東京の梅雨がやっと明ける直前出発し帰ってきたらすっかり夏になっていました。そのせいか一滴の雨も降らず、さわやかな空気をたっぷり感じながら剣岳・立山を楽しんできました。2003,8,1〜3
例年この時期にその年最大の目標を計画して来ましたが、今年はあの剣岳&立山に挑戦です。
夏休み突入!しかも梅雨明けと言うこともあって相当な混雑を予想しながら出かけて行きましたが、いつもの新宿発の夜行列車に乗って立山アルペンルートをたどってみると拍子抜けするくらい順調に室堂に到着しました。身支度や水の補給などで時間をつぶし高度順応を念入りに行って、いざ出発です。
8,1(金)室堂〜地獄谷〜雷鳥平〜別山乗越〜剣山荘
室堂は家族連れや学校単位の旅行で観光地という色彩が濃いところです。それでも明るい日差しのもと堂々とした立山を見せてくれ、音を立てる地獄谷の噴煙も息苦しいほどで徐々に浮き立つ気持ちを抑えきれずに歩いて行きます。雷鳥平まで来て多くのテントを見るといよいよ山の雰囲気が強くなってきます。
雷鳥沢の登りでは雪渓が残り、足下に気をつけて慎重に上がって行きます。別山乗越までは今日の最も厳しい登りですがあたりの景色に気を取られているうちにいつしか到着してしまったという感じで特に”きつい”という印象はありませんでした。しかも途中で休憩しているとガレた登山道に何のためらいもなく雷鳥が突然姿を現し、ほっとするひとときをくれました。
別山乗越を過ぎるころになるとあちこちに残る雪渓から立ち上るガスが山全体を薄く覆い始め、剣山荘までの下りでは見えるはずの剣岳も姿を見せてくれません。かろうじて一服剣あたりまでが視界に入る状態です。
雪渓をいくつも横切って行くとやがて今夜の宿である剣山荘が見えてきます。到着後いつものようにビールを飲みながら一休みしていると続々と登山者たちが到着し、無事の到着を喜び合っています。
剣山荘では風呂に入ることができて本当に幸せ、食事の内容もgood!明日の早立ちに思いをはせてさっさとお休みです。
8,2(土)剣山荘〜一服剣〜前剣〜剣岳〜前剣〜一服剣〜剣山荘〜剣沢小屋
今日はいよいよ剣岳本峰に向かって剣山荘を朝4時過ぎに出発です。一服剣までのガレた登山道ではヘッドライトを頼りにルートをはずさないよう慎重に上がって行きます。
一服剣では上の写真のように今まで見たこともない青い夜明けを体験しました。そのころになるともうヘッドライト無しにルートを見分けることが出来るようになり、次第に剣岳本来の岩また岩という厳しい登りが始まります。ぞろぞろと続く後続者に落石しないようにと注意しながら登って行きます。前剣を過ぎたあたりからルートはいっそう厳しい恐怖感たっぷりの様相になってきます。同じように登っていた高校生のグループの中には尻をつきながら細い鞍部を越えて行く人も出る始末です。
そのうち雑誌でしか見たことのない鎖場が登場しこちらまでこわごわ通過しなくてはなりません。あのタテバイでは見上げると先を行く登山者の靴の裏側まで見える状態です。そしてついに剣岳山頂到着。最高の見栄えです。眼前の立山・針木岳・鹿島槍ヶ岳・白馬岳数え上げたらキリがありません。すべての登山者がはしゃぎまくっています。富山湾こそ見えませんでしたが大満足です。
下山にかかると予想通りヨコバイの手前で登りの登山者とすれ違いのからみもあって激しい渋滞です。しかし、先行者が足場を教えてくれ特に問題なく通過。その後も長いハシゴや鎖が連続しさすが剣だなという感じに迫られます。剣岳というとタテバイやヨコバイが有名ですが、恐怖を感じながら上り下りするのはそれだけではないことがよく判りました。
剣山荘まで戻るとデポしていた荷物を整理し、弁当を楽しみゆっくりと休憩です。その後剣沢小屋まで移動しました。
昼過ぎには剣沢小屋に着いてしまい、それからは剣御前を正面に、広がり始めたガスのためになかなか見えない剣本峰を待ちながらうっとりとお酒タイムです。
8,3(日) 剣沢小屋〜別山〜富士の折立〜大汝山〜雄山〜一ノ腰〜室堂
今日はもう下山しなくてはなりません。小屋に泊まっていた登山者の多くが剣岳を目指し早立ちして行く中、僕たちを含めて2パーティーが別山方向にテン場の中をかきわけて行きます。別山乗越までを約40分でこなし、そこからは快適な尾根歩きです。時々振り返ってはすっかりガスの吹き払われた剣岳の姿を惜しみながら立山:富士の折立を目指します。
このルートは剣岳へのルートとは大違いでのどかな室堂を中心に周囲の山々を眺めながら歩くゆったりとしたもので、そのせいか立山だけを巡るルートを選択した登山者が多いようです。朝のうち、行き交う登山者と話をすると内蔵助山荘や一ノ越山荘を出て別山乗越経由で下山するという人も多いようです。
ただこの日は富山湾からの冷たい強風に悩まされ、普段暑がってばかりの僕たちもふるえながらの登山です。しかし深い緑と雪渓の白が調和した周囲の景色はそんな寒さも忘れさせてくれるほどです。
大汝山まで来るとそんな風もやっと弱くなり、雄山神社の神様が残り少ない山行をしっかり楽しんで行きなさいと粋な計らいをしてくれたようです。最後の雄山まではあっという間で恒例のお払いを受けた後スゴイ人間ラッシュをかきわけながら室堂を目指して行きます。しかし、この雄山〜一ノ越〜室堂の間の人間の多さにはびっくりです。登ってくる人たちに上から落石しないよう注意するだけでも大変!それでも小さな子供たちからお年寄りまで頑張っていて、思わず声援をしたくなる感じでした。
室堂まで降りてくるとそこはもっと多くの人々が行き交っており、帰りの交通機関の混雑を予感させ、余韻を楽しむ間もなくあわてて立山アルペンルートを降りてきました。
全部で28枚あります。よろしければ是非見てください。