<1・9型> カントリ-クラブ型 人間に関心・高 |
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<9・9型> チームマネジメント型 |
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<5・5型> 中道型 |
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<1・1型> 無関心型 関心・低 |
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<9・1型> 権威服従型 業績に関心・高 |
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【1】リーダーシップとは? 「4つのR」
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図:- The Managerial Grid -R1=人的資源(Resource):
人間の持つ知識・能力・スキル・やる気などを指す。技術・資金など人間以外の間接的な資源は、この人的資源を通じて活かされる。
R2=相互作用(Relationship):
人々の間に交わされるやりとりを意味する。日頃、同僚・他部門の人・顧客などいろいろな人と一緒に仕事をするが、互いに交わす相互作用の質が当事者たちのやる気の度合いを作用する。これが組織風土となり、ある特徴的な業務慣行を生み出す。
R3=結果(Results):
チームの相互作用と問題解決活動の質は、ある一定の結果を生み出す。それは、生産性・利益・新技術の開発・販売実績・サービスの質などに直接反映し、組織目的の達成度を示す。
マネージャーとしての才覚を最大に発揮できるのは、このR2の領域である。相乗効果を生み出す鍵は人々の協力体制にある。
R4=自己洞察(Reflection):
自分自身の行動を正しく洞察するためには、次の3つの努力の組み合わせが必要になる。
1)「内省的考察」:自分のとった行動やその他の問題について、自分一人でじっくり見直すこと。
2)「他人からの忠告・助言」を役立てる努力をすること。
3)「チームによるクリテイーク活動」である。
行動を変革する鍵は、まず自発的に自分自身の行動を見つめ直すことである。
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【2】リーダーシップを構成する、「6つの要素」
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図:- The Managerial Grid -E1:葛藤処理:
組織活動には、意見の対立や葛藤がつきものだ。問題はその処理の仕方である。あえて葛藤に直面し、理解と納得による解決ができる人は尊敬に値する。葛藤を建設的に処理できない、あるいはそれを隠したり、避けたりする人は、まわりからうとんじられるだけでなく、反発や敵意を買うこともある。
E2:イニシアテイブ:
何かを始めたり、やめたり、変えさせてりするには、誰かが率先して働きかけねばならない。イニシアテイブの有無とその質は、リーダーシップの有効性を左右する大事な要素である。
E3:探求心:
物事についてどれほど完全性を期すかは人により大きな違いがある。与えられた情報をよく調べずに鵜呑みにしてしまう人もいる。探求心のあるリーダーはよく質問をして、できるだけ多くの情報や事実を集め、その正当性を確かめようとする。探求心は、R1の有効活用に欠かせない要素の1つである。
E4:意思表示:
リーダーシップの特性はその人の意思の表し方に強く出る。はっきり物を言わない人でも、実は信念があるがそれを口に出せない場合と、もともと確固たる信念がないから意見やアイデアが出せない場合がある。人をやりこめるだけの議論をする人もいる。こうした点を見逃してはならない。
E5:意思決定:
人的資源の活用は意思決定を通じてなされる。決定の仕方はいろいろな形態がある。自分が決定しなければならない場合もあれば、他の人に権限を委譲する方がよい場合もある。また、チーム全体で決定を下すことが望ましい時もある。
E6:クリテイーク:
クリテイークとは、チーム活動をじっくり見直し、改善すべき点を確認する一連の活動を意味する。人々が力を合わせて共通の目標を達成していく上では、いろいろな障害が現れる。そうした障害を認識して克服していくために、クレイテイークとフィードバックは欠かせない活動である。
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【3】グリッド理論によるリーダーシップ・「7つのスタイル」
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<1.1型>無関心型・・・・・・・・・・・触らぬ神に祟りなし
<1.9型>カントリー・クラブ型・・・楽しくやろう
<9.1型>権威服従型・・・・・・・・・強い者が勝ち!
<5.5型>中道型・・・・・・・・・・・・・これだけやれば十分だ
<9.9型>チームマネジメント型・・一人は全員のために、全員は一人のために
9+9(温情主義)型マネジメント・・・俺は偉いのだ!
日和見主義型マネジメント・・・・・・・・自分の得になることがあるか
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図:- The Managerial Grid -<1.1型>無関心型: ・・・・・触らぬ神に祟りなし
組織の一員としての身分を保つために、最低限の努力をして、与えられた仕事を成し遂げる。
<1・1型>の行動原理に秘められた基本的考え方の最も大事な特徴は、やる気などないのに一応仕事をしているふりをするという点に集約できる。その場に顔を出していても、心は別な場所にあるのだ。<1・1型>の人は大事な会議には必ず出席し、遅刻もしない。規則も守る。意図して他人に迷惑をかけることもしない。まわりから「よい人」と思われ、好意を抱かれることすらある。すくなくとも、「全くの役立たず」とは見られていない。もし、そうだったら今まで無事にやってこられたはずがない。しかし、何事にも貢献を果たすことのない<1・1型>に実態が見抜かれるのは、時間の問題といえる。その時が来ると、<1・1型>のマネージャーは本物の難局に直面することになる。組織というものは、もっと役に立つ人間を求めているはずだからだ。<1・1型>で押し通す「創造的」なやり方はいろいろある。こうした創造性をもっと建設的な目的に発揮してもらうようにできたら、組織にとってどんなに役立つことか計り知れない。
<1.9型>カントリー・クラブ型: ・・・・・楽しくやろう
人間関係がうまくいくように十分に気を配れば、組織に居心地の良い友好的な雰囲気ができて、それなりに仕事もはかどる。
<1・9型>のマネージャーはまわりの人たちから好かれることはあっても、尊敬されることはないだろう。<1・9型>のマネージャーがつくりだす協調的な雰囲気は、楽しく友好的なR2(相互作用)を促進する。しかし結果としてのR3の生産性は低下する。この型のリーダーシップには、みずからの経験を活かして進歩向上を実現しようといった考えはまったく見られない。
<9.1型>権威服従型: ・・・・・強い者が勝ち!
業績中心に考え、権限とコントロールシステムを強化する。人間的要素は排除する。
<9・1型>は業績意欲の強いリーダーによく見られるスタイルだ。このスタイルのリーダーシップを行使すると、部下たちの参画は得られないが、短期的には業績が向上することがある。ただし、それはリーダーの判断が正しい場合に限る。このスタイルは、部下たちのやる気を削ぐだけでなく、リーダーが誤った判断を下した時、誰からもそのことを指摘してもらいないという致命的欠陥を持つ。<9・1>型の人には、業績に対する関心と人間に対する関心を両立させたいという気持ちがないし、それを可能にする知識と技能もない。このスタイルの人の根底にある考え方は、両方の関心は本来的に矛盾するもので、どちらかを犠牲にしなければならないという二者択一の割り切りである。
<9・1型>のリーダーシップ・スタイルが部下たちと、さらには長期的な業績にどのような悪影響を及ぼすかに気がつきさえすれば、<9・1型>にリーダーは自分の基本的な考え方を見直す気になるだろう。特に、働く人たちの理解と納得に基づく協力が得られれば、抜群の業績があげられることを知れば、なおさらである。
<5.5型>中道型: ・・・・・これだけやれば十分だ
業績達成と人々の気持ちへの配慮をバランスよく保てば、組織はうまく機能する。
<5・5型>指向のマネージャーは、業績達成と人間的欲求のデリケートな釣り合いをうまくとろうとする。このスタイルのひとはもっぱら大勢に従うことを金科玉条として行動する。定められたルールに従ってさえいれば、足並みを乱すこともなく、白い目で見られずにすむ。こうした<5・5型>のマネージャーは、葛藤をチームの団結に害をなす困った現象と見なし、早速、調停役を買って出て事態を元の鞘に納めようとする。このやり方は、いろいろ異なる意見のぶつけ合いから生まれる創造的な見方やアイデアをつかむ可能性をつぶすことになる。
これを組織レベルで考えてみよう。<5・5型>のマネジメントのもとでは、期待する行動の徹底をはかる手段として、服務規定や通達に重きがおかれ、やがて官僚主義的な硬直した体質ができあがる。儀礼的慣行が大事な行動指針となり、昇進昇格も実績ではなく年功序列に基づいて行われることになる。決定は多数決でなされる。創造的見方やアイデアは「異端」視され、その息の根を止められる。攻略・えこひいき・かけ引きが横行し、必要な改革も思うようにまかせない状態になる。こうした風土を抱えてしまった組織は、グローバルな市場に起きつつある急激な変化に対応できるはずがない。すべての面で遅れをとり、<5・5型>のマネージャーとともに時代の流れにとり残されるのが落ちであろう。
<9.9型>チームマネジメント型: ・・・・・一人は全員のために、全員は一人のために
仕事に打ち込んだ人々によって成果を上げてもらう。組織目的という「共通の利害関係」を通じてお互いに依存しあうことによって、信頼と尊敬による人間関係を構築する。
マネジメントの目的は、働く人々のもてる力を結集して、組織として最大の成果を実現することにある。この目的の達成に最も大きな効果が期待できるグリッド・スタイルが、<9・9型>である。また、このスタイルを指針としたマネジメントを行えば、マネージャー自信も組織に自分が果たした貢献の軌跡を残し、充実した満足感を味わうことができる。
<9・9型>とは、個人の利益を否定する概念なのだろうか、必ずしもそうとは限らない。たいていの人間は、努力に対して、それ相応の報奨を望む。<9・9型>のマネージャーの本来的な目的は、業績達成を通じて充実した気分を味わうことにあるが、同時に、その貢献に対する具体的な報奨も手にすることが多い。調査の結果は、他のグリッド・スタイルと比べた場合、<9・9型>のマネージャーが昇進昇格と収入の面で、群を抜く実績を上げることが判明している。また、組織が<9・9型>の経営を通じて力をつければ、そこに働く人たちの雇用の安定につながる。つまり、<9・9型>は、組織の全員に利益をもたらすマネジメント・スタイルだといえる。
では、<9・9型>のマネジメントは実際に使えるものなのだろうか。グリッドを推進する者はすべて、グリッドの実用性を信じている。あらゆるレベルで、<9・9型>の真価が実証されている。成功の鍵は行動科学によって明らかになった健全な行動原理と価値観に従って、<9・9型>のマネジメントを実践していくことにある。それらの原理と価値観こそ、すべての人に共通する動機付けの核心なのである。<9・9型>のリーダーシップを発揮したからといって、まわりの人のグリッド・スタイルをすべて<9・9型>に変えられるというものではない。しかし、<9・9型>のリーダーシップによって、少なくとも仕事を進める場合に全員が<9・9型>のやり方を指向するような風土を築くことができる。
<9・9型>の価値観の信頼性と有用性を支えているのは、現代の最高レベルの倫理的思索である。それらは、すべて、公正さ・正直さ・健全な思考力といった人間の基本原則に忠実に従おうとする<9・9型>の行動を通じて具現される。<9・9型>のリーダーシップを身につけたマネージャーがいれば、一緒に仕事をする人たちはいうに及ばず、組織もその恩恵に浴することができる。
9+9(温情主義)型マネジメント: ・・・・・俺は偉いのだ!
9+9(温情主義)型マネジメントでは、忠誠と服従の代償として厚遇が与えられる。従わないものは罰せられる。
温情主義のリーダーは、働く人々をまるで自分の家族の一員でもあるかのように扱う。自分の気の向くまま、仕事のやり方を指示し、アメとムチを使い分けていく。責任を持って仕事をしろと口では言うが、その実、部下を縛りつけてイニシアテイブを発揮できないようにしてしまう。何でも「はい、はい」という通りにしさえすれば、この上司はご機嫌なのだ、と部下たちはすぐに見抜いてしまう。
温情主義のリーダーの願望は、他人を支配、統制する強い権力を手に入れて、まわりに畏敬の念を抱かせることにある。こうしたリーダーの下では部下たちは自主性をなくし、上司の言うがままになる。言う通りにしてさえいれば、上司から目をかけられる。そして上司はますます部下の行動に細かく口をはさむようになる。こうした指導のし方では、部下の能力は少しも育たず、組織のメンバーとして大切な自主性も自信も失われてしまう。
温情主義から脱却してより優れたリーダーシップを身につけたかったら、このやり方が部下たちを受身の人間に仕立ててしまうことに気づく必要がある。そして、常に部下たちの積極的参加と能力向上を念頭においてリーダーシップを発揮するのだ。部下たちは尊敬の念をもって応えてくれる。
日和見主義型マネジメント: ・・・・・自分の得になることがあるか
日和見主義型マネジメント・スタイルのもとでは、自分にとってそれなりの見返りが期待できる場合にのみ、人々は相応の努力をする。利己的な利益のために、カメレオンのように順応する。
日和見主義は、相手のグリッド・スタイルに合わせて行動する。どういうやり方をしたら相手をうまく利用できるか、がすべてである。このスタイルの根底にあるのは、自己中心の考え方だ。まわりの人や組織に役立つ場合があったとしても、それは、たまたまそうなっただきなのだ。
自分だけが人に抜きん出たいという欲求が、プラスの動機付けになっている。そのため「自分が得すること」はないかと嗅ぎまわるのだ。自分と利害が一致する場合だにだけ、組織のことを考える。それ以外には、組織の目的、目標など眼中にない。少しでも自分に有利な方に乗り換えるためには、ためらいもなく、今やっていることを放り出す。
自分の意図が暴露することの不安がマイナスの動機付けとして働き、自分の言動にはきわめて気をつかう。否定的な態度は見せず、明るく朗らかに振る舞う。陽気に話しかければ、相手もこっちが知りたいことをいろいろしゃべってくれる。それ以上に、明るく振る舞えば、友達も作りやすいし、他人によい印象を植え付けられる。これが、競争に勝つコツなのだ。深刻な顔をしていては、人は寄ってこない。陽気な人のまわりには、人が集まるものだ。常にまわりの情勢に目を配り、危なくなったらさっさと手を引く。
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【4】グリッド・スタイル別・「動機づけ要因」
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<1.1型>無関心型・・・・・・・・・・・触らぬ神に祟りなし
<1.9型>カントリー・クラブ型・・・楽しくやろう
<9.1型>権威服従型・・・・・・・・・強い者が勝ち!
<5.5型>中道型・・・・・・・・・・・・・これだけやれば十分だ
<9.9型>チームマネジメント型・・一人は全員のために、全員は一人のために
9+9(温情主義)型マネジメント・・・俺は偉いのだ!
日和見主義型マネジメント・・・・・・・・自分の得になることがあるか
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図:- The Managerial Grid -<1.1型>無関心型: ・・・・・触らぬ神に祟りなし
+要因: 何事にも関わりたくないという欲求
−要因: 仕事を失うことの不安
<1.9型>カントリー・クラブ型: ・・・・・楽しくやろう
+要因: 他人を喜ばせたいという欲求
−要因: 拒絶されないかという不安
<9.1型>権威服従型: ・・・・・強い者が勝ち!
+要因: 統制・支配・権力欲
−要因: 失敗に対する不安
<5.5型>中道型: ・・・・・これだけやれば十分だ
+要因: 帰属欲求
−要因: 恥をかくことへの不安
<9.9型>チームマネジメント型: ・・・・・一人は全員のために、全員は一人のために
+要因: 仕事への貢献を通じて自己実現を果たしたいという欲求
−要因: 自分中心になりすぎることの戒め
9+9(温情主義)型マネジメント: ・・・・・俺は偉いのだ!
+要因: 他人から崇拝されたいという欲求
−要因: 他人から拒絶されることへの不安
日和見主義型マネジメント: ・・・・・自分の得になることがあるか
+要因: 人より抜きん出たいという欲求
−要因: 本心を見ぬかれないかという不安
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【5】部下のグリッド・スタイル・「7つの部下のスタイル」
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図:- The Managerial Grid -<1.1型>無関心型:
何事もできるだけ避けて通る。面倒な話を持ち込まれないように、忙しいそうなふりをする。上役は疫病神だ。その日その日が過ごせるだけの仕事しかやらない。
<1.9型>ご機嫌とり型:
気に入ってもらうために上役の言う通りにする。ノーと言えず、できないことまで引き受けてしまうことがある。
<9.1型>こわもて型:
上役のコントロールは受けない。自分が正しく上司が間違っていることを照明してみせ、自分の主張を押し通す。タフでなければ周りから一目おかれない。
<5.5型>堅実型:
大勢に従い、常に中道を歩くように心がける。安全を第一に考え、皆が受け入れるような既成のやり方を好んで用いる。
<9.9型>問題解決型:
はっきりした目標を掲げて、一番健全なやり方でその実現に努力する。そのためには他人の協力が不可欠と考える。職務への貢献から得られる充実した満足感を、仲間と分かち合う。
9+9=高級参謀型:
9+9型の部下とは、1・9のご機嫌とり型と9・1のこわもて型の両面を備えた部下を指す。「職場のことはどんな出来事でも、誰のことについても知っておくように努め、上役に非公式に伝えてあげれば頼りになる右腕として目をかけてもらえる」というのが、この部下の特徴的態度である。
日和見主義=抜けがけ型:
日和見主義の部下は、自分を利すために、6つのグリッド・スタイルのすべてを駆使する。この部下の態度は次のように要約できる。「自分の出世のために、まわりに自分を売り込み、他人の助けをうまく利用する。後で自分のためになるなら、他人に手を貸して恩義を売っておく。相手に合わせて、言うことを変える」。
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【6】グリッド・スタイル別・「行動特性を示す表現」
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<1.1型>無関心型・・・・・・・・・・・触らぬ神に祟りなし
<1.9型>カントリー・クラブ型・・・楽しくやろう
<9.1型>権威服従型・・・・・・・・・強い者が勝ち!
<5.5型>中道型・・・・・・・・・・・・・これだけやれば十分だ
<9.9型>チームマネジメント型・・一人は全員のために、全員は一人のために
9+9(温情主義)型マネジメント・・・俺は偉いのだ!
日和見主義型マネジメント・・・・・・・・自分の得になることがあるか
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図:- The Managerial Grid -+要因: 何事にも関わりたくないという欲求
表現: 「知らぬ顔の半兵衛」を決め込む−要因: 仕事を失うことの不安
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+要因: 他人を喜ばせたいという欲求
表現: 愛情に勝るものなし−要因: 拒絶されないかという不安
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+要因: 統制・支配・権力に対する欲求
表現: 高圧的−要因: 失敗に対する不安
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+要因: 帰属欲求
表現: 知ったかぶり−要因: 恥をかくことの不安
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<9.9型>チームマネジメント型: ・・・・・一人は全員のために、全員は一人のために
+要因: 仕事への貢献を通じて自己実現を果たしたいという欲求
表現: 洞察力に裏打ちされたリーダーシップ−要因: 自分中心になりすぎることの戒め
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9+9(温情主義)型マネジメント: ・・・・・俺は偉いのだ!
+要因: 崇拝と恭順を求める欲求
表現: 教祖的−要因: 拒絶に対する不安
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日和見主義型マネジメント: ・・・・・自分の得になることがあるか
+要因: 人より抜きん出たいという欲求
表現: 自己中心−要因: 本心を見ぬかれないかという不安
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<9・9型>マネジメント・建設的な相互作用の行動原理
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【7】<9・9型>マネジメント・建設的な相互作用の行動原理
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図:- The Managerial Grid -1)仕事への貢献を通じて自己実現を果たしたい・・・
仕事への貢献を通じて自己実現を果たしたいという動機づけが行動を活性化し、生産性・創造性・満足感・尊信の健康を促進する。
働く人々が組織目的に意義を見出すと、その実現に努力しようという動機付けが高まる。ここでの自己実現とは、役に立つことをして功績を残し、他の人たちの助けとなることに喜びを感じることを意味する。これは<9・9型>のプラスの動機付けと一致する。
2)個人および共同の責任を果たすためには、・・・
個人および共同の責任を果たすためには、開放的で率直なコミュニケーションが不可欠になる。
コミュニケーションの風通しがよければ、メンバーはそれぞれ自分の仕事に関わりのある情報を自由に入手できる。適切な判断を下すのに欠かせない情報が利用できなければ、メンバーとして組織に最大の貢献を果たすことはできない。
3)理解と納得に基づくチームワークを築くため、・・・
理解と納得に基づくチームワークを築くため、葛藤には真正面から対決して解決する必要がある。
意見の統一をはかる過程では、必然的に見解の対立が生じる。そのこと自体は、むしろ歓迎すべきことだ。それぞれの見解を比較し合い、最善の考え方を選び出すことができるからだ。しかし、1歩間違えると葛藤になってしまい、まともな話し合いもできずに互いに不信感をつのらせ、手がつけられない状態になる。
対決とは、そうした人間の物の見方、考え方の違いから必然的に生じる葛藤に問題解決型のやり方で迫り、その根本的な原因になっている事実認識・論理・感情(偏見、先入観、憎悪感など)を明らかにすることを意味する。葛藤の本当の原因を全員で突き止めて解決することによって、はじめてチームとしての足並みがそろい、理解と納得に基づく意思決定が可能になる。こうすると、各自は決定に対する深い関わりを感じ、その実現に努力を傾注するようになる。
4)責任を持って自分の務めを果たすことは、・・・
責任を持って自分の務めを果たすことは、人間として最もレベルの高い成熟度を示す条件である。これは、幅広い権限委譲が行われた場合のみ可能となる。
組織として、働く人々に最大の貢献を果たしてもらうためには、全階層を通じて各自の自由裁量と責任の幅を拡大して、自発的なイニシアテイブを発揮してもらえるようにしなければならない。こうした風土のもとでは、突発的問題や事態が起きても、直接関わりのある人々が自発的に行動を起こし、より生産的、創造的なやり方で解決することができる。
5)問題解決や意思決定への参加は、・・・
問題解決や意思決定への参加は、創造的で有益な思考を生み出す熱意を刺激する。
参加は自己の自由と独立と責任を具現化する手段であり、それは大切な人権の1つだ、という見方ができる。それを通じて、各自のもてる資源を大いに活用してもらえる。参加者は、自分たちの決定や活動に対して、共通の責任を分かち合う。理解と納得に基づく全員の合意が成立すると、誰もその決定に不満やためらいを感じない。こうした形の参加は、創造性を刺激し、最善の解決策を生み出す。
6)マネジメントの本質は、・・・
マネジメントの本質は、「目標による管理」にある。
人々が意義のある目標の達成に努力する時、生産性と創造性が高まる。このような目標指向意識の普及をはかる手段として生まれたのが、「目標による管理」だ。マネージャーたちは、果たすべき目標を合意のうえで明らかにして、その達成の具体的方策を実行していく。人は目標にやり甲斐を感じると、工夫と努力をこらしてその実現に邁進する。「目標による管理」を、目標設定段階から健全なやり方で実施していけば、個人目標と組織目標は矛盾なく融合し、統合する。
7)個人の業績を判定する最善の基準は、・・・
個人の業績を判定する最善の基準は、「実績」である。
個人の貢献度を判定するうえで、最も大事な基準が2つある。(1)その実績は、組織にどのくらいの貢献を果たしたか、(2)それは当人の管理能力を反映したものか、である。このような基準が浸透した組織では、それに基づく昇給や昇格を、人々は公正な人事考課のやり方として受け止める。こうしたやり方で個人の努力を評価すれば、人々のやる気が一層高まる。
8)個人や組織の卓越した行動を支えるのは、・・・
個人や組織の卓越した行動を支えるのは、卓越した規範と基準である。
私たちの行動の大部分は、規範と基準いよって左右される。質の高い規範や基準を設定すれば、人々は優れた業績と、仕事を通じて味わう高い人間的満足感を求めるようになる。同じ原理で、平凡な規範と基準は、人々を凡庸にする。
9)フィードバックとクリテイークは、・・・
フィードバックとクリテイークは、仕事の経験を活かす最善の方法である。
フィードバックとクリテイークは、進行中の業務や活動を一時中断して、改めてその内容や進め方を見直し、軌道修正や改善の必要性を突っ込んで検討するプロセスをいう。クリテイークは、現在の状況や過去の出来事について思いをめぐらす、ごく当たり前の行為である。多くの人がクリテイークの重要性を認識し、効果的な活用のし方を身につければ、そこから組織の発展に寄与する多くの貴重な教訓を得ることができる。
以上の行動原理を日常業務に適用すれば、働く人々の貢献度を最大にすることが可能になる。それはまた、人々の間に信頼を絆とする健全な人間関係を作り上げることにもなる。つまり、これが人的資源(R1)を最大限に活用できるような効果的な相互作用(R2)を促し、最善の結果(R3)を生み出す<9・9型>マネジメントのやり方なのだ。これができてはじめて、財務・技術・原材料といったその他すべての資源を最大限に活用することができる。
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【8】<9・9型>マネージャーになる・スタイル改善提言
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<1.1型>無関心型・・・・・・・・・・・触らぬ神に祟りなし
<1.9型>カントリー・クラブ型・・・楽しくやろう
<9.1型>権威服従型・・・・・・・・・強い者が勝ち!
<5.5型>中道型・・・・・・・・・・・・・これだけやれば十分だ
9+9(温情主義)型マネジメント・・・俺は偉いのだ!
日和見主義型マネジメント・・・・・・・・自分の得になることがあるか
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図:- The Managerial Grid -<1.1型>無関心型: ・・・・・触らぬ神に祟りなし
葛藤処理:
1)これまでの無色透明な態度を捨てて、すべての議題に対して自分の考えをはっきり主張すること。賛成か反対か決めかねる場合は、質問をして、それから判断を下す。
2)たとえ少数派になろうとも、自分の考えに忠実であること。
3)他人からの指摘に納得がいかない限り、自分の意見を主張する。他人の意見に対しても、納得のいく根拠の説明を求める。ただ論争を避けるためだけの目的で他人に従うことのないようにする。
イニシアテイブ:
1)自分の責任で解決すべき問題は、部下を巻き込んで自分が率先して解決する。
2)余分の仕事、特に共同活動などをすすんで引き受けるようにする。
3)組織全体の問題にも目を向け、その解決に進んで助力を申し出る。
探求心:
1)「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という格言の通り、判らないことがあれば、気後れせずに部下や同僚にどんどん尋ねて知識の幅を広げる。
2)仕事に関係のある資料、文献、会報などに目を通し、諸般の事情に通じておくこと。
3)ミーテイングに参加する時は、的を射た質問や発言ができるように、事前に問題点をよく整理したメモを準備しておく。
意思表示:
1)誤解を招く余地のないような、そのものずばりの簡潔な形で自分の意見を述べるようにする。
2)事実や情報不足からすぐには答えられないような事柄は、必ず調査してその結果を関係者に報告することを約束する。報告がない時は、催促してくれるように頼んでおく。
3)引き受けたことは、口先だけでなく必ず実行する。自分がこれまでのような<1・1>型ではないことを証明するのは、言葉ではなく、それなりの価値ある行動だと胸に刻んでおく。
意思決定:
1)部下に仕事を指示した時は、「上からの指示をそのまま下に伝えるだけの<1・1>型のやり方をしなかったか?」と自分をクリテイークすること。もし、そういうやり方をしたなら、すぐフィードバックしてくれるように、部下たちにあらかじめ頼んでおく。
2)傍観者的態度を捨てて、決定のプロセスに積極的に身を投じる。
3)面倒を避けたいためだけから、意に反する票を入れたりしないこと。自分の考えと行為に対して、強い責任感をもつこと。
クリテイーク:
1)自分がきっかけをつくって、クリテイークを定着させる。ミーテイングを終える時は、それまでの自分たちの活動をクリテイークすることを提案する。まず、自分の印象を説明し、他のメンバーたちの見方を聞かせてもらう。クリテイークとは、やったことを蒸し返すことではなく、チームとしてどのくらい効果的なやりとりを交わしたか、つまり、R2(相互作用)を見直すことである。
2)自分の行動に対するメンバーたちの受け止め方をフィードバックしてもらう。自分の行動の問題点と、その改善の方法についても助言を求める。
3)すぐにはフィードバックしてもれえなくとも、諦めずに根気よく助言を求める。特に<1・1>型の場合は、これまで人目に触れないようにしてきたのだから、まわりの人に自分の新しい行動様式をはっきり見てもらうために時間がかかることがある。
<1.9型>カントリー・クラブ型: ・・・・・楽しくやろう
葛藤処理:
1)自分に対して遠慮無く反対意見を言うように積極的に働きかける。反対意見が出されたら、もう一度自分の考えを述べ、議論し合うようにする。
2)まわりの人たちが抱く漠然とした疑問やためらいにも理解を示すこと。自分も他人の意見や提案に対して疑問やためらいを感じれば、それを率直に口に出していうようにする。
3)自分のそれよりよい考えや方法が提案されてら、自分の考えを変えて、それを取り上げることをはっきり言明すること。同時にその理由も具体的に述べること。さもないと、付和雷同型の頼りない人間と思われる。
イニシアテイブ:
1)逃げ出したいような場面にぶつかったら、あえて積極的に発言し、イニシアテイブをとるように努める。
2)少しでも改善の余地があることに気がついたら、進んでその改善に取り組むようにする。
3)消極的な気持ちを捨てて「試してみよう!」という前向きの姿勢を示すようにする。行動派言葉より説得力がある。
探求心:
1)ミーテイングがある時は、議題について十分な事前の下調べをしておくようにする。
2)自由回答方式の質問をして、いろいろな角度からの見方や情報の提供を促す。
3)問題がはっきりしたら、解決の鍵となる重要な手がかりをつかむことに焦点を絞って、具体的な質問をする。討議中は、社交的な話題を持ち出して話を横道にそらさないように気をつける。
意思表示:
1)議題に対する自分の考え方を事前に再確認し、その説明のし方を何回も口に出して練習しておくようにする。
2)意見を求められたら、真っ先に発言するように努める。
3)意見ははっきり具体的に述べる。反対意見を恐れず、言い訳や迎合的な態度を捨てて、堂々と自分を主張するようにする。
意思決定:
1)避けたい不愉快な決定でも、必要ならば遅滞なく下すように努める。
2)決定には、関わりのある人たちだけを参画させる。おもねるためだけに直接関係のない人にまで相談を持ちかけないこと。
3)必要な場合、自分一人で決定を下すことをいとわないこと。ただし、それを関係者に伝える時は、その根拠も説明する。
クリテイーク:
1)他人の行動については、こだわりやためらいを捨てて、率直に自分の受け止め方を伝える。他人に優しくするだけでは、必ずしも相手のためにならないことを銘記する。
2)自分がもっとしっかりしたマネージャーになるため、まわりの人たちの協力を自ら求める。自分が弱気になったら、すぐその場でフィードバックするように頼んでおく。
3)自分がとった行動の見直しを続けること。大事な活動を終えるたびに、他のメンバーから自分の行動をクリテイークしてもらい、その教訓を次の活動で活かすようにする。
<9.1型>権威服従型: ・・・・・強い者が勝ち!
葛藤処理:
1)怒鳴り声をあげたくなったら、それは相手を威圧することが目的か、それとも健全な解決を求めるためなのか、と自分の胸に手をあてて、よく考えてみる。
2)自分に攻撃的な傾向があることを頭において、まず相手に話をさせる。自分が答える番になったらまず相手にいったことを復唱して確かめてから、自分の意見をいう。
3)たとえ合意はできなくても、互いの意見を理解し合ったうえで、話を締めくくるように努力する。葛藤になったら、相手のいうことを頭から否定したり抑圧せずに、問題に真正面から取り組み、あくまで解決を図るようにする。
イニシアテイブ:
1)他人にイニシアテイブを発揮させるようにすること。自分のやり方を説明する前に、まず他の人たちの考えるやり方を尋ねるようにする。
2)次に仕事を手がけるときは、誰か他の人にも参画してもらい、こだわりのないオープンな態度で進め方をクリテイークしてもらう。そのクリテイークの結果を活かすため、また別の仕事も一緒に取組むようにする。
3)計画を立てるときは、まわりの人たちからも意見や提案を引き出すように務める。
探求心:
1)他人の意見を頭から無視しないこと。まず、その理由や根拠を聞くようにする。
2)質問をする時は、自分が尋ねる理由も説明する。
3)「悪いのは誰だ?」という態度を捨てて、「よい解決方法はないか?」という見方をすること。
意思表示:
1)自分の意見をいう前に、他の人たちの意見を引き出すようにする。
2)自分の考えを述べる時は、不明な点や自身のない部分も隠さず、ありのままに説明する。
3)他人から提案があったら、あら探しをやめて役立つ面に注目する。問題とすべき点があれば、それを克服する方法について検討してみる。解決の方法については大いに発言し、決して問題の指摘にとどめないこと。
意思決定:
1)最終決定を下す前に、たの人たちの考え方を聞かせてもらい、検証してみる。
2)たてえ自分と異なるものであっても、他にすぐれたアイデアがあれば、進んで取り入れるようにする。自分の考えや判断は、常に正しいとは限らないことを銘記する。
3)業務担当者を、意思決定のプロセスに参画させる。
クリテイーク:
1)これまでの<9・1>型の自分には他人を攻撃するくせがあったことを自覚し、しばらくの間は、建設的なことがいえないのなら、何もいわないようにする。
2)積極的傾聴のスキルを身につける努力をする。まず手始めは、他人の発言を中断しないように心がけ、ただひたすら相手の発言を傾聴することに徹すること。
3)クリテイークに関する他の人の提案を無視しないこと。実験的に実行してみて、その結果をまたクリテイークすればよい。この努力を、1回限りでなく、何回も繰り返し続ける。
<5.5型>中道型: ・・・・・これだけやれば十分だ
葛藤処理:
1)意見が割れる場面であ、誰が有利で、誰が面子をつぶすか、といった見方を捨てること。大事なのは「何が正しいか」であって、「誰が正しいか」は問題にしない。
2)ことなる見解に対して、心を開いて進んで論じ合うようにする。そういう態度で葛藤に臨めば、めったなことでは、険悪な勝つか負けるか式の状況にはならない。
3)求められなくても、進んで自分の意見の根拠や理由について説明する。同様に、他人の意見についても、そのまま聞き流すだけでなく、その底流にある本当の理由や根拠をつかむように努める。発言のないメンバーには、こちらから質問して意見を引き出す。
イニシアテイブ:
1)みずから先頭に立って、なすべき仕事やプロジェクトを引っ張っていく。
2)伝統、先例、習慣は、役に立つ場合もあるが、それが常に健全な指針とはならないことを肝に命じておくこと。それともう1つ、リスクを避けてばかりいたら、新しいより有効なやり方を身につけることはできないことも心得ておくこと
3)まわりが賛成してくれそうもないという理由だけで、自分がよいと思うアイデイアを引っ込めてしまう態度を改める。
探求心:
1)事実や情報を十分に集めて、よく確認する。ミーテイングに出る前には、議題や提案項目をしっかり準備しておくこと。
2)質問をよくして、十分理解するように努める。要点をメモにして、後で参考にする。
3)十分な知識がなければ、まわりの信頼は得られない。だからまわりの人が進んで情報や事実を提供してくれるような下地をつくっておく。どんなに突っ込んで質問をされても、まごつかないように、自分のアイデイアや考えをしっかり固めておく。
意思表示:
1)他人の考え方に左右されず、自分の意見を堂々と述べるようにする。それから、まわりの意見に耳を傾け、それぞれの長所を見極めて最善の判断を下すように努める。
2)自分の考えをそのまま正直に話すようにする。まわりに受け入れてもらうために、自分の意見を修正しないこと。自分の考えが間違っていると納得がいかない限り、安易に主張を曲げないこと。
3)多数派の意見に自動的に同調するくせをなくすこと。少数意見に特に注目し、その理由や根拠を聞き出して、よく検討するように努める。
意思決定:
1)これまでの自分のR1(人的資源)の利用のし方を見直してみること。何事につけ一対一の話し合いで決めるやり方が習慣になっている場合は、それを改めること。決定にあたっては、直接の当事者はもとより、力を貸してもらえそうな人たちにも参画してもらうようにする。
2)タイミングのよい意思決定をすること。途中で、投票などをして、反応を調べたりしないこと。必要な関係者だけを参画させ自分の意見をはっきり述べること。
3)自分だけで判断すべき事柄については、他のメンバーたちの助言や意見を求めて参考にすることはあっても、自分で最終決定を下すこと。
クリテイーク:
1)ただ待っているだけでは、役に立つフィードバックは得られない。自分から積極的にそれを求め、与えられたフィードバックは、素直にそのままの形で受け入れる。言い訳は無用と心得ること。
2)何かをしなければならない時、他から与えられたフィードバックを考慮して、計画を立てること。投票などに頼らず、信頼のおける人たちの意見を聞くようにする。
3)他人にフィードバックをする時は、自分の受け止め方を率直に伝えること。本当のことを隠したりあいまいな言い方をしたのでは、相手にとっては「百害あって一利なし」の結果となることをよく理解しておく。
9+9(温情主義)型マネジメント: ・・・・・俺は偉いのだ!
葛藤処理:
1)視野を拡大し、より正しい判断を求める過程では、意見の対立が起きるのは当然だという態度を身につけること。反対意見を自分に対する人身攻撃と見なさない。
2)自分から働きかけをして、どんな意見でも遠慮なく言ってもらい、その1つひとつを突っ込んで検討し、最善の解決策を探すように努める。
3)筋の通る反対意見であれば、それが誰から出されたものであっても、偏見のない公正な態度で受け入れること。
イニシアテイブ:
1)何かしようと思い立ったら、誰かに「あなたならどういうやり方をする?」と尋ね、そのやり方を試してみる。
2)できるだけ部下への権限委譲を心がけ、任せた仕事には口出ししないようにする。
3)仕事の内容ややり方を変更する必要が生じたら、ためらうことなくそれを実施する。
探求心:
1)提供される情報やデータは、大切に扱うこと。あいまいな点や誤解を正す必要があれば、されに突っ込んで確認をとる。
2)発言をしない人がいたら、働きかけてその人の本音を聞き出す。
3)質問が出されたら、その理由を確認する。その理由から、しばしば問題の解決に役立つヒントが得られることがある。
意思表示:
1)自分の意見を言う前に、他のメンバーの意見を求めるようにする。
2)自分の期待や希望をほのめかすような発言をつつしむこと。
3)断定的な言い方をしないこと。また、部下が提案した解決方法に対して賛成しかねる場合でも、「私だったら、多分・・・・する」といった回りくどい表現は避けて「なぜそのやり方がうまくいくと思うか?」と質問する。そして、じっくり皆でその提案を検討する。
意思決定:
1)部下に仕事を委ねたら、決定を当人の自主裁量に任せ、はたから口をはさまないようにする。
2)自分の個人的な好みではなく、しっかりした根拠を土台において決定を下すようにする。最終結論がまとまったら、関係者全員の反応をもう一度確認する。
3)自分の意見を回りに押し付けたり、説得することのないように気をつけること。自分が無意識のうちにそうした態度をとったら、すぐにフィードバックしてくれるように、まわりの人たちに頼んでおく。
クリテイーク:
1)フィードバックやクリテイークは、肩書きを忘れて全員平等な立場で行うこと。もう1歩踏み込んで自分が「生徒」で、まわりのメンバーは皆「先生」だ、と思えばよい。
2)納得できない主観的意見が出されても、その善悪を決めつけるような反応は差し控えること。思った通りを言ってくれたことに礼を言い、後で全員でその意見の妥当性を検討し合うようにする。
3)問題を指摘したら、同じことをくどくどと繰り返さないように注意する。いわんや、家庭にまで持ち帰って、ぐちをいうのは、もっての他と心得ること。
日和見主義型マネジメント: ・・・・・自分の得になることがあるか
葛藤処理:
1)反対意見は、皆の前ではっきり述べるようにする。黙っていることは、暗黙の了解だという考えを捨てること。
2)葛藤を避けたり、なだめて丸く収めようとしないこと。葛藤をしっかり見すえて、対立点を理解するように努める。自分の意見の根拠を、ゆっくりポイントごとに説明し、相手には途中でいつでも反対意見を言ってもらうようにする。
3)他人が発言中は、自分の作戦を練ったりせずにしっかり傾聴する。正しいのは「誰」ではなく、「何」か、を問題にする。不明な点はどんどん質問する。
イニシアテイブ:
1)問題解決の方法や仕事のすすめ方をすすんで提案し、それがなぜ有効かと考えるを納得のいく形で説明する。同時に、他によりよいやり方がないかを打診する。
2)その場限りのご都合主義ではなく、自分の信念、信条を貫く努力をする。
3)恥や失敗を恐れぬこと。失敗は貴重な教訓を与えてくれる。
探求心:
1)人に物を尋ねる時は、作為的なやり方をせずに、質問の意図や理由を相手にはっきり知らせること。
2)自分の無知を隠そうとしないこと。「知らない(あるいは判らない)。教えて欲しい」というだけでよいのだ。
3)権謀術数をもてあそび、知っているのに知らない振りをしたり、知らないのに知っている振りをするのはやめ、何事にも正直であること。
意思表示:
1)これまでだったら隠しておきたい気になる事柄を、あえて口に出して言う。本音の話し合いを大切にする。
2)自分のいうことを信じてくれない人がいれば、その人と直接、面と向かって話をして、信じてもらうように努力する。信じてもらえたら、約束したことを必ず実行する。
3)まわりの人の考えを聞く前に、進んで自分の意見を述べるようにする。他にもっと優れた意見が出されれば、誰にはばかることなく自分の考えを変える。
意思決定:
1)組織目的を第一に考える。決定は組織目的と矛盾しないかどうかを、まわりの人に確かめる。
2)自分が下そうとする決定について、わわりの批判と代替案の提示を求める。
3)攻略的な思惑で、決定事項を変えないこと。一度決まったことは守り通し、結果に対する責任をとる。
クリテイーク:
1)作為より真実、誤魔化しより正直さ、ご都合主義より節操、簡便性より健全性を重く見ること。自分が易きに走ることがあったら、すぐにフィードバックしてくれるように回りに頼んでおく。
2)あいまいで抽象的な言い方をせず、はっきりと具体的に問題を提起する。
3)八方美人的な言動はやめにして、よいことも悪いことも、自分の思うことをありのままに言うようにする。
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