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TIME LINE

  • 著者:マイケル・クライトン
  • 発行:1999/Ballantine US $7.99
  • ボキャブラ度:★★★★☆
     ※個人的に感じた英単語の難しさです。

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 毎度おなじみ、クライトンが狙ってベストセラーにした、タイムトラベルものです。

あっというまに早川書房さんが翻訳してくれましたが、翻訳本は\1,700円(税別)×上下巻なので、ペーパーバックのほうがずっとお得です(?)。
  ボキャブラは、古語や歴史的固有名詞が多少登場しますが、結構楽に読めました。初心者向けです。
 映画化され2004年に日本公開されましたが、あまりヒットしなかったようです。過去へのタイムトラベル物は、戦国自衛隊的なトンデモな見せ場がないと、SFとしても時代劇としても中途半端な絵になっちゃうんですよね。脚本はけっこう原作に忠実なので、レンタルでDVDを見てから読むのもよいかもしれませんね。

 ところで、登場するタイムマシンはMRIを改良したもので、転送シーンはちょっと笑っちゃいますが、スタートレックの転送装置の科学的説明にもなりそうです。

●ストーリー●

 アリゾナの砂漠に忽然と現れた老人は、病院の精密検査で信じられない異常が発見された。体組織が、断層のようにズレていたのだ。老人は、ニューメキシコ州ある量子テクノロジーのベンチャー企業ITCに所属する物理学者だった。ITCの若きオーナー社長ドニガーは、老人の死体を秘密裏に回収させた…。

  そのころ、フランス南西部のドルドーニュで、調査をしていたイエール大学の発掘チームは14世紀の修道院遺跡で信じられないものを掘り出した。それはアメリカに行っているはずの彼らの教授、エドワード・ジョンストンが14世紀から発した、救助を求めるメッセージだったのだ。チームの一行は、ITCからの要請により、教授を救出すべく、量子テクノロジーを使い、100年戦争のさなかのフランスへと旅立った。

 そこで彼らが見たものは、歴史書では書かれない、圧倒的な暴力が支配する世界だった。ガードの兵士を到着早々殺され、徒手空拳となったかれらは、教授を連れ帰ることができるのか。ITCのドニガー社長の真のたくらみとは何か。14世紀で彼らをおびやかす、謎の人物の正体は誰か。

 ノンストップムービーのようなストーリー展開は、さすがクライトンの面目躍如といったところです。



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