寄りみち(Vol.3,93年4月号)

ひっぱりだこの地酒○○○!

 地酒○○○の大ブームである。在庫はいつも空っぽである。並べるはしから飛ぶ様になくなる。このコレクターの彼ら,彼女らは,一滴も酒を飲まない。いや,飲めないと言った方が正しいかもしれない。しかし,彼ら,彼女らの情熱は,すさまじいもので,大手銘柄には目もくれない。理由を聞くと「みんなだれでも知っているから」とサラリ。友人の中には300種類も集めた者もいるという。いや!おそれいった!

 もしかしたら今地酒を飲んでいる我々よりも,個性を見抜いているかもしれない。よく見ると本当に個性のあるものが多い。地酒の評価もここまでくれば言うこと無しという感じだ。

 何を隠そう,この地酒○○○のコレクターは小学生であり−酒ぶた−である。何やら,これであやしい遊びをしている。

 「チャン!チャン!」

 こんな彼ら,彼女らが10年して酒を飲む時が,今から楽しみだ。

僕の吟醸酒(3)

 すごい酒との出会いがあった。吟醸酒であるがその香り,のどごし,全てが,また新しい世界を広げてくれた。山廃仕込である。この酒は,冷えているより,そのままの温度の方がバツグンに旨い。どっしりと腰がすわっていて「わかる者にはわかる!」とでも言いたそうな口当たりである。口の中で「グワッ」と広がり,そのすばらしさを口中で満喫し,「ゴクリッ」とのどに落とす。

 「フッ」と我に返ると口の中はさっぱりとしてまた次の一口を原が要求してくる様である。

 一升瓶を横に山廃吟醸と語り合う,気付けばもう半分ほどになっている。「ん〜!まだ飲みたい」でも明日もまた,語り合いたい,今日はこれでやめておこう!

 そんな僕の吟醸酒の一つに山廃造りの吟醸酒がある。石川・松任  天狗舞山廃吟醸

正治さんのフィールドレポート(3)

 フクロウを飲んだ話

 だいぶ前になるが,鳥好きな人から,フクロウを飲んだという話を聞いた。フクロウは夜行性の鳥で野ネズミなどを専門に捕らえ丸飲みにするため,フクロウが飲むのはわかるが,人間が飲むのは変だと思った。

 よく話を聞いているうちに,その理由がわかった。それは,ただのドブロクを飲んだだけのことだったのだ。ある地方では密造酒のドブロクを昼間は公然と出せないから,夜行性のフクロウの名前をかりていたらしい。

 なんとしゃれたたとえだと思った。




今月の酒・味だより

能代。喜久水

 秋田・能代の喜久水が入荷しました。
 まだ少しお酒が硬いようですが,喜久水さんの個性が光ります。くち開けして3日目ぐらいした方が旨くなります。
 「喜三郎の酒」純米吟醸 500ml・・・1,600円,1.8リットル・・・4,000円
 「縄文能代」吟醸 1.8リットル・・・3,000円

備前の酒一筋 黒のフロスティボトル入り「大吟醸・生」

 この酒をお待ちの方は多いはず。今月入荷の予定,その他の酒一筋もどっさり来ます。
 また利守酒造では,キビヨシという雄町の兄弟にあたる酒米の復活に成功しました。ということは,キビヨシは幻の幻?

山鶴

 いよいよ奈良・生駒の山鶴という,すごい酒が入荷いたします。
 旨い酒を造ることに妥協を許しません!家訓には「一白,二蔵,三杜氏」とあり,平成4年度の蔵内平均精米歩合は50%に達しています。

今月のお勧めワイン

 うす甘口の白ワイン!  ”オリビエート・アマービレ”(イタリア)
やさしい甘さは春のひだまりの様です。   1650円


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