陣内会長のある華麗なる一日その3

原作:陣内 克彦 代筆:大西 かつぴこ


序章 「3度目の正直」

親愛なるMLメンバーにして我が下僕達よ。
私が絶対的支配者にして永遠不滅の帝王『陣内 克彦』だ。
前回、前々回とあほな代筆者のせいで私の華麗なる日記が 単なるギャグと化してしまったが、今回こそは、 私の野望が達成されるであろうぞ!
どわーっはっはっはっはっは、はーっはっはっはっはっはっはは きゃはっ、きゃはっ、きゃーっはっはっはっはっはっは!!!

そうそう、今回はいつもとはちと設定が違うのでそのつもりで読むように。

どわーっはっはっはっはっは、はーっはっはっはっはっはっはは
はーっはっはっはっはっはっはははーっはっはっはっはっはっはは
はーっはっはっはっはっはっはははーっはっはっはっはっはっはは

第1章「陣内候補出馬!?」


陣内「エルハザードよりこの世界に戻って来て、はや10年。
地道な卑怯と努力のおかげで、ようやくここまで漕ぎ着けた・・・
次の選挙で当選すれば晴れて私は国会議員!!
そして内閣総理大臣となり、この日本を牛耳るのだぁ!!
そうなれば水原誠なんぞ目くそ鼻くそ!
便器の中に捨てられたちりがみ!
ピンクの像に踏みつけられたマグカップ!(意味不明)
私の・・・私の勝だぁ!!!
けひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!
うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃへほほほほほほほほほほ!」
秘書「せんせー、準備ができたんですけどぉ」
陣内「うむ・・・って、うどげわぁーー!!」
秘書「どうかしましたかぁ?」
陣内「な、なんでお前がここにいるんだ!?」(鼻がつまったような声で読むべし)
秘書「あ、自己紹介がまだでしたね。今日から”あるばいと”で入ったいふりーたです。可愛く”いふちゃん”って呼んでください」
陣内「そ、そんなことは聞いとらん!
なんでお前がこっちの世界におるんだぁ!!
ディーバと共にエルハザードに残ったのではないのか!?」
秘書「気が付いたらこの近くにいたんですぅ 行く当ても無くって、さ迷ってたら親切な方が『いよっ、そこの姉ちゃん秘書のバイトしねーか?いい子そろえてるよぉ』って」
陣内「・・・”いい子そろえてる”??」
秘書「でも、よかった御主人様にあえて。私こっちの世界に知り合いの方がいないからぁ・・」
陣内「事情は大体わかったからいいかげん”秘書”ってのはやめんか?読んでる人もこれじゃあんまりイメージが湧かんだろう?」
いふ「なんのことですかぁ?」
陣内「そ、それで良い」
いふ「はぁ?ところで御主人さま?」
陣内「なんだ?」
いふ「”あるばいと”って何ですか?」
陣内「・・・・・・・・」
いふ「”ひしょ”っていうのもわからないんですけどぉ」
陣内「・・・・・・・・(だ、大丈夫なのだろうか、これで)・・・」

第2章「間違いだらけの選挙活動」


陣内「貴様のせいで出発が4時間も遅れてしまったではないか!」
いふ「え〜ん、すみませぇん」
陣内「まぁ、その分は給料からさっぴぃておく」
いふ「え〜!そんなぁ!!ひどいですぅ」
陣内「えぇい、やかましい!同じ説明を23回もさせおって、おかげて喉がおかしくなってしまったではないか!」
いふ「・・・おに(ぼそ)」
陣内「何か言ったか?」
いふ「あ、いやいや、何にも言ってませんです、あははははは・・・(^^;」
陣内「まぁいい、では初仕事だ、まずはこの文章を読むのだ」
いふ「はぁ、え〜と『ご・・の・・・は・・であります。・・の・・で』」
陣内「漢字を飛ばして読むなぁ!!」
いふ「え〜ん、すみませ〜ん。私この変な記号読めないんです」
陣内「・・・そういうことはもっと早く言わんかぁ!!えぇい、かせ、読み仮名をふってやる!!え〜『ごちょうないのみなさまわたくしはこのたび・・・』」
いふ「お手数かけます」
陣内「・・・・できたぞ!さぁ、これを読め!!」
いふ「はぁい、えと・・『ごちょうないのみなさま、わたくしは』・・」
陣内「私に向かって読み上げてどうする!そうではなくて、このマイクに向かって読み上げるのだ!!」
いふ「え、そうだったんですか!?じゃ、え〜っと、このちょっと細身の”ないすがい”な方が”まいく”さんとおっしゃる方ですね、宜しくお願いしますぅ。」
陣内「マイクに向かって挨拶せんでいい!それは単なる機械だ!」
いふ「”きかい”って何ですか?」
陣内「人間のつくったカラクリのことだ」
いふ「それじゃぁこな方は私の仲間なんですね?こんな所で仲間に逢えるなんて・・素敵!」(瞳キラキラ、背景お花)
陣内「・・・・・・(違う!それは違うぞイフリータ!!)」(拳を握り締め、空を仰ぎながら涙して読むべし)

第3章「贈賄、それは悪の伝統」


陣内「いいか、まずこのリストに書かれている名前と住所を封筒に書き写し、その封筒のなかにこれを入れる、そうして封筒に封をして、最後に切手をはっておしまい。これをこのリストに載っている10万人分つくるのだ」
いふ「はぁ、あの御主人様?」
陣内「なんだ?」
いふ「一体何の為にこんなことをするんですか?」
陣内「ふむ、なかなか良い質問だ。いいか、人間というのは単純なものなのだよ。このように他人から施しを受けるとその相手に対して悪い感情は抱かなくなる」
いふ「はぁ、そおなんですか?」
陣内「そうだ!!そこで私は今回の選挙で手っ取り早く票をかき集めるため、この感情を利用することにしたのだ。」
いふ「はぁ」
陣内「これは”賄賂”と言って江戸の昔に越後屋が備前守に送ったことにより、商人としては最高の地位を手に入れたことに由来するとか」(大ウソである)
いふ「由緒ある作戦なんですね」
陣内「その通り、なかなか理解が早いじゃないか」
いふ「わ〜い、誉められたぁ」
陣内「・・・お前、どんどん幼児退行してないか?」
いふ「ところで、御主人様」
陣内「なんだ?」
いふ「贈賄って”せんきょいはん”なんでしょ?」
陣内「・・・・なんでそんなことを知っておるのだ貴様は?」
いふ「だってさっきあっちで”じむいん”の方が・・・・」
陣内「事務員?事務員がどうしたのだ?おや、そう言えば事務員がさっきからおらんな」
いふ「はぁ、なんでも”せんきょいはん”を”せんきょかんりいいんかい”に報告するとかで、出ていかれましたよ」
陣内「選挙違反?選挙管理委員会?」
いふ「はい・・・・でも”せんきょいはん”て何なんでしょう?」
陣内「・・・大事ではないかぁ!!!!」(大声で)
いふ「きゃ!!」
陣内「イフリータ、早く追いかけて連れ戻せ!」
いふ「えぇ?」
陣内「早く行かんか!」
いふ「あぁ、はいはい」
陣内「”はい”は一回で良い!!」
いふ「は〜〜〜い!」

第4章「終わりよければ全て・・・良いのか?」


陣内「そうして選挙結果発表当日。やるべきことを全てやり終え、後は神のみぞ知る状態である。最もあれだけ手を尽くしたのだから、私の当選は最早確実を言えよう。うひゃ、うひゃ、うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。
・・・それにしても遅いな、そろそろ結果がわかるころなのだが?」
(SE)じりりりりり、じりりりりり、がちゃん!
陣内「おぉ、来たか!今時古臭い黒電話で音がやかましいだけだと思っていたが、今はその音すらも私を祝福してくれているようだ」
いふ「はい、はい、そうですか。は〜〜〜〜い、わっかりましたぁ」
(SE)ちーん
陣内「いふりーた、どうだった?今の電話は選挙の結果であろう?」
いふ「はい、そうです」
陣内「で、当選したのだな?」
いふ「”らくせん”だそうです」
陣内「・・・何?」
いふ「”らくせん”だそうです」
陣内「・・・良く聞こえなかったのだが、もう一度言ってくれんか?」
いふ「”らくせん”だそうです」
陣内「私の聞き間違いでなければ今確か”落選”と言わなかったか?」
いふ「はい、”らくせん”だそうです」
陣内「・・・・・」
いふ「でも”らくせん”ってなんですか?」
陣内「そぉぉぉんんんんなぁぁぁぁばぁぁぁぁかぁぁぁぁなぁぁぁぁぁ!!」
いふ「あの〜、”らくせん”って一体・・・」
陣内「何故だ!?どうしてだ!?私の作戦に間違いは無かった筈だ!道端や駅前での地道な宣伝活動から、ビラ配り、賄賂、恫喝まで、ありとあらゆる手を使い金を使い、得票数は私の計算では他の対立候補の優に3倍はあるはずなのに!」
いふ「え〜と、御主人様?”らくせん”って・・・」
陣内「これは何かの間違いだ!そうか選管が票を数え間違えたのだな。そうに違い無い!イフリータ、至急選管に電話で問い合わせるのだ!」
いふ「”らくせん”って・・・あ、はい、わかりました!」
陣内「仮にもこの国の支配者たるこの私の得票数を数え違うとは、何と怠惰な選管もあったものだ!!」
いふ「あの〜、御主人様。得票数は何人もの人が数えて一人でも違ったら数えなおすので、間違うことはないそうです」
陣内「なんだと!?そんな筈はない!私に投票する人間は少なく見積もっても10万人はいるはずだ!・・いやまてよ、もし賄賂を送った者達が裏切ったとしたら・・イフリータ!例のリストに載っている者達に片っ端から電話をかけて話を聞くのだ」
いふ「は〜〜い、わかりました」
陣内「・・・全くなんたることだ・・」

・・・・・(いふちゃん電話中)

陣内「どうだイフリータ」
いふ「はい、え・・・と
『ふざけるな』
『あんな物もらっても嬉しくない』
『もっとましな物よこせ』
『貴方は神を信じますか?』
『なめとったらあかんぞ!』
『大阪の海は冷たいでぇ』
『教祖様の血を飲んで宙を飛びませんか?』
『etc.etc.』
まだ、あるんですけど読みますか?」
陣内「何故だ?今時の一般市民は10万や20万の商品券では心を動かされないと言うのか」
いふ「ロシュタリアでは最大の市場で使える商品券なのに。私だったら喜んでもらっちゃいますよぉ」
陣内「全くだ・・・・って、ちょっと待て!!」
いふ「はい?」
陣内「お前今なんと言った?」
いふ「はぁ・・『私だったら喜んでもらっちゃいます』って」
陣内「その前だ」
いふ「え〜と・・確か『ロシュタリアでは最大の市場で使える商品券なのに』って言いました」
陣内「何故ロシュタリアなのだ?」
いふ「え?」
陣内「私が用意したのは確か大手デパート”大八”の商品券のはずだが?」
いふ「あぁ!御主人様が持ってきた紙は何だか変な落書きばっかりかかれてたんで、捨てちゃいました」
陣内「・・・す・て・た?」
いふ「はい、あんな変な紙より、市場でお買い物ができる商品券の方がもらって喜ばれると思って。いふちゃんってば、気配り上手ぅ! ・・・って御主人様、どうしたんですか?そんな恐い顔して」
陣内「・・お・・・お・ま・え・か。全てお前のせいだったんだな!!」
いふ「え?え?え?」
陣内「お前が捨てた紙切れこそ何を隠そう、この国では最も大きいデパートの商品券なのだぞ」
いふ「え?でも落書きだらけで変な紙でしたけどぉ・・・」
陣内「『大八デパート商品券壱萬円』と書かれていたはずだが?」
いふ「え?そんなこと書いてませんでしたよ」
陣内「いふりーた、お前たしか漢字が読めんと言ったな?」
いふ「え?あの変な記号ですか?はい、読めません・・・あの落書きってそう書いてあったんですか?」
陣内「・・・・ば・か・も・の〜〜〜〜!!!!!」
いふ「え〜〜ん、すみませ〜〜ん」

・・・どこへ行ってもこの人達は変わらんようである。
めでたし、めでたし。

陣内「ちっともめでたくないぞ!
私の議員バッジはどうしてくれる!
私の野望はどうしてくれる!
内閣総理大臣の椅子を返せ!
え〜い、イフリータ!
逃げるんじゃない!
今日という今日は許さ〜〜〜〜ん!!!」
いふ「きゃ〜、ごめんなさ〜〜い」

・・・めでたし、めでたし。


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