健康診断(その1)


 毎年恒例の健康診断がやってきた。

 例年だと、近くの病院へありきたりの検査に行くのであるが、今年は「成人

病予防健康診断」にエントリーする事になった。3年ほど前にもエントリーした

のであるが、生まれて初めてのバリウムにめげて、それ以降近くの病院で済

ましていたのである。

 今年は、バリウム検査を飛ばすってのを条件で、久しぶりにエントリーして

みたのだ(自分勝手に条件を出しているのだ)。

 しかしバリウムってのは私には合わない。発泡剤を飲ませておいてげっぷ

をするな!っちゅうのがそもそも無理がある。そのうえ大して冷えていない、

うまくもなんとも無いバリウムを飲むなんて事、私には絶対無理である。せめ

てキンキンに冷やして、マクドナルドの容器かなんかに入れていてくれたら、

もうちょっとマシなのであるが・・・また、バリウムを持ったときに感じるズシッと

した感触も好きになれないのだ。

 3年前、泣く泣く飲んだバリウム・・・・今思い出しても身の毛がよだつ。

「ハイ!!そこで残りのバリウムを飲み干して〜」

 事務的なレントゲン技師の声が聞こえるのだが、ここで一気に飲んでしまっ

ては、口からぶちまけそうなのである。結局、「もういい!!」と怒られ

るわ、最後にすりこぎみたいなのでお腹をつつかれるわ・・・・

 バリウムは2度と飲まないぞと固く心に誓ったのだ。

 今回の検査は午前中なので、前日の午後8時より、絶食絶飲、禁煙との事と

説明書に書いてあった。更に、3年前には無かった「検便」まで追加されて

いるのである。検便と言えばマッチ箱を思い出す諸氏も多いだろうが、今

歯間ブラシのような物でうんちをチョンチョンとつつくだけで良いのだ。

 ん?黄色い歯間ブラシとピンクの歯間ブラシの二つが入っているぞ!

(歯間ブラシとちゃうっちゅうねん)

 そかっ!男性は黄色なんだな・・・・と勝手に思いこみ、黄色の歯間ブラシで

ツンツンして蓋を締めた。よく説明書を見ると2日分摂らなければならなかっ

たのだ・・・・しかも一日目にはピンク色の容器を使って下さいとまで書いてある

(お〜い!!どうすんねん)。しかし、摂ってしまったのもは仕方が無い(仕方が

ないでいいのか?)

 残糞感はまだあるが、翌日の為にとっておいて、そそくさとトイレを出た。

 検査前日の夜9時・・・・説明書には禁煙と書かれてあったが、バリウムを飲ま

ないんだし、まぁいっか!と一服する(オイオイ・・・・)

 検査前日の夜11時・・・説明書には絶飲と書かれてあったが、バリウムを飲ま

ないんだし、まぁいっか!とお茶を飲み干す(オイオイ・・・・)

 検査に対する姿勢自体がなってないのである。

 当日、受付にて、

「あのぅ・・・バリウムの検査は外して下さいね」

「え?何故ですか?理由を言って下さい」

うっ・・・そんなに突っ込まれるとは思わなかった(トンちゃんピーンチ)

「えと・・以前、バリウムを飲んだとき、1週間くらい体調が悪かったんですよ・・・」

(ウソ八百である)

「じゃあ、検査拒否なんですね!!」

いや・・・拒否なんて大層なものじゃないんだけど・・・・と思ったが、ここで弱気にな

っては、飲まされそうだったので、「そうです!」とキッパリ言い放った。

 お金を払い、レイの検便を渡すと、着替えてきてくれとのお言葉・・・・

 早速着替えて、順番を待つトンちゃんなのであった。

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