昨年、準備の甘さから登るのを諦め、長蔵小屋の脇から恨めしく降り仰いだ大きな燧ヶ岳の姿、その美しさにいつかきっと登ってみたいとあこがれていました。そして今年ちょうど同じ時期に再挑戦することにしました。               2003,06,07

燧ヶ岳を正面に仰ぐ熊沢田代
熊沢田代から平ヶ岳を見る

東京を午前1時に出発し、御池の駐車場に4時過ぎに到着。駐車場はまだガラガラ!

 ゴミ持ち帰りを訴えているボランティアも「御池は空いているな」と感心しきり。しかし”寒い”山に入れば暑くなるのが判っていても出発時は長袖姿。

 シャトルバスで沼山峠〜尾瀬沼というコースをたどる人々がほとんどの中で、今回は燧ヶ岳のピークハントが目的なので御池から広沢田代・熊沢田代とたどり、山頂を目指しました。

 しかし、このコース上にある熊沢田代は規模は小さいながら訪れる人もまばらでひっそりとしています。また風の吹き抜ける鞍部にあり正面にはこれから目指す俎ーがくっきりと姿を見せ、越後側には平ヶ岳かすんで見えます。あまりの気持ちよさにここで大休止。

 しかし、登山道のあちこちに残雪がたっぷり残り、アイゼンを着けるほどでではないにしても結構厳しい登りです。
 程なく俎ーの山頂。昨年雑踏のような湖尻休憩所から見上げた所に今いるんだという感激は最高。ちょっぴりかすんだ尾瀬沼・日光連山・見晴に続く尾瀬ヶ原、そして3年前に登った至仏山が望まれます。

 この後俎ーと向かい合う柴安ーへと挑みます。しかし、柴安ーの頂上直下は急斜面に残雪が残り、上り下りの登山者が皆ここで苦労しています。関西から来たらしい女性の多いグループから悲鳴があがります。見ると数メートルではありますが滑り落ちたようです。僕らも慎重にキックステップで通過します。柴安ーの山頂は俎ーより広く上がってみると登山者が皆のんびりと休んでいます。
 しかし、眺望は俎ーの方が良いかな?!と言った感じ・・・・。


 さあ、ここからは俎ーへとって返し長英新道・大江湿原・沼山峠へと下山です。ところがこの長英新道を選んだことが今回の最大の失敗!!この時期に燧ヶ岳に登られる方にはこのコースはお勧めできません。

 もろい残雪・ぬかるみととても歩きにくい。柴安ー頂上直下、残雪の急斜面で苦労していたグループがここでも人間渋滞を引き起こしています。下から上がってきた御殿場からのグループとすれ違うのに大騒ぎです。

 しかし何とか大江湿原まで降りてきてみると、そこはいつもの尾瀬の雑踏、ちょっと旧軽井沢にでもいる感じでした。それでも下の写真のように花も森も春の瑞々しさにあふれた”尾瀬の山”を満喫した一日でした。

柴安ーから見た俎ー
俎ーから見た柴安ー
燧ヶ岳