Windows10 の導入

  実は、このサイトに記事を書くのは4年ぶりです。 この間、Linux の研究を続けていました。
  さて、表題の件ですが、ThinkPad X121e に Windows10 をインストールしました。 このマシンは本来 Windows7 Pro 64 bit プリインストールで、あとから Puppy Linux (Precise 5.7.1) をインストールしてデュアルブートにしています。私は新しい物好きではありませんが、一応「パソコン整備士」の資格を得ているので、Windows10 は知りません、というわけにはいかないでしょう。無料でバージョンアップできるので、果敢にも(笑)実行しました。仮におかしなことになっても、現在では Linux で Windows の代替ができますし、Linux  なら短時間で再インストールできてしまいます。
   私は「予約」ではなく、「ISO イメージをダウンロード」してバージョンアップしました。ダウンロードからインストール、各種設定の完了まで6時間くらいかかりました。今のところ私のマ シンで唯一の障害はビデオドライバの不具合です。Firefox で Youtube(Flash 利用)を見ようとしたら、動画が表示されません。動画の部分が緑色になります。ネットで調査してみるとどうやら Windows10 に付属している AMD のビデオドライバが原因のようです。それで、Lenovo のサイトから Windows7 用のドライバをもらってきて差し替えてみました。予め、Windows10 のドライバはデバイスマネージャで削除し、CCC (Catalyst Control Center) は「プログラムのアンインストール」で消しておきます。しかし、古いドライバを入れようとすると、インストール途中でエラーが発生します。これは CCC が Windows10 と互換性がないためです。 少し前に ThinkPad T43で Vista から Windows8 にバージョンアップした時も CCC でトラブルが起こりました。
  CCC はビデオドライバの細かい設定ができるのですが、通常は初期設定のままで問題ありません。 とりあえずドライバだけインストールすればよいので、デバイスマネージャの「ドライバの更新」を利用してインストールしました。
  これでトラブルは回避できた、と安心していたら、Windows Update でドライバが最新のものに戻ってしまいました。Windows10 では Windows Update は強制的に行われ、インストールする更新プログラムを選ぶことができません。しかし、ネットで調べると回避する方法がありました。「Windows10 の不具合&トラブル情報」というサイトを参考にさせてもらいました。ドライバが Windows Update によって置き換えられるのを回避する方法が書かれています。
  Youtube on Windows10 の主なブラウザの挙動をまとめると、
  今回のトラブルで思い当たることがあります。 M$ は以前からブラウザプラグインの分野で flashplayer と Windows Media Player や Silverlight で競合していました。ブラウザ自体も当然競合関係にあります。素人の推測の域を出ませんが、競合他社の製品に不具合が出ているのは偶然でしょうか。表計算 ソフトの老舗や、日本生まれのワープロソフトのことも思い起こされます。
  Linux を使い始めませんか?
2015年9月

  11月追記 : Windows10 用ビデオドライバの不具合が解消されていることを確認しました。パソコン使用中に一瞬画面が暗転したので、ひょっとして、と思ってデバイスマネージャで確認したら、新しいドライバに置き換わっていました。それにしても、何の予告もなく勝手にドライバを置き換えるとは。私たちのパソコンは M$から完全にコントロールされているわけですね。今後、Windows10 を導入する場合は改良版になっているはずなので、この項目に書いたような不具合は発生しないと思われます。

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X Window と Flash Player

  ThinkPad T43 は現在、Windows8.1 と Puppy Linux 4.1.2 のデュアルブートになっています。 一方、ThinkPad X121e は Windows10 と Puppy Linux (Precise) 5.7.1 のデュアルブートになっています。 ここでは Puppy Linux について記します。
  ThinkPad T43 は最初、オープンソースのビデオドライバで使用していましたが、acpitool をインストールしてもサスペンドがうまくいきませんでした。具体的には、サスペンド状態にはなるのですが、再開しようとすると画面に何も表示されないので す。 X Window が復帰しないのだと思っていましたが、実際はディスプレイが消灯しているのでした。 いったん X を終了してサスペンドし、復帰させるときには

 # xwin

とコマンドを打って X Window を起動すると表示されるので、サスペンドが全然できないよりはましだと考えて使っていました。ただし、 X を終了した状態でサスペンドしても復帰後、画面は消灯しているので、闇の中でコマンドを打たないといけません(笑)。
  その後、 ATI(現AMD)のドライバが pet 形式で入手できたのでインストールしてみると、サスペンドしてもちゃんと復帰することが分かりました。 純正のドライバだから正常に機能しているものだと思っていましたが、DVD を再生してみると文字や映像の輪郭がギザギザになるので Linux の表示能力はこんなに貧弱なのかな、とがっかりしていました。 しかし、これも実際のところは、XVideo が有効になっていないためであると気づきました。 /etc/X11/xorg.conf.ATI_MOBILITY_RADEON をテキストエディタで開いて、Device セクションに

 Option "VideoOverlay" "on"

という一行を加えてやると XVideo が有効になります。これで DVD の再生は改善されました。でも、純正のドライバなのに、このあたりの設定が自動で行われないのは釈然としません。
  次に、ThinkPad X121e の場合です。こちらは Puppy のバージョンが異なります。純正のドライバの pet が見つからなかったので(カーネルバージョンが一致していないといけない)、AMD のサイトからダウンロードしてインストールしました。 このマシンと OS の組み合わせでは、 オープンソースのドライバでも、サスペンドは問題ありませんでした。 純正のドライバの利点は、HDMI ケーブルでテレビとつないだ時に、画像だけでなく音も出るということです。オープンソースのドライバでは、

 radeon audio=1 (radeon モジュールのオプション)

を設定しないといけない、とネット上に情報がありますが、私のところではうまくいきませんでした。
  しばらく、純正ドライバを使っていましたが、 Youtube(Flash 利用)で全画面再生をしようとすると、動画がスローモーションになってしまうので、純正のドライバでもこんなものか、とがっかりしていました。 しかし、ネットで調べてみると、実際は単にビデオドライバを入れただけでは GPU の再生支援機能は働かないらしいことが分かりました。 AMD の場合は XvBA というインターフェースを利用するので、パッケージマネージャを使って追加しましたが、残念ながら変化はありませんでした。
  それで今度は、オープンソースのドライバに戻してみました。これは DRI が有効にならないので、 xorg の log を見てみると、r600_dri.so がない、という警告が出ていました。 それでは、このファイルはどこにあるのか、ということで調べてみると、 VDPAU 関連のパッケージに含まれていることが分かったので、一連のパッケージをインストールし、 DRI が有効になりました。 VDPAU も GPU の動画再生支援機能を利用するためのインターフェイスですが、本来は AMD 関連のものではありません。仕組みはよく分かりませんが、 Youtube の再生は改善されました。 動画を右クリックして「詳細統計情報」を見ると、 accelerated video rendering, software video decoding と表示され、少なくとも動画の表示には GPU の機能が効いていることが分かります。 本当は、H.264 ビデオのデコーディングも有効にしたいのですが...
2015年10月
  追記 : T43 は CPU (Pentium M) のパワーだけで動画の全画面再生をしてしまいます(ただし、480p)。  X121e のデュアルコア CPU のほうが負けています。

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Youtube について

  このところ Youtube がらみの記事を連続で書いています。 実は、私は Youtube のヘビーユーザーで、動画が快適に見られるかどうかは死活問題なのです。 加えて、Youtube の方針により最新のブラウザでは HTML5 player がデフォルトになったので、私の非力な PC ではいろいろと手段を講じないと動画がスムーズに再生されない、という事態になっています。
  CPU パワーに余力がある PC なら問題は生じないのでしょうが、私と同じような環境の人も多いと思います。 Firefox の最新版は極めてファイルサイズが大きいので、PC のリソースをかなり食ってしまいます。 レンダリング(描画処理)に関しては残念ながら IE に負けているように思います。 HTML5 player よりも Flash Player のほうが軽いので、私は最新の Firefox でも Flash Player を使うようにするアドオン(拡張機能)をインストールして使っています。
  以下は私の環境で Flash 利用の場合の GPU の再生支援機能を示した表です。


標準/シアター
全画面
備 考
ThinkPad T43 Win8.1
×

レンダリングのみ
ThinkPad T43 Puppy 4.1.2
×
×
純正のビデオドライバ使用
ThinkPad T43 Puppy 5.7.1


オープンなドライバ 、いずれもレンダリングのみ
ThinkPad X121e Win10
H.264のみ○

全画面ではH.264再生支援とレンダリング
ThinkPad X121e
Puppy 5.7.1


オープンなドライバ 、いずれもレンダリングのみ

GPU が H.264 再生支援機能を持つようになったのは 2008 年くらいからです。 ThinkPad T43 は 2006 年製なので、H.264 には対応していないと思われます。 そして Linux 用の ATI 純正ドライバがあてにならないことがわかります。
  Flash Player はオープンソースでないことが批判の対象になることがありますが、ビデオドライバがちゃんと機能すれば安定して利用できると思います。 HTML5 player はブラウザにより処理にばらつきがあります。 H.264 の技術は完全にフリーというわけではないようですが、再生に関しては OK らしいです。 Google や Youtube はオープンソースの VP9 コーデックの利用を推進したがっているようです。
  メーカーそれぞれに思惑があって動画再生の規格が統一されていません。かといって、このまま HTML5 が標準になってしまうと、非力な PC は切り捨てられてしまいます。 HTML5 player がどのブラウザでも安定して動くようになればいいのですが...
2015年10月

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Firefox と Youtube (on Puppy Linux)

  (2017年3月追記) この記事の内容は 2015 年当時のものです。現行の Firefox には当てはまりません。

  前回に続いて Youtube がらみのお話です。私は 2009年から Puppy Linux を使い始めましたが、その後何年かのブランクを経て、 2013年から再び Puppy Linux の研究を始めました。理由は、Windows XP のサポート終了が迫ってきたことでした。既に Windows Vista や Windows 7 を使っていたので、 XP のサポートが終わっても特に困らないのですが、古いパソコンを活用する方法をさぐりたかったことと、動作の重い Windows に疑問を感じていたのが理由です。
  ThinkPad T43 では、2009年当時の Puppy 4.1.2 を未だに使っています。セキュリティ上どうなのか、と思う人もいるでしょうが、Puppy Linux はCDから起動、もしくはハードディスクなどに置いた SFS を読み込んで起動するので通常のOSとは事情が違います。一応、bash や open SSL のアップデートは施してあります。
  さて、前置きが長くなりましたが、Puppy 4.1.2 はそのままでは Firefox 12 までしか動きません。(Firefox を動かすには前提として dbus と dbus-glib の pet パッケージを追加する必要があります) しかし、システムファイルのアップデートを行うことで、最新の Firefox を動かすことができます。具体的には、

  glib-2.22.2-i486.pet
  glibc-2.10.1.pet
  glibc_locales-2.10.1.pet (これを入れた後、time zone を"Asia Tokyo"に再設定)
  gtkdialog4-246-w5.pet
  puppy412-flash-fullscreen-fix.pet (これは直接関係ないが、全画面表示に必要)
  gtk+-2.18.3-p4.pet

をインストールします。
  一番下の gtk+ は Puppy の公式リポジトリからですが、それ以外は、 http://412collection.neocities.org/index.html からもらってきたものです。 glib や glibc は、以前はこのサイトに直接置かれていましたが、今は sourceforge へのリンクになっています。このサイトは、英語ですが Puppy 4.1.2 を未だに愛用する人必見です。(日本語版 Puppy 4系では Puppy 4.3.1 が最新、5系では Puppy 5.7.1 が最新なので、これから新規インストールする場合はそれらを利用したほうがいいと思います)
  これで、Firefox の最新版が動くようになります。前回書いたように、Youtube では最新のブラウザでは HTML5 player がデフォルトになるので、Flash 使用を強制するアドオンをインストールしない限り Flash Player は使用できません。HTML5 player は Flash Player よりも重いのですが、使ってみると T43 では少なくとも標準サイズ(360p)では Pentium M のパワーで問題なく再生します。しかし、Linux 版の Firefox では何故か設定を変更しないと vp9 コーデックが利用できません。(その場合、vp8 コーデックで再生)
  アドレスバーに about:config と入れてエンターキーを押すと「高度な設定」画面が出ます。そこで、

  media.mediasource.enabled
  media.mediasource.webm.enabled

という項目の値を "true" にすると、vp9 コーデックが有効になります。何故最初から有効になっていないのか疑問ですが、ひょっとすると私の場合は以前のバージョンからアップしたので、以前のバージョンと互換性を保つためにそうなっているのかもしれません。
  最新のOSを使えば、以上のような面倒な細工をしなくてもいいのでしょうが、2006年製の T43 には Puppy 4.1.2 が合っているような気がします。
2015年11月

  追記 : このところ Youtube の仕様はころころ変わります。一時「最新のブラウザ」でも Flash Player が選択できるようになっていましたが、再び HTML5 player が強制されるようになっています。Youtube は Google 傘下なので、Chrome を使わせたいのだろうけれども、Chrome は比較的新しい OS でないと動かないのが難点です。

  付け足しばかりで恐縮ですが、gtk+ をバージョンアップした結果、日本語入力の際に変換候補が入力位置から離れた場所に表示されるようになってしまいました。 日本語入力は scim-anthy を使っています。ネットの情報を参考にして次のように対策しました。

  scim-bridge-0.4.16-pup4.pet をインストールし、/root/.xinitrc を編集する。


  export GTK_IM_MODULE="scim"
  export QT_IM_MODULE="scim"

  とあるのを
  export GTK_IM_MODULE="scim-bridge"
  export QT_IM_MODULE="scim-bridge"

  とする。

  Firefox や OpenOffice で変換候補が正常に表示されるようになります。しかし、テキストエディタ geany は直りませんでした。どうしても困る、というものでも ないのですが、ちょっと気になります。

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