デジ一眼三機種の比較 

 巷で話題のデジ一眼ですが、自分が購入したのをきっかけに比較テストをやってみました。 ただテストと言っても、気分良く撮影してる中でスナップ的に同じ風景を同条件で撮影したものです。 まあ一応条件(絞りF11、シャッター速度1/250、JPEGファイン)は揃えましたので、それなりに実力は比較できると思うんですけどね(^_^;)。 なお、レンズの焦点距離は若干違いますが、一応リング上の35mmで撮っています。 あと、画像はサイズを変更してますが、それ以外には一切手を加えてはいません。(価格・スペックは、2004年2月現在のネット情報)

Canon EOS 10D 雄之介氏所有
重量790g、実売:173,000円
Nikon D100 ami氏所有
重量700g、実売:178,000円
PENTAX *istD おやじ所有
重量550g、実売:167,000円
使用レンズ:Canon EF16-35mmF2.8L
重量600g、定価:230,000円
使用レンズ:Nikkor ED17-35mmF2.8D
重量745g、定価:230,000円
使用レンズ:PENTAX 28-70mmF4AL
重量240g、定価:30,000円

 さて、3枚並んだ画像ですが、一見すると「D100」がやや暗めで「istD」がやや明るめと言ったところでしょうか。 しかし、レンズのコントラストも違うので、一概には言えません。それよりもおやじの安物ズームの性能が悪くて、コントラストが2者より低い可能性があります(^_^;)。 なお、EOS10Dはキヤノン製の「CMOSの630万画素」、100DとistDはソニー製「CCDの610万画素」です。 多少の色や明るさの違いはあっても、ほとんど拮抗した性能のようです。(ライバルを意識して開発してるんだから、性能が並ぶのは当たり前ですけどね..)
 ペンタもニコンも次世代の自社製CCD開発が進んでるようですが、評論家に非難されながらもCMOSをここまでレベルUPしてきたキヤノンはすごいですね。 量産やコスト、感度に優れるCMOSなので、同じ画質となれば「受像素子では」キヤノンが一歩リードしてるかも..。


○中央部分拡大
Canon EOS 10D
Nikon D100
PENTAX *istD

 画面の中央部を拡大しました。これを見ていただくとわかると思いますが、大きな違いはありません。 明るさやコントラストをレタッチソフトで修正すれば、まず見分けはつかなくなるんではないでしょうか。 なお、おやじのレンズは開放F4の28−70mmで、他の2本に比べれば無理のないスペックのレンズです。 F11まで絞って撮ってるので、中央部分の比較では性能的に得をしてるかもしれません(^_^;)。


○周辺部分拡大
Canon EOS 10D
Nikon D100
PENTAX *istD

 レンズの良し悪しの最も差が出る「周辺」描写ですが、この場合はおやじの安物レンズが不利になってきます(^_^;)。 おやじのレンズはプロ写真家のamiさん、雄之介さんが使うようなレンズじゃないので、この結果はしょうがないです。 ただ、この個所では、おやじのistDの露出やカラーバランスが他とは違ってますね。 シャープネスはしょうがないにしても、やや明るめに出てるのはカメラ側がそういう設定なのかな(^_^;)。 ただレンジが他より狭いのか、露出を考慮してもハイライトが飛び気味のような気が..。


○発色傾向

 さて、最後にカラーバランスと発色傾向ですが、これをやるには明るさを揃えないと比較できません。 なので、これからの画像に関しては「明るさ」と「コントラスト」を補正していますので、その点はよろしく。 あと、小さめなデータばかりじゃデジ一眼の画質もわかりにくいので、少しだけ大きめにしました。 とは言ってもSVGAサイズですが、これでも画像のほんの一部であることは最初の写真を見ればわかると思います。(^_^)

【 Canon EOS 10D 】

 まずはCMOSにこだわるキヤノンですが、良く見ると他よりも彩度が低めな傾向でしょうか。 もっともこれは記録された画像の話で、実際にはプリントやレタッチソフトでいくらでも変わってしまいます。 目安程度に考えてください(^_^;)。
 レタッチしないとややメリハリがない気もしますが、コントラストは強過ぎない感じです。 この辺は、コンシューマー機の傾向とずいぶん違うような気がしますが、まあ、プロ向けの製品ですから当然ですが..。 全体に整ったいい画質ですが、気になったのは右端の斜めの赤いライン。この中にもネオン管のチューブが付いてるはずですが、 赤の中に溶け込んでいるんですよね。色のない場所はシャープに再現してるので、画像エンジンの傾向かな..?。



【 Nikon D100 】

 次はニコンですが、D100はあらゆるメーカーのターゲットになった機種ですね。 他社製のCCDを使っていますが、D1から得た経験からデジタルのお手本的な画像と評価されてます。 ややアンダーで黄色味の発色ですが、この辺はホワイトバランスでも変わってくるので一概には言えません。 コントラストはやや強めで、赤の彩度も1番高く出ています。この1枚だけでは判断できませんが、 レタッチなしでそこそこ使える画像を目指している気がしますね。 そのせいか1番上の全体写真を見てみると、ビルの映り込みの階調などが良く出ます。



【 PENTAX *istD 】

 最後は自分のペンタですが、基本的には同じCCDを使ってるD100に近い画質です。 他よりもシャープさがやや低い傾向ですが、これはカメラ側の設定で上げることが出来ます。 ただ、シャープネスの強調はエッジが浮いてくるので、ビデオっぽい画像になってしまうんですよね(^_^;)。 全体に明るめな画像で、彩度やコントラストはキヤノンとニコンの中間でしょうか。 気になるのは右の「DX」の文字の部分で、ハイライトが飛びやすい傾向がありますね。



○まとめ

 最後にまとめですが、正直な話「なんだかあんまり差がないなぁ」でした(^_^;)。 もっと違ってるかと期待したんですが、さすがは日本製品。均質な性能で破綻がありません。 ペンタはもう少しいいレンズで比較したかったんですが、おやじはデジ一眼で仕事してないので、あまり高いレンズは買えません。 ま、もう1本の「24-90mmF3.5-4.5」はもっと性能が悪いので、28-70mmがベストだったでしょう..。 なお、おまけとして、おやじの各カメラのインプレッションを付け加えて終わりにします。

【 Canon EOS 10D 】
 ジョグダイヤルの感じは1番いいと思いました。縦についてるので、回しやすかったです。 ただ、おやじには重すぎるカメラですね(^_^;)。レンズと合わせると、おやじの*istDの2倍近くなります。 グリップ感は悪くないんですが、もう少し小さいカメラがおやじの好みです。 とは言っても、Kissデジタルは嫌なんですよね..。中間サイズが欲しいところです。(^_^;)

【 Nikon D100 】
 出た時は1番使いやすかったので「これで十分」と思ったんですが、今回の中では1番重いボディなんですね(^_^;)。 ファインダーも*istDと比べちゃうと、ちょっと小さく見えてしまいます。 でも、実績や性能には申し分ないので、EOS10Dともどもプロの道具としては問題なしです。 他メーカーに与えた影響も大きかった分、ライバルにかなり研究されたんでしょう。

【 PENTAX *istD 】
 ほとんどD100に決めてたおやじが、大きさと軽さだけで選んだカメラです。 これで仕事をするにはかなり不安ですが、趣味としてスナップするには最適かも..。 ペンタックスの初代機でしたが、思ったよりD100や10Dに近い性能でホッとしました(^_^;)。 今後はどうなるかわかりませんが、もう少しコストを下げてコンシューマー路線を歩んで欲しいですね。

※注 意
 今回いろいろ書いてますが、あくまでも「ある1つの条件」で比較したものです。 カメラ全ての傾向を比較できるものではありませんので、その点はご理解ください。 また、画質についてもJPEGで比較しております。RAWデータに各社の独自アプリケーションを使うと、 また違った結果になることもあります。


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