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うたの木 misato 1999 冬の華

1999年12月9日(木) 愛知県名古屋市 愛知芸術劇場
18:15開場/19:00開演/21:30終演

いよいよ「うたの木」ツアーの後半が始まります。今日の愛知、16.17の大阪、24,25の福岡と、西のほうに向かいます。曽我大介さんがタクトを振るのは今日で最後、「ファンキーな指揮者」のどんなパフォーマンスが見られるか楽しみです。

会場となる愛知芸術劇場は、名古屋のシンボルのひとつであるテレビ塔があるセントラルパークの脇にある、総合芸術ホールです。丁度、よこすか芸術劇場と同じようなつくりの建物です。

今日のコンサートは、ファンクラブを通してチケットを購入しました。一階(アリーナ)の若い番号だったので期待していたのですが、実際には前のほうではあるものの左端に近い場所です。ステージには近いので美里の歌を間近で聞くことが出きるし、双眼鏡が無くても表情が良く見えます。しかし、座席がステージより下になるので、ステージ上の様子が良く見えません。しかも、左端に近いこともあって、機材の影に隠れてホーンセクションがいるはずの場所は、まったく隠れています。こう考えてみると、ステージに近すぎるのも良し悪しです。

会場に入ると、今回のコンサートでおなじみのパンフレットが配られます。ただちょっと物足りないのは、今まで入っていたA4版のコンサート案内のチラシが入っていないことです。ただ、終了時にもパンフレットが出口のところに積まれておりましたので、数冊お土産に持って帰りました。

座席に着き、開演を待ちわびている間、何かいつもと雰囲気が違います。「何か違うかなぁ」と考えてみると、ステージ上に楽団員が誰もいません。楽器だけが整然と開演を待っています。いままで見た「うたの木」ですと、開演前に数名の楽団員がステージ上にいて音合わせやパートの練習をしている、という光景にであったものです。しかし今日は誰もいません。



♪第一部♪
今日のパートナーは、「名古屋フィルハーモニー交響楽団 通称名フィル」です。クラッシックにうるさい人なら、楽団によって音が違うと、うんちくを述べるところでしょうが、生憎とそれほどまでの「耳」を持っていません。そうこうするうちに、楽団員が登場し、続いて曽我大介さん、斉藤恒芳さんが登場します。いよいよ名古屋の夜に「うたの木」が響き始めます。
welcome(インスツルメンタル)
春と同様、welcomeのインストルメンタルで始まりです。ステージの「木」をモチーフにした巨大なオブジェに、緑の葉の映像が映し出されます。♪20世紀の星屑を21世紀に伝えたい♪という歌詞のとおり、2000年、21世紀への橋渡しとなる「うたの木」のオープニングとしてぴったりです。

曽我氏の招きにより、ステージ下手(向かって左側)から美里の登場です。いままで衣装は上下とも「真っ赤」だと思っていたのですが、上下で微妙に色合いが違います。上がどちらかというと「ワイン色」、下が「赤」でしょうか。
素顔
37.2℃(夢見るように うたいたい)
アルバム「ハダカノココロ」からの選曲です。いままでの「うたの木」で、「37.2℃(夢見るように うたいたい)」に対しては、オーケストラとシンクロしていないような違和感を覚えたのですが、私がこのアレンジにやっと慣れたのか、多少違和感はあるものの、やっと馴染んで聞けました。

こんばんわ、渡辺美里です。今夜はようこそ。
みんなみんな、会いたかったよぉ〜。

待ちに待った名古屋での「うたの木」がとうとうスタートしました。今夜はほんとに、こんなにたくさん集まってくださって、心から感謝します。

今夜のコンサートが今までやってきた「うたの木」のコンサートの中で、そして私が今まで歌いつづけてきた歌やコンサートの中で「最高得点」を出したいと思っています。暖かい気持ちになれるような歌、激しい気持ちになれるような歌を準備していますので、皆さん最後まで楽しんで行ってください。どうぞよろしく。

次の曲は、フルオーケストラの皆さんに揃って頂いてはいますが、少し贅沢なコーナーにしたいと思います。放課後の教室で、吹奏楽部の演奏が聞こえてくる風景を心のどこかに思い浮かべてくれたらいいなと思います。これは、男の子も女の子も大好きな曲です。イントロ聞いただけじゃ分かんないかもしれないけど、歌い出しを聴いてもらえば「あぁ、あの曲だ」と分かると思います。

突然、金管楽器の音が響きます。確かにこのイントロからは何の曲か、ぜんぜん分かりません。が、
♪空一面、広がった・・・♪、あっ10Yearsだ。
10 years
金管楽器を中心にまとめられていますが、間奏のマリンバ(美里バンドの女性メンバーだそうです)の音が素朴で素敵です。はじめて聴いたときは、薄味の味噌汁のように物足りなかったのですが、回を重ねるたびに(今回で5回目です)いい味を出す様になりました。もともと10Yearsは歌詞もメロディーも気に入っていたのですが、更に気にいるようになりました。

ここで、クラスメート?の紹介です。
と金管楽器の奏者を紹介していきます。

久々の名古屋でのコンサートなので、思いはここまで(と喉のあたりを指しながら)来ているんだけど、前に出し切れずにいるような、そんな気配がするんですが、大丈夫ですかね?

このホールの呼び方、難しいんだよね。なだらかに1階、2階となってて、そこの仕切りから向こうが2階という呼び名になっているようなんですけども、美里流に、こっち一面を「アリーナ席」と呼ばせて頂いて、3,4,5階席を「スタンド席」と呼ばせていただきます。

オッケー スタンド
オッ、イェィーアリーナ

スタジアムコンサートに慣れ親しんでいる私としては、こう言うドレスを着ていてもついスタンド、アリーナと呼びたくなってしまうので、「スタンド」「アリーナ」で通したいなっと思っています。

今は無き?と言ってもいいのかな、形も無くなっちゃっているんだろうかナゴヤ球場でも(すかさず、会場から 「あるある」 のコール)、ある?勝手に壊すな?ゴメンナサイ、ナゴヤ球場でもコンサートをやらせてもらったことがありますし、名古屋城深江丸広場でも(会場から、ヒェーの声)、何それヒェーと言うのは、名古屋城深江丸広場って言うのはまだある?(あるよ〜、の大合唱)、名古屋城深江丸広場というところでも、デビューしてすぐのときにコンサートをやらせていただきまして(行ったよ、とあちこちで声)、ありがとうございます。そんなに長いお付き合いの人が来てくださっているとは露知らず、という感じですが。ナゴヤ球場だったり、名古屋城だったり、そして今日の芸術劇場だったりと、といろいろなところでコンサートができてうれしくおもっています。

おととい来たときは2階のXX席、その席に座っている人居ますか。あなたが、今日のラッキーシートです。(大爆笑)。みごとラッキーシートに当選したあなたは、今日コンサートが終わったらそとで...何も在りませんが。(またまた大爆笑)その席、(関西弁で)ぬくめときましたから。

メンバーを紹介させてください。ホーンセクション・・・
と紹介が始まりますが、この席からは機材の影に隠れて見えません。後ろのほうでは、「来てるんだ!」とか「見えない」と言うささやきが聞こえてきます。

次の曲は、体を参加させていただきます。右手の人は右手で、左利きの人は左手で。

来ました、来ました、前回特に気に入ったアレンジです。はやく、♪パ〜ラダイス♪したい!
Nude
ブランニューヘブン
オレンジのトロピカルな色がステージを覆います。この2曲は、ノリノリなナンバー。クラシック形式のコンサートでありながら、徐々に人が立ち始め、最後はアリーナ席は総立ちです。事前に練習した甲斐も合って、見事なパラダイスです。つづくブランニューヘブンなど、はじめから総立ち。おまけに、間奏ではホーンのパフォーマンスまであり、この部分だけ見ると、普段のコンサートまったく同じです。つづいて
シンシアリ
Welcome
激しいナンバーから、しっとり聴かせるこの2曲。シンシアリは、聴けば聴くほど深みがある曲です。「うたの木」で新たに息を吹き込まれたのではないでしょうか。そしてWelcome。「うたの木」のメインテーマですね。

一部終了

「ただいまより、15分の休憩に入ります」のアナウンスが流れたときは、会場から笑いが漏れていました。

♪第二部♪
黒い(もしかしたら濃紺の)ピロード地のガウンをまとった美里の登場です。
My Revolution −第2章−
eyes
My Revolution -第2章-は何も言うことは無く、安心して聴けます。「うたの木」の原点と言える曲ではないでしょうか。安心して聞けます。けれど、今日は何か照明が変。会場の照明が点灯したままのようです。次のeyesでやっと会場の照明が消えました。「うたの木版」のeyesは弦楽器のアレンジが効いていて好きですし、リズムも(6/8と言うんですか、良く分かりませんが)タンタンタンと刻むリズムは妙に落ち着いて聞けます。この曲が世に出で、すでに10年以上経っているのに、新鮮に聞こえるのは、やはりアレンジのすばらしさでしょうか。

もうこの空間に慣れましたか。途中で休憩の入るコンサートに慣れていない人も中にはいらっしゃるかと思いますが、そういう人は休憩の間何しようかな、お茶でも飲もうかな、でもお茶を飲むにはなぁ、と言うタイミングかもしれませんが。私は、「うたの木」という今回のコンサートのタイトルをつけたオリジナルのアロマオイルの香りを深呼吸してリフレッシュして、第2部に望んでいるわけですが。

遅くなりましたけど、名古屋で、今回のコンサートを作ってくれている名古屋フィルハーモニー管弦楽団の人たちを紹介します。

あれっ、「管弦楽団」?、「交響楽団」ではないの?

この時期、日本国中毎日いろいろなところでオーケストラの人たちのお呼びが掛かって、大忙しのようで、あっちでもこっちでも「第九」という感じで、いろんなところで見たり聴いたり出きると思うんですが。

楽器のイメージって言うのが有って、ハープっていうと、どうしても女性的なイメージを感じてしまうんですが、今回は、「たくましい」って言っていいのか・・・
と、ハープ奏者の人を紹介するのですが、ここからではそのハープ奏者は見えません。どんなにたくましい人がハーフを弾いていたのか、すごく気がかりです。

さっき、名古屋に何回も足を運んでいるという話をしましたが、葉加瀬太郎さんコンサートを聞かせてもらったのですが、葉加瀬さんはこう言うMCのコーナーでやたら食べ物の話をなさるんです。葉加瀬太郎さんが話していたことに洗脳されるがごとく、手羽先を食べひつまぶしをたべエビフライサンドを食べて、今夜は味噌煮込みうどんを食べに行くと思うんですが(会場から最後まで飲み干すんですよの声)、食べたことが無いんで、今夜あたりトライしてみようかなと、思っています。

前回名古屋に来たのは日本シリーズ前でしたが、世の中には私が大の「西武ファン」だと信じ込んでいる人がものすごく多いようで、名古屋で新聞とか雑誌の取材を受けると開口一番「美里さんは西武ファンですよね」と言われるし、長年こちらに住んでいる人は「うちと美里さんとこで日本シリーズやりたかったなぁ」と仰るんですね。

続いての曲は、内容は寂しいんですが、アレンジは勇ましくなっています。聴いてください。
ランナー
悲しいね
ランナーでは、金管楽器が高らかに鳴り響き、追っかけるように輪唱していきます。こういう圧倒的な音を聞くと、なぜか感激して涙が出てきます
そして、一転、雪が降るような鈴の音が響き、悲しいねが始まります。悲しいね、の最後の一小節はアカペラです。全身歌手「渡辺美里」ならではのパフォーマンスです。会場の広さに負けることなく、響き渡ります。

この2曲に付いては、斉藤さんから「こう言うアレンジにします」といって、デモテープを渡されて車の中で聞いていたんですけれども、あまりにもイメージが膨らんで涙が止まらなくて、もし信号待ちしている人が私のことを見たら、「どうしたんだろう、この人は」、と心配されるぐらい涙があふれてきちゃって、早くステージで歌いたいなって思っていました。

私は年賀状よりもクリスマスカードを書くほうなんですが、心をこめてクリスマスカードを書きたいと思っています。 これからの曲は、一足早いクリスマスプレゼントです。一緒に歌ってください。聴いてください。
Pajama Time
グリーン・グリーン
サマータイム ブルース
いつかきっと

Pajama Timeでは、曽我大介さん自ら大きく手拍子を取っています。それにつられて会場も手拍子が巻き起こります。曽我さんのこんな姿は、めったに見られないでしょう。とても、世界を舞台に活躍する指揮者とはとても見えません。続くグリーン・グリーンも大盛り上がりです。美里も曽我さんも観客も、これがクラッシック形式のコンサートだったということを忘れてしまうくらいに、乗りまくっています。

そして、あれ、このメロディは・・・

そうサマータイムブルースです。これはパンフレットには載っていません
ほんとにうれしい「クリスマスプレゼント」です。

第2部最後の曲「いつかきっと」では、美里も指揮をして「ラララ」と大合唱です。ただ、もっと長く続けたかった「ラララ」の大合唱が、オーケストラのほうで意外と早く打ち切られてしまって、「えっ、何でもう終わり?」と美里が曽我さんの方を振り向いたのが印象的でした。長く付き合っているはずの美里と曽我さんの息が、微妙にずれた瞬間?かな。

鳴り止まない声援と拍手の中、美里、斉藤さん、曽我さんと退場すると、久しぶりの「美里コール」です。私の行った「うたの木 冬の華」では初めてです。今までの普通のカーテンコールに物足りなさを感じていたので、大満足です。

再び現れた美里は、上着を脱いだシースルーのガウンを羽織っています。曽我さんも上着を脱いでいます。しかし、なにか疲れたサラリーマンのようです。

♪アンコール♪
ローズ
歌い終わって、最後にメンバー紹介です。一人一人、噛み締めるように紹介していきます。けど、ちょっと気になることが・・・「名古屋フィルハーモニー交響楽団」と紹介しています。一部の時は「名古屋フィルハーモニー管弦楽団」と言ってましたよね。ごっちゃになりやすいけど、パートナーの名前を間違えちゃあ、まずいんじゃない?しかし、そんな私の心配をよそに、

すばらしい拍手と、すばらしい声援をどうもありがとう。心から、心から感謝します。

サンキュー、スタンド
サンキュー、アリーナ
サンキュー、ナゴヤ

優しいメロディーが流れてきます。
My Love Your Love(たったひとしかいない あなたへ)
最後は観客みんなの大合唱です。曽我さんに導かれて、バンドのメンバーもステージの中央で♪My Love Your Love,,,LaLaLa♪の大合唱です。ただ、最後にステージのオブジェクトに映し出されるはずの美里からのメッセージが、この席からは見えません。ちょっと残念です。

どうもありがとう。みんなの声援で、勇気をもらいました。来年は15周年、思いっきり突っ走りたいと思います。期待して待っててね。本当に今夜はどうもありがとう。

メンバーが退場し、最後に美里が名残惜しそうに、舞台袖に消えます。すると、再び美里コール。みんなは知っている、最後のアカペラを・・・と思ったのですが・・・

再び、美里の登場です。次の曲を期待したのですが・・・

さっきも言いましたが、来年はデビュー15周年15枚目のアルバムも作っています(会場大歓声)。そして、15回目の西武球場でのコンサートもあります(またまた、大歓声)。21世紀に向けて突っ走りますので、みんな付いて来てください。

あれ、アカペラは無いの?

My Love Your LoveのBGMが流れる中、美里が去り、楽団員の人が去ります。その間、コンサートの余韻を噛み締めるかのように拍手が続きます。そして、楽団員が退場し終わった頃を見計らったように、ステージ終了のアナウンスが流れ、「うたの木」の幕は閉じました。
1999年12月19日書人不知


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