陣内会長のある華麗なる一日
原作:陣内 克彦 代筆:大西 かつぴこ
序章 「我こそは」
親愛なる我が下僕達よ。
私が絶対的支配者にして永遠不滅の帝王『陣内 克彦』だ。
残念ながらTVは終了してしまい、私の大いなる野望はついに達成出来なかったのだが、その程度で諦めていては世界征服など夢のまた夢。
私は障害が大きければ大きいほど燃えるのだぁ!!
どわーっはっはっはっはっは、はーっはっはっはっはっはっはは
きゃはっ、きゃはっ、きゃーっはっはっはっはっはっは!!!
第1章「素晴らしき朝」
バグロムの朝は早い。
彼らは夜明けとともに起きだして、活動を開始する。
しかし、早起きなどは老人と貧乏人とバグロム兵にまかせておけばよい。華麗なる私は朝はゆっくり睡眠をとることにして・・・
「§△○∬#&!!!」
ゆっくりと睡眠を・・・
「↓∪〆±※*£*【♂!!!」
睡眠を・・・
「£≫ņ♪!!」
「えーい!!やかましい!!」
「∬〆!?」
「眠れんではないか!!!貴様等何を騒いどるか!!!???」
「※〓¬⊇」
「何?イフリータがドブにはまった?」
「え〜ん、びしょびしょですぅ〜」
「・・・お前は美星かぁ!!」
頼むから静かに寝させてくれ。
第2章「憂鬱な午後」
忙しい朝が過ぎ、軽く昼食をとった後はゆったりとくつろぎながらお茶など楽しむのが優雅な過ごしかたである。
下々の者達のようにあくせく働くなどということは、私のような偉大なる支配者には似合わない。
気だるい午後に飲むこの1杯のお茶が私の心を落ち着かせ、次なる作戦のための知恵が沸いて出る。
・・・ん?
なんだ、もうお茶ッ葉がないではないか。
「おい、イフリータ!!いますぐ新しいお茶ッ葉を買ってこい。」
「は、はい、行ってきます!!」
・・
・・・・・
5時間経過
・・・・・遅い!!
遅い遅い遅い、遅すぎる!!!イフリータは何をやっておるのだ!!!
「ご主人さま、遅くなりましたぁ!」
「ええい!!遅すぎるわ!!一体今まで何をやっておったのだ!!」
「ふぇ〜ん、すみませ〜ん、お金が無くて働かされてたんです」
・・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・
「ええぃ!!もう良い!さっさとお茶を入れろ!」
「は、はい、ただいま!」
じょぽじょぽじょぽじょぽ・・急須にお湯を入れ、しばし待つ。
そして、どろどろどろ・・・と湯飲みにお茶を注いで・・?
ちょっとまて?どろどろ・・・というのは何だ?
「おい、イフリータ・・・」
「はい?何でしょう」
「これは何だ?」
「はい、卓袱台です」
「違〜う、お前が手にしておる物だ!!」
「え?お湯飲みと急須ですけど」
「私が聞いておるのはその中身のことだ!!」
「??お茶ですけど」
「こんな紫色でドロドロした半固体状の気色悪いお茶があるか!!」
「え〜、でもお店の人はマデラ茶だって言ってましたよ〜」
「マ・・・、何故そんな得体の知れんものを買ってくる!!」
「え〜ん、すみませ〜ん」
全く持って役にたたん超兵器である。
第3章「充実の夜」
夜。
強かった日差しも大地の向こうに隠れ、いよいよ私の活動時間である。
まず私が最初に行うこと、それは己の存在意義を再確認することである。
「カツヲ!!」
「>∋4&》?」
「この世で最も素晴らしき英知の持ち主は誰だ?」
「@&*●」
そうか、そうか、よしよし。
「では再び問う、この世で最も優れた指導者は誰だ?」
「@&*●」
うむうむ、そうであろう、そうであろう。
「つづけて問う、この世界の支配者となるべき者は誰だ?」
「@&*●」
そう、その通りこの私だ。この私こそが最も支配者としてふさわしい!
私が正義だ!
私が法律だ!!
私こそが絶対なのだぁ!!
くぁーっかっかっかっかっかっかっかっかっか ×97556221555回
と、毎日の日課が終わったところで、私にとって1日のうちで最も充実した時が始まる。
えー、確か昨日はロシュタリア進行作戦第234案を半ばまで作成したのであったな。今日はこれを仕上げるとするか。
そうだ、誠だア奴の処遇を如何にするかで悩んでおったのだ!!あの男がいる限り私の野望が達成させることはありえない。まずは奴を・・・・
そうだ、いい方法を思い付いたぞ!!まずはこうして、あそこでああやって、最後にこうして・・・・・・・・・・・・・
うむ、いける!
いけるぞぉ!!
今度こそエエカッコシイでノッペケポンな誠のアンポンタンをギャフンという目に合わせてくれる。
何?言ってる意味が解らん?気分の問題だ気分の!!
「イフリータ!!そこの地図と定規を持ってこい」
「はい、わかりましたぁ」
・・がさがさ・・
・・がさがさ・・
・・がさがさ・・
・・がさがさ・・
・・がさがさ・・
「イフリータ、何をしておる、早くせんか!!」
「あのぉ、定規ってどれなんですか?」
「・・・そこのT字型のやつだ」
「これですか?」
「それはハンマーだ、金槌とも言う、覚えておけ」
「じゃぁ、これですか?」
「それは貴様のゼンマイだ、T字型というにはちょっと苦しいぞ」
「じゃぁ、これですね?」
「(あ、あのなぁ)それはTボーンステーキ、2種類の肉が同時に楽しめてお得だぞ」
「じゃぁ、これは?」
「(ぴくぴく)そ、それはTシャツだ、かなり苦し紛れだな」
「じゃぁ、これ?」
「イぃフリータ!!!」
「はい!!」
「貴様、私をばかにしとるのか!?」
「え〜、これT字型じゃないんですか?」
「誰がそんなことボケをかませと言った!!!」
「え〜ん、すみませ〜ん」
こいつ・・・超兵器ではなく喋平気だな・・・・苦しいか。
第4章「そして・・・」
「よいかディーバ!! 今回の作戦だが、まずはああしてこうして誠をさそいこむ。そしてその間にロシュタリアの王宮に乗り込んで、こうしてそうしてどうしてああして、最終的に混乱に乗じて王宮ごと国をのっとる!!」
「おぉ!!すばらしい作戦じゃ、さすがは陣内殿!!」
「ふふふふ、当然であろうこの私の立てる作戦は常に完璧なのだよ、失敗などあろうはずはない。」
「あのぉ、でもこれってこの間ボロ負けしたロシュタリア進行作戦第134案と全くおんなじじゃぁ・・・」
ピキッ!!
「・・・そうなのか、陣内殿?」
「い、いふり〜た〜!!!」
「ビクぅッ!!」
「貴様は・・、くぃさぁまぁはぁ!!!何故そんなどうでも良いことばかり覚えておるのだぁ!!!」
ぐりぐりぐりぐり・・・
「え〜ん、すみませ〜ん」
「ゆ〜る〜さ〜ん」
こうして今日も平和な1日は更けてゆくのである。
めでたくなし、めでたくなし。
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