清冽な空気の中、まばゆい朝日が小屋正面の木の間越しに昇ってくる。あたりの山々を、雪を染めて真っ赤だ。
水場は小屋から5分ほど。登山客の多い時は小屋の前で湯を沸かし、水もいただけたが、今日は水もそれぞれで。
せっかく持って来たからと軽アイゼンをつけてみる。悪戦苦闘の末7:30出発。まずは山頂までゆっくりと歩く。それほど重くもなく、しっかりと雪を噛み快調だ。
頂上で思わず歓声を上げる。ぬける様な青空に大きな富士が美しい。北岳、八ヶ岳、両神、浅間と山々が居並ぶ。暫し時を忘れる。これが見たくて登って来た。
風もなく爽快な尾根歩き。谷向こうの山肌も白い。途中にウサギの足跡。雪山もまた楽しい。味わいながら鴨沢へと下りよう。
登りもそうだがこの下りも穏やかな道。初めて登った前回、歩きやすさと森の美しさにすっかり惚れこんだ。
急がずにコーヒーでひと休み。昨日買ったオニギリはなんと凍っている。さすがにそのままでは食べられない。即席のフカヒレスープと一緒に鍋に放り込み豪華な?雑炊にする。
今回が登り納め。無事に沢山の山行ができたね。
皆さん、良いお年を。来年も又どうぞよろしく!!
例年より早い雪が東京を薄化粧させた5日後、雲取山に登ってきました。
実は今年2回目、11月は冬枯れの山でしたがあいにく雨模様。今度こそ山頂からの景色を見たいと三峰へ。積雪は30cm。アイゼンを用意して初の雪山へ。2002,12,14〜15
三峰ロープウェーは例年のメンテナンスの為、運休中。タクシーを相乗りして神社駐車場へ。スパッツをつけ10:00出発。
前回は11月下旬の色あせた紅葉の時期。今回はたった2週間だというのにうって変わって一気に真冬だ。登山道の入り口から雪道だが風は強くない。気温−9度を軽装で歩く。
木々に積もった雪が、かすかな風に驚き光の中で輝く。音もなく舞い降りて、わずかな踏み跡を消して行く。
霧藻ヶ峰休憩所の主は、新井信太郎さんの弟さん。楽しく話し込みコーヒー代一杯300円をついうっかり払い忘れそうになってしまい、大変失礼しました。
枯葉を踏んで軽快に歩いた道も、雪となると勝手が違う。穏やかな登りだが滑らないようにと力が入る。ストックを使い始める。
前白岩山にいた鹿2頭、芋木ノドッケまでついて来た。昔、餌付けをしたそうで数メートルまで近づいても怖がる様子もなくじっとこちらを見ている。このあたりの積雪は30cm? イヤもっとだろう。
コースは判かっているが、思いの外ペースが上がらない。つま先が冷たい。軽登山靴に雪が滲み込み始めたようだ。
やっと大ダワ。山の状態でこんなにも違うものか!すべりながら、喘ぎながら、夕闇迫る山道を雪を踏みしめながら歩く。雲取山荘到着17:00。お腹ペコペコだ。(*_*)
建て替えられた雲取山荘。冬用のトイレは11月に完成したばかり。食堂のランプは昔の名残か。冬山の水は貴重だからと夕食時のお茶は各テーブルにポットひとつ分だけ。お味噌汁のおかわりもなし。
食後、ストーブの周りで歓談。信太郎さんは下山中で、ご子息が加わり話してくれた。夏まではサラリーマン。現在は山小屋修行中。皆でからかったり感心したり。前回は一杯だった宿泊客も今回は30人程で1パーティ1部屋と快適だ。
なんとこの夜は双子座流星群に遭遇。消灯した部屋の窓から多すぎて見分けのつきにくい星空の中に、鮮やかに尾をひく流星を見た。小屋の外からも歓声が上がる。