イッツ・ア・裁判所ワールド

IT'S A COURT WORLD

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やあ元気？ニッキーだよ！！
みんなは裁判所に行ったことあるかい？
僕は行ったこと無いんだ。今から行くから一緒に東京地裁ツアーに出よう。

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東京地方裁判所は、霞ヶ関にあるんだ。
「裁判所合同庁舎｣内にあって、高等裁判所や簡易裁判所と一緒になってるんだよ。

銀行みたいな入口を入ると金属検査機などが置いてあるけど、今日使わないみたい。
警備員に｢開廷表はどこですか｣って聞いたら、右を指差されて「あそこだよ」って言われたんだ。開廷表は今日どんな裁判がどの法廷でされるかが書いてあるんだ。そっちを見たら、いっぱい人がいた。弁護士がいっぱいだ。
中には女子大生みたいな人もいて「きゃー殺人事件がいいよ。判決がみたーい」だって。

その中で、僕は「詐欺事件｣を傍聴しに行くことにした。

法廷はこんな感じなんだ。
大体ドラマに出てくる感じであってる。
時間になると、検事さんが一人入ってきた。３０歳くらいかな？ラッシャー板前みたいな人。
つづいて、弁護士さん。女弁護士だ。家庭科の先生みたいな人でめがね掛けてカシコそうな人。
裁判官が一人入ってきてから、被告人が入ってきた。
官吏２人が連れてきた。こっちをみてる・・・。

裁判長が入ってきた。
すると誰かが「起立！」といったんで、僕も立った。傍聴人は僕一人なんだ。

まず、裁判長が「名前は？」とか「住所は？」とか聞くんだ。なんかぞんざいな聞き方だな！
そして、検事が起訴した理由を難しく言う。なんでもこの被告の人、
４０、０００円分「無銭飲食｣しちゃったみたい。「ビール２０本および１３品目を注文し、代金の支払能力の欠如にもかかわらず、店主を欺き」なんて言われてたよ。弁護側も事実であるとみとめてた。

被告はもう７０才近い人で、前科15犯。無銭飲食がほとんどみたい。
弁護士「もう無銭飲食しないね？｣
被告人「もう、無銭飲食しません。でも、酒は飲みます｣
一同(笑)

一通り審理が済むと、検察側がどのくらいの刑にするかを求めるんだ。 検察側は「今までの前歴などから、2年6月（「げつ」と読む）を求刑します」と言う内容だった。
これに対し、弁護側は「被告の年齢や微細な額、反省もしているところから、裁判長の寛大な判決をお願いします」
裁判長「では、明日、判決を申し上げます。いいですね？」
弁護士「いや、今日お願いします。」
裁判長「ん？では、20分後でいいですか？」
弁護士「お願いします」
意外に自由に判決って出されるんだ。たった20分で人生が決まるんだ・・・。

20分後、再び「起立」という朝礼みたいなことがあって、裁判長が｢それでは判決ね｣
「主文、懲役1年10月」という量刑になった。
「本来であれば、検察の言う量刑がもっともですが、年齢や被害額、反省をしているところからこのような量刑としました。」
「ただ」、「ただ、もう人生の中では締めくくりの時期でしょう？だから、保護人の元で、静かに余生を暮らしてください。もう、でてきたら70歳ですからね。」

4万円で2年間。割が合わないよね。その気になれば1週間で手に出来るお金だよ。
終わってから、弁護士の方が声を掛けてきた。
｢見学ですか」「ええ」「刑事専門？」「いえ、初めてですので。いつもこんな感じですか？」「今日のは短いわね。何か最近無銭飲食が多くて。世相を反映しているのしら・・・｣

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