  ジョーダン ホンダ  ブリヂストン  1:16.072  1.683
17位  マクニッシュ  トヨタ  ミシュラン  1:16.594  2.205
19位  サロ  トヨタ  ミシュラン  1:16.685  2.296

 前戦のフリー走行で負傷したフィジケラは完全復活、3列目をゲット!! これが示すように今回好調のジョーダン、琢磨も自己ベストとなる12位をゲット!! ジョーダンだけじゃなく、BARもジョーダンの二人にくっつく形。中速テクニカルとはいえ、やはりドイツは"エンジンサーキット"なのか? 予選での走りを見る限り、ヴィルヌーブにも期待大!!!

2. 決勝結果

 上位陣はいずれも好スタート。ライコネンがモントーヤをパス!! かなりの好調の様子。マイケルはスタート直後から逃げの体制か? 2位ラルフの後ろにバリチェロ、ラルフはかなりきつそう。フェラーリの方が速いか?
 今回、ホンダの調子が本当に良さそう。好スタートを見せたルノーのバトンをヴィルヌーブ、琢磨と続けて抜いて行く!! 今回、4台の内1台は入賞できるか? 予選で大きく出遅れたトヨタのサロもバトンを簡単にオーバーテイク。予選では出遅れましたが、決勝ではトヨタも良さそう。
 モントーヤとライコネンが接触!! 二人ともコースアウトしかけながらも、それでもバトルを続行!! コースの1/3くらいに渡ってやりあってモントーヤが競り勝つ。いくらこのコースの幅が広いからと言って、ここまでのバトルが出来るとはなんと言うドライビング・テクニックか!!
 16周目、13位琢磨がヴィルヌーブをパス!!! エンジンパワーは全くの互角、シャシーは確かにジョーダンの方が上なんだろうけど……ヴィルヌーブが離されていかないところを見ると、これは琢磨が技で抜いたってことか? これはヴィルヌーブも黙ってないと思うんだが……。
 トップのマイケルは快調にラップを続けてます。これは何も起こらなければまた……。ただ、23周目にラルフがファステストラップをマーク。
 トヨタのマクニッシュ、エンジンブローでリタイア。この直後バリチェロが3位でピットイン。同じ周で5位ライコネンもピットイン。次の周でマイケルがピットイン。このあたりは恐らく2回ストップでしょう。ラルフはまだ入る気配なし。
 ここでヴィルヌーブがスローダウン!! 一度コースオフしてからまた戻っていきましたが……やはりピットへ戻りました。ちょうどその後ろにラルフが!! スピードの乗らないヴィルヌーブに抑えられる形になってしまったラルフ、何事も無ければ2位で戻れたところ、マイケルの後ろになってしまいました。次の周でモントーヤもピットへ。4位で復帰。現在、マイケル ラルフ バリチェロ モントーヤの順。因みに琢磨は10位。今回は期待できそう。
 ライコネンの左リアタイヤがバースト!! 何とかピットへ戻ろうと懸命に走るが……完全にタイヤが外れてホイールが剥き出し。メカニックが入念にチェック、ガソリンも残りの分を全部入れてコース復帰。これによりパニスが6位、琢磨が9位へ。って言ってるそばからパニスがスピンアウト!! そのままリタイアです。これで「日本がらみ」残りは8位琢磨、9位サロ、10位フィジケラ。誰か1人でも入賞できるか?
 バリチェロが2回目のピットイン。しっかし、給油ノズルが入らない!! 大きなタイムロス、これは表彰台 危ういか?次の周に入ったマイケルは全く問題なし。その次の周にラルフがピットへ。こっちもたいした問題も無くコース復帰。ただ、タイヤは換えずに給油のみ。安定しているタイヤで最後まで行こうということでしょう。モントーヤはタイヤも交換。このあたり、恐らくラルフとモントーヤでタイヤが違うんでしょう。この段階でマイケルは完全な独走状態。こういうところでミスをするようなドライバーじゃないんで、マシンが壊れない限りは、決まりか?
 10位を快走していたフィジケラがコースオフ、リタイア。残り6週だっただけに残念。大きく後方に下がったライコネンも懸命に追いかけていましたが、1コーナーでスピン、リタイアとなりました。さらに、2位ラルフがピットへ。エンジンのバルブ制御に使うエアを補充、コースへ復帰。何か問題があったんでしょうか?これで2位モントーヤ、3位ラルフ、4位バリチェロの順に。
 結局そのままチェッカー。マイケル/フェラーリのドイツGP初優勝です。これで自ら持つ「年間9勝」に並んだマイケル、これは間違いなく更新しますね、この人。
 

決勝結果

1  M シューマッハ  フェラーリ  ブリヂストン
2位  モントーヤ  ウィリアムズ  ミシュラン
3位  R シューマッハ  ウィリアムズ  ミシュラン
4位  バリチェロ  フェラーリ  ブリヂストン
5位  クルサード  マクラーレン  ミシュラン
6位  ハイドフェルド  ザウバー  ブリヂストン
7位  マッサ  ザウバー  ブリヂストン
8位  佐藤琢磨  ジョーダン ホンダ  ブリヂストン
9位  サロ  トヨタ  ミシュラン

 佐藤琢磨、ベストリザルトです。

ここまでのポイントの行方はこちら!!

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