甲子園で常総学園が優勝を決めたころ甲斐駒ヶ岳に向かってあえぎながらよじ登っていました。翌日には前回台風の余波にさんざんな目にあった仙丈岳をコツコツと楽しんできました。２００３，８，２３〜２４
今年の夏の異常な天候にも係わらず前回の剣岳といい、今回の甲斐駒＆仙丈も最高の晴天をプレゼントしてくれました。
＞＞ ８，２３ 甲斐駒が岳
ご存じの通り今年北沢峠へ行くには広河原から入山しにくく、戸台口から長谷村村営バスに乗って北沢峠へ入りました。
午前４時半駐車場で仮眠していると突然放送で「本日は大変な混雑が予想されますので午前５時より運行を開始します」と言う放送に目を覚ましました。「ウソだろ！！まだ準備もしてないよ」とぶつぶつ言いながらあわてて朝食。やっと５時３０分のバスに飛び乗りました。ところがこのバスの運転手さんは運転しながらガイドもしてくれるサービス付きでＪＲバスの皆さんに見習って欲しいほどでした。
終点北沢峠バス停を広河原方面に３００ｍほど進んだ所から枝道に入り、北沢長衛小屋の前を通って早速登山口へ仙水峠・駒津峰・甲斐駒へと向かいます。
仙水峠の手前は岩ゴロの登山道ですが振り返ってみると小仙丈がくっきりと姿を見せてくれています。左の写真は翌日その小仙丈岳から写したものですが真ん中に写っている沢沿いに上がっていくと仙水峠でそこから左に尾根を上がって行くと駒津峰です。駒津峰からはすばらしい見栄えで北岳から南アルプス連峰が深い山々の雰囲気を充分に味合わせてくれます。
しかし、その先六万石を過ぎたところで直登ルートと巻き道ルートに別れます。直登ルートを選んだのですがこれがまあ大変！！本当によじ登るという表現がピッタリ。なぜ鎖もハシゴも付いていないのだろうと疑いたくなる所でした。山頂に達した頃には同じルートをとった見知らぬ登山者たちが互いの健闘を讃え合って笑顔で見交わしあっています。従って下山は皆当然のごとく巻き道ルートを選択していました。
それでもこの山頂からはそれまでのルート上では見ることの出来なかった八ヶ岳連峰が見え、鳳凰三山の向こうにはシルエットの富士山、折り重なった北岳・間ノ岳、ちょっと遠くに塩見岳と雄大な景色を堪能させてくれました。この中では特に北岳を前面に位置づけた南アルプス連峰のスケールの大きさに圧倒されました
＞＞ ８，２４ 仙丈岳
昨日甲斐駒から降りてきた時にはとても二日続けては登れないだろうと諦めかけていましたが、いざ登り始めてみると結構快調にあがれる。これなら何とかなるだろうと仙丈岳を目指しました。
前回の雨風の中の登山とは違い、今回は朝こそ薄曇りでしたがだんだん天候が回復し、青空が大きく広がって行きます。”大滝の頭”を過ぎ森林限界を超えると昨日登った甲斐駒がどっしりとした姿を見せてくれます。
小仙丈岳ではすっかり秋の姿に変身した”チングルマ”が風にそよぎ。頂上と仙丈小屋の分岐では雷鳥が４羽のんびりしたしぐさを見せてくれました。
この山は今回初めて気が付いたのですが、頂上の南東側と北側に同じようなカールを持った山でその美しさが朝の光線の中でくっきりと輝いています。
徐々に山頂が近づいてくるとそこにいる登山者の多さにびっくり、誰もが清々しい山の空気を思う存分楽しんでいます。
しかし仙丈岳とはこんな山だったのかと再認識！前回は周囲がなにも見えない中でしたので全く違った山に来た感じです。頂上直下のカール・昨日とは違った角度の北岳と南アルプスの山々、そして遠くに薄く中央アルプス、やっぱり来て良かったと感じるとともにまだまだ登っていない山の多さに挑戦に燃えてくる気持ちがフツフツ・・・。
そして下山は前回泊まった仙丈小屋の前を通り、あの時とても感動した命の水と言っても良い水場で一息入れ、黄色い花の咲き乱れる馬の背ヒュッテから大滝の頭を目指して降りて行きます。
この下山道は途中いくつもの沢を渡ってゆくものですが、この沢の美しさも”南アルプス天然水”を連想させ清々しいものです。
２４枚の写真があります。
