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うたの木 misato 1999 冬の華

1999年11月6日(土) 神奈川県横須賀市 よこすか芸術劇場
17:15開場/18:10開演/20:45終演

いよいよ「うたの木」ツアーが始まります。熱く燃えた「西武」から3ヶ月。その余韻が治まりつつあるこのごろに、新しい火種を灯すかのようなコンサートツアーの始まりです。

京浜急行 「汐入駅」を下車します。時ならぬ乗客の多さにも、地元の人は意に介さ無い様子。(後で考えると、よこすか芸術劇場と言うのは有名らしいんですね)。ほとんどの乗客の目的は同じ。開演まで間があるのに、急ぎ足になります。この「うたの木 misato 1999 冬の華」の初日となるよこすか芸術劇場は、駅前にある最近はやりの多目的ビルの中のフロアにあります。

会場に入ると、いつものコンサートホールの雰囲気と違い、その重厚さに圧倒されます。クラシックのコンサートをするには相応しく、左右の壁の部分にも座席があります。しかも5階まで。春のオーチャードは3階席で上から眺める状態でしたから、ホールの大きさはあまり感じませんでしたが、今回は1階席。ホールの大きさ、というよりも、高さに圧倒されます。

春同様、今回のコンサートにもパンフレットが付きました。ただし、ブックレットではなく、3つ折の「メニュー」または「お品書き」のようなものです。みんなで歌ってもらおうと歌詞が印刷されていますが、「字が小さい」「字の色が薄くて見にくい」と、前回と同様、企画倒れとなってしまったようです。代わりに、ツアーパンフレットとしてリハーサルの模様を撮影したと思われる写真集が販売されていました。

♪第一部♪
新日本フィルの楽団員によるそれぞれの音合わせが終わり、指揮者の曽我大介氏が登壇します。ざわついていた会場も静かになり、咳をするのもはばかられるような張り詰めた空気が流れる中、静かに「うたの木」が始まりました。
welcome(インスツルメンタル)
春と同様、welcomeのインストルメンタルで始まりです。ステージの「木」をモチーフにした巨大なオブジェに、緑の葉の映像が映し出されます。♪20世紀の星屑を21世紀に伝えたい♪という歌詞のとおり、2000年、21世紀への橋渡しとなる「うたの木」のオープニングとしてぴったりです。

曽我氏の招きにより、ステージ下手(向かって左側)から美里の登場です。「真っ赤」です。真っ赤なドレスで、登場です。(西武の時は「青」でしたね)
素顔
37.2℃(夢見るように うたいたい)
2曲続けて、ハダカノココロからの選曲です。けれど、あれっ?少し変な感じ。「37.2℃(夢見るように うたいたい)」は、オーケストラと合ってないみたい。オケのメロディーと美里の歌がシンクロしていないように感じたのは、私だけ?それとも、そう言うアレンジで、私が着いていけなかっただけ?

-MC-
こんばんわ、渡辺美里です。今夜は「うたの木」に来てくれて、心から感謝します(このフレーズ、とても好きです)。
今日は土曜日ということもあって、席に着いている人もいますが、前のほうに若干「もったいないところの席」が空いているようで。お仕事が終わって、「うたの木」用にショーアップして向かっていてくれてるとは思いますが、もしかして「カザフスタン戦」を見に国立の方に行ってしまったのかも。(会場大爆笑)


いつもながら、美里のウイットに飛んだMCにうっとりします。今日の座席は一階の、ステージ真正面、調整卓の後方になります。そのため、なんか美里が自分のために歌ったくれちゃってるような、そんな至福な気分になります。

今まで出一番、思い出に残るように、いい歌を一杯いっぱい歌いますので、知ってる人は一緒に歌ってください。

この曲がこんな風にアレンジされてしまうのかとびっくりするかもしれませんが、放課後の教室でどこからともなく吹奏楽部が練習する音が聞こえるような、そんな光景をイメージ゛してみました。歌える人がいたら、一緒にうたって下さい。


突然、金管楽器の音が響きます。何の曲か、ぜんぜん分かりません。と、
♪空一面、広がった・・・♪、あっ10Yearsだ。
10 years
金管楽器が中心で、マリンバ(美里バンドの女性メンバーだそうです)がいい味を出している10 years。クラシックでは金管楽器がメインになる楽曲は珍しくないのでしょうが、POPSの伴奏として聞くと、こういう音に慣れていないのか、ちょっと違和感があります。しかし、斎藤さんのアレンジがすばらしく、確かに「放課後」がイメージされます。


-MC-
(金管楽器の奏者を紹介しながら)
クラスメートだったかな?という世代の人の演奏でした。

たくさん紹介したい人がいるんですが、指揮者の曽我大輔さん。
(続いて、いつものメンバーの紹介です。ホーンセクションはいつもと変わらずラフな格好ですが、オクちゃん、有賀さんは、ちょっとシック。会場からは、失笑とも、ため息ともつかないどよめきが広がります。)

空気が硬いですね。
前のほうにマスクをしている人がいますか、「お熱はないですか?」。こう言うクラシック形式のコンサートだと、咳をするのもはばかられるようなピーンとした空気がありますが、拍手したいな、歌いたいな、と感じたら、遠慮なく歌ってくれて構いませんから、どうぞ肩の力を抜いて。


肩をほぐす意味で、右手を使います左利きの人は、左手でも構いません。波をイメージします。曽我さんも途中やってくれると思います。歌える人は、歌いつつ、踊りつつ

来ました、来ました、前回特に気に入ったアレンジです。はやく、♪パ〜ラダイス♪したい!
Nude
ブランニューヘブン
オレンジのトロピカルな色がステージを覆います。この2曲は、ノリノリなナンバー。クラシック形式のコンサートでありながら、ステージと観客が一体となれる時間です。「動くな」といわれても、どうしても手が出てしまいます。つづいて
シンシアリ
Welcome
シンシアリは、自分にとってはあまり印象に残ってなかった曲なんですが、春に聞いて、西武スタジアムでビデオを見てから、妙に心に残る曲となりました。
Welcomeは、「うたの木」のメインテーマですね。ステージのバックには、流れる星が映し出されています。

一部終了

「ただいまより、15分の休憩に入ります」のアナウンスが流れたときは、会場から笑いが漏れていました。

楽団員が音合わせをはじめると、第二部の開始です。

♪第二部♪
黒い(もしかしたら濃紺の)ピロード地のガウンをまとった美里の登場です。
My Revolution −第2章−
eyes
何も言うことは無いです。安心して聞けます。
eyesは、弦楽器のアレンジが効いていて、好きです。デビュー当時の曲が新鮮に聞こえるのは、やっぱりすばらしいことですね。

-MC-
この空間に、慣れてきたかな?
5か〜い、オッケー
4か〜い、オッケー
3か〜い、オッケー
2か〜い、オッケー
アリーナッ、オッケー

いつもの美里と客席との掛け合い。春の時は「アリーナ」ってやるときに少し躊躇していましたが、今日ははっきりと「アリーナ」って言ってました。

「うたの木」をやるにあたり、いろんなホールを探すのに「ぴあ」とか見ながら、探したんですが、実際にステージを見ないとイメージが沸かないんで下見をするのに3つ候補が合って、ひとつはプッチーニ、ひとつが熊川哲哉さんのバレエ、そして、天童よしみさんのコンサート(大爆笑)
ランナー
悲しいね
ランナーでは、金管楽器が高らかに鳴り響き、追っかけるように輪唱していきます。こういう圧倒的な音を聞くと、なぜか感激して涙が出てきます
そして、一転、雪が降るような鈴の音が響き、悲しいねが始まります。

-MC-
以前ラジオの仕事をしていた放送局の近くのホテルに泊まって、横浜の夜景を眺めながら今日のコンサートのことをイメージして居たんですけども。
ファンクラブにお手紙をいただいたので、懐かしい感じで読んでみたいと思います。
横須賀は海が近いので海産物がおいしいんですが、今なぜか「カレーの町」にしようと盛り上がっています。まだ食べていませんが、「海軍カレー」をお勧めします。」
××さぁ〜ん、居ますか? ××さぁ〜ん、食べてからすすめるに!(大爆笑)


次の曲は、カレーではなくスパゲッティが出てくる曲なんですが、ちょっと悲しい曲です。
キャッチホール
Pajama Time
グリーン・グリーン
いつかきっと

ステージから美里が消えます。隣の人から、「楽しそー、美里」と言う声が聞こえています。そして、いつものアンコールの「美里コール」ではなく、普通のカーテンコールが続きます。

再び現れた美里は、上着を脱いだシースルーのガウンを羽織っています。

♪アンコール♪
-MC-
サンキューよこすか。どうもありがとう。みんな、気持ちいいね!うん、気持ちいい!
ローズ
-MC-
21世紀に伝えたい歌たち、というテーマで今年は「うたの木」のツアーを考えてきました。歌を作るときは大事に作ってきたし、鼻歌交じりで口ずさめるように、言葉やメロディを選んできました。
いっしょに2000年、21世紀を一緒に迎えられるのは、そうありえない。今度生まれ変わっても、こう言う節目に出会えるとは限らないし。

今歌った曲は「ローズ」という歌ですが、昔から大好きだった曲です。歌うんだったら、こう言う形で、オーケストラで歌いたかったので、実現することができて、とてもうれしく思っています。

夢のお手伝いをしてくれた、斎藤さん、こんなにもファンキーな指揮者が居るのかと、曽我大介さん、・・・(
メンバーの紹介です。)

最後にもう一曲、歌いたいんですけども、いいでしょうか。

鐘の音が高らかに響きます。優しいメロディーが流れてきます。「あぁ〜、これが最後の曲なんだなぁ」、と思うと、ジーンと来てしまいます。
My Love Your Love(たったひとしかいない あなたへ)
最後は観客みんなの大合唱です。♪My Love Your Love,,,LaLaLa♪
ステージのオブジェクトには美里からのメッセージが映し出されています。しかし、オブジェが邪魔をして読み取れません。それにすぐステージが明るくなり、メッセージが消えてしまいました。西武のラストの用に、コンサートの余韻を楽しむような演出になれば良かったのですが、ちょっと残念です。

-MC-
サンキュー よこすか。みんなのおかげで、いいコンサートを行うことができました。

観客のみんなが総立ちです。スタンディング・オベージョンで、暖かい拍手が鳴り止みません。拍手の嵐の中、美里は名残惜しそうに何度もステージを振り返り、下手に消えていきます。続いて曽我さん、斎藤さん、メンバーが消えていきます。絶え間無く拍手が鳴り響く中、無常にも会場の照明が明るくなり、「うたの木」の幕は閉じました。

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