one souls -白い宇宙のおはなし-
突然、
自分だけが、地球の引力に忘れられて。
「うそ」
と、月(うえ)の方へ落ちていく。
天に昇るというよりは
あきらかに、
本来の『地』に向かい戻るという感覚で、
潮を引く力にのせられて。
人が皆 飛べるとしたなら、
それはきっと、泳ぐように。
空気もなく、時もなく
空とも海ともつかない空間を
ただ引かれるという目的だけで、進む、
落ちる。
------月の型(かたち)の穴の彼方へゆくために。
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