Fossapup64 9.5
ほぼ1年ぶりの web ページ更新となります。今年は忌まわしい covid-19
の話題で明け暮れた1年でした。もっとも、更新がなかったのは covid-19 とは無関係で、単なる私の怠慢です。
この間も Puppy Linux 日本語フォーラムのほうにはちょくちょく投稿していました。
表題の Fossapup64 は Ubuntu 20.04 focal fossa をベースにした最新の Puppy
です。日本語化パッケージ (pet) と日本語化版 iso を Puppy Linux 日本語フォーラムで公開しています。pet と iso
があるのは、最初 pet パッケージでの日本語化を計画し、後に iso ファイルを作成したからです。
カーネルバージョンは 5.4.53
です。カーネルが新しいことから、最近のハードウエアへの対応が強化されていると思います。ブラウザを起動すると、メモリの使用量が 1GB
を越えるので、2GB 以上のメモリを搭載したマシンが必要です。64bit windows が稼働するマシンなら、2GB
以上のメモリを積んでいるはずです。家の ThinkPad L440 ではストレスなく動きますが、ThinkPad X121e
でテストしたところ、動作は緩慢でした。どちらのマシンもメモリは 4GB ですが、X121e は CPU がデュアルコアながら 1.0GHz
と非力だからかもしれません。カーネルが適合しない可能性もあります。この OS は新しめのマシンで実行するのが無難です。
オリジナル(英語)版に関して言うと、アプリの大部分が adrv sfs として本体 sfs
から分離された点が最大の特徴です。adrv
を外して起動すれば、アプリをほとんど持たないミニマルシステムとして起動します。しかし、この使い方は玄人向けです。
qt5 ライブラリも adrv にあるため、ミニマルシステムでは日本語入力フロントエンド fcitx
が動きません。ですから、日本語化パッケージも日本語化版 iso
も、ミニマルシステムとしての起動は想定していません。言っても仕方のないことですが、オリジナル版を開発する人たちは、
最初から日本語化を考慮していないと思われます。収録されているアプリの大部分は国際化対応になっていますが、欧米の言語を話す人たちは fcitx
などのインプットメソッドを追加するとはどういうことなのか考えたこともないのでしょう。
では、Fossapup64 のメリットは何でしょうか。
以前にも書きましたが、Puppy
には基本的なお約束があって、収録されているアプリの種類はバージョンの違いに関わらず概ね同じです。ただ、カーネルバージョンが新しければ、
新しいハードウエアをサポートすることができます。アプリの種類は変わらなくても、改良が加えられてバージョンは上がっていきます。
ライブラリのバージョンも上がります。それにより最新のアプリの実行が可能になります。場合によっては、これまで動いた古いアプリが動作しなくなることもありますが、OS が新しくなるということはそういうことです。不都合なら、以前のバージョンを使えばいいだけです。

Fossapup64 のデスクトップ。jwm のテーマはオリジナルから変更しています。また、conky は停止しています。
インストールについて
windows と共存インストールするのなら、LICK (Puppy Linux Windows Installer) を利用するのが簡単です。
この方法なら、Puppy のためにパーティションを用意する必要もありません。
CD から Puppy を起動して Puppy に付属するインストーラを使うこともできます。CD から起動する場合は iso を CD
に焼く手間がかかりますし、最近の Puppy
はサイズが大きいので起動に大変時間がかかります。そういうデメリットはありますが、usb メモリに直接インストールしようとするよりも確実な方法だと思います。
usb メモリにインストールするには rufus や unetbootin を使う人が多いようですが、私は使ったことがありません。専ら HDD
にインストールして使っているからですが、テスト目的で usb メモリにインストールする場合は、Puppy に付属するインストーラを利用しています。
2020年12月