今年の紅葉シーズンは安達太良山。三連休の混雑を考えて、前夜早めに出発する。登山口の駐車場でシュラフにもぐり夜明けを待つ。2003,10,11
午前5時半ガラガラの駐車場、雲海の向こうに朝日が昇る。思っていたほど寒くないが、お湯がなかなか沸騰しないのはガスの残量が少ないせいか。思わぬところで時間を使った。6時半出発。
天気は晴れ。紅葉は見頃。磐梯・朝日国立公園の中を歩く。幅の広い緩やかな登りは登山道というより散策路。なるほどスニーカー履きの軽装ハイカーが多い。
黄色・赤・黄金色の木々。見渡す限りの紅葉は朝日に輝きまばゆいばかりだ。くろがね小屋までの道はビューポイントの連続。歩いているより写真を撮っている時間が多いくらいだ。ゆっくり歩こう、絶景だ!
くろがね小屋は温泉付きで入浴のみでも利用できる。でも到着時間が早すぎて掃除中の為、トイレも借りられなかった。この見晴らしならば泊まれば良かった。燃え上がる山懐にいだかれてずっとずっと眺めていたい。
峰ノ辻までのわずかな登り、カラカラのガレた斜面に水が湧く。覗き込めば、秋の空を映し出す泉は水底から語りかけてくるようだ。ああ、そうだね。この山は本当に美しい。
あふれるほどの紅葉を味わうが、眺める沼ノ平は無機質な別世界。東西の風景の違いに、あちこちで驚嘆の声が上がる。安達太良山を振り仰げば岩峰に立つ人々の姿は針山のようなシルエット。
砂礫の牛ノ背、心地よい風の道を山頂に向かう。岩峰に立ち針の一本となろう。どこまでも広がる遮るもののない大展望に満足したら、少し早いが昼食にする。満タンのガスはあっという間にお湯が沸いた。
段差の大きな滑りやすい下山道。立ち止まり振り返るのもそこそこに、続々と登って来る人の間をぬうように下りる。奥岳からの周回コースだが、こちらからの登りはキツそうだ。
薬師岳山頂からはゴンドラで下りる。ススキが風に揺れ斜面の小さな草までが色づく。ふもとでは景色と共に味わう芋煮汁で、秋を満喫した。こんな見事な紅葉の後では、次の山行に悩んでしまう。当分紅葉を見て歩きたい。
素晴らしい紅葉を見てください。13枚あります。