金融機関と上手に付合う法


貸手である金融機関の環境


我が国でも、ビッグバンが始まる。銀行を初めとした金融機関の護送船団方式 からの決別である。金融機関も例外ではなく、一般の事業会社と同様に市場で競 争する時代になった。

英米では、10年前にビッグバンを行い、今や自由競争による活力ある社会に生 まれ変わった。ビッグバンにより競争原理に晒された金融機関は、競争に打ち勝 つため独自の特色を持った経営方針を打ち出さざるを得なくなった。その結果、 一方では金融機関の再編成が起きいくつかの巨大銀行に集約され、一方の中小の 金融機関は、特色を持った金融機関(地域に密着した銀行、女性を対象にした銀 行、中小企業を対象にした銀行など)に変心して生き残ることになった。


我が国では、戦後50年以上続いた護送船団方式による金融行政により、いつし か金融機関は不倒神話が信じられるようになっていた。


周知のように、バブル崩壊によって巨額な不良債権を抱え倒産する金融機関が 出て銀行不倒神話は崩壊した。銀行不倒神話の崩壊、ビッグバンによる競争原理 の導入により、金融機関は自らの生き残りに真剣に取り組みはじめた。集めた金 を単に横並びで貸し付けていればよい時代は終わった。

銀行として、生き残る道は、独自に特色ある銀行になって、顧客から喜ばれる 銀行に転換することである。だからといって、採算度外視で営業するということ ではない。銀行として生き残る条件は、利益を生まなければ生き残れないのは、 一般事業会社と変わりはない。


そこで、銀行は独自の経営戦略を構築し始める。顧客の選別が始まる。早期是 正措置(国際決済銀行の自己資本率8%、国内銀行業務4%達成)を原因とした 「貸渋り」は副産物であるが、顧客選別の始まりでもある。


借手が考えること


貸手である金融機関は、自らの厳しい環境を乗り越えるため産みの苦しみを味 わいながら、新たな生きる道を探っていくことになる。それは、借り手にも大き な変革を求めるようになることを意味している。

そこで中小企業に求められるのは、事業の内容を常に明らかにしておく必要性が高ま ってくることになる。貸手側は、事業内容をより透明にすることを迫ってくるからである。審査は、書面による審査がより重要性を持ってくるからである。

企業側は、金融機関と上手に付合うには次のことが必要となってくる。

勘(感覚)による経営では、金融機関を容易に説得できない。
経営内容を書面で行う方が、金融機関で審査が容易になり説得力を持つように なる。
現在の状況を示した経理の状況を常に明らかにしておくこと。
経営者は、計画的に事業を展開する必要性が高まってくる。
求めに応じて実績、計画を提出できるようにしておくこと。



金融機関側の対応

金融機関側では、効率のよい審査を研究し始める。
効率のよい審査を組織で行うには、貸付先の事業の内容、業績、財産・負債の状況が明らかな透明性高い書類によ る審査を求めるようになる。
審査の責任と権限を明瞭にしておくためには、文書(電子的な文書を含む)に よる与信理由と承認関係を明確にしておく必要性が高まる。
利益を生むために、貸倒リスクの回避をより厳格にしようとする。
金融機関自身の生き残り競争に打ち勝つ(利益を生むこと)ための努力をする 。



社会的背景

パソコンの普及で、現状を示す経理の状況を明らかにしておける時代になって いる。
変化の激しい時代を迎え、変化に対応した企業のみが生き残れる状況にある。
閉鎖社会から、開かれた競争社会に突入しつつある。消費者の多様化した需要 をタイムリーで的確にキャッチした企業のみが生き残れる時代になった。
インターネットにより情報がグローバル化し、国際化が進み日本の論理だけで は環境が許さなくなる。金融部門ばかりでなく、事業においても国境が低くなる 。



金融機関と上手に付合う方法は、特別なことを行うことではなく、原則的方法を着実に行うことです。 つ まり、下記の「企業成長の法則」といわれる方法を行うことです。

企業成長の法則

「企業成長の法則」とは、PLAN →DO→ CHECK→ ACTIONを地道に繰り返し行うことです。
つまり、計画(PLAN)を事前に設定し、実行(DO)を迅速に行い実績を算出し、計画(PLAN) と実績(DO)を比較分析をして改善案を策定し(CHECK)、改善案を実行する、つまり改革(ACTION)の努力をし続けることで、企業の成長を図るというものです。PLAN →DO→ CHECK → ACTION のサイクルは、最低毎月が望ましく日々(日々決算を)行っている 企業もあります。



経営で大事なことは、自らが常日頃「企業成長の法則」を実践しておくことで 、経営の基礎を着実に築くことです。 それには、金融機関からの資金的な支援 は欠かせません。うまく付き合うことで企業の成長・発展が期待できるのです。 金融機関との信頼関係を構築し企業の成長・発展を期待したいものです。

日ごろ、日々決算を心がけ、経営の現実の状況を把握しておき、革新を実行(ACTION) することで、金融機関にも対応することができます。



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