丹沢

鍋割山の鍋焼きうどん、尊仏山荘から見た夕焼けの富士山、厳寒の縦走路。どれもこの季節の丹沢の醍醐味といえるものでしょう。2004,01,10/11

 これで3回目の丹沢挑戦です。これまでの2回は日帰りでヤビツ峠から塔ノ岳を経て丹沢山や蛭ヶ岳を目指しましたが、体調が悪かったりや天候に恵まれなかったりでいづれも塔ノ岳で断念してきました。今回は反省も含めて尊仏山荘1泊でのルートを計画してみました。

 8時過ぎに小田急を渋沢駅で降りると”寒い!!”これは大変なことになりそうだと覚悟しながら大倉に向かいました。本来なら大倉からバカ尾根を上がるのですが、今回はあの鍋割山の鍋焼きうどんを目指して二股から後沢乗越・鍋割山そして塔ノ岳へとたどるルートを選んでみました。

 どのルートを選んでも大倉から上がると塔ノ岳までの標高差は1300mを越える、これは本来ならとても厳しいものですが今回は天候にも恵まれ鍋割山までは快適な登りが続く、しかも鍋割山荘はヘリを使わない昔ながらのボッカでありながら東京と同じレベルの”鍋焼きうどん”が食べられ、ましてこれが900円なんて頭の下がる思いです。

 鍋割山から塔ノ岳へは多少のアップダウンがあるものの基本的に縦走路といった趣で気分良く歩けます。

 塔ノ岳山頂にある尊仏山荘まで上がってみると続々と登山者が到着してきます。そしてそうした登山者の多くが元気良く「明けましておめでとうございます。」と声を掛け合っています。いつの間にか私たちもそうした山仲間の中に混ぜてもらいビールと日本酒ではしゃぎまくっていました。

 午後4時半を過ぎた頃そうしたざわめきが一瞬静かになったなと思ったら日没が富士山をシルエットにして見せてくれています。多くの人がカメラを持って飛び出して行きます。これを見るだけで上ってきた甲斐がありました。

 二日目尊仏山荘から蛭ヶ岳をピストンします。温度計は持っていませんでしたがこの日も身を切られるような寒さです。山荘を出て丹沢山方向に歩き出すとすぐに急な下りですが、ここが北向きの斜面に当たるせいか消え残った雪がガチガチの状態で恐る恐る降りて行きます。「アイゼンを取りに戻ろうか?!」と悩みましたがこのまま進むことにします。塔ノ岳山頂もそうですが丹沢山に続く尾根道は南西方向に朝日に輝く富士山、東には東京方面の街がどこまでも広がっています。

 丹沢山までは行き交う登山者も少なく見渡す景色を独り占めの感じでした。そのうちに雪を身にまとった南アルプスの山々が見えてきます。丹沢の山は奥多摩とは違って周りの景色が順光の朝日で見ることが出来ます。これが丹沢の最大の魅力だと思います。残念ながら今回の写真も順光の割には写りが良くありませんが雰囲気は出せているのではないでしょうか。

 蛭ヶ岳は丹沢山域で最も標高が高くまた奥深いこともあり、展望も格別に素晴らしいものです。特に東京方向の街はその大きさを感じさせてくれました。蛭ヶ岳山荘の前であんパンひとつを食べエネルギー補給を済ませると早速塔ノ岳に向けて戻って行きます。

 やっとの思いで尊仏山荘に戻ると昼食。インスタントキムチスープを使って雑炊をすすります。これが冷え切った身体にじわっと染み込んで身体中を暖めてくれます。やっと元気を取り戻してまた大倉尾根を降りて行きます。

<< 情報 >>

1,尊仏山荘の食事・・・夕:レトルトカレー/朝:レトルトおでん。従って素泊まりの上食料持参で自炊している人が多い。

2,水場・・・尊仏山荘から下り10分、登り15分の距離。ちょっときつい。

3,小屋・・・今回のルート上にある小屋は休日と言うこともあり、すべて営業していました。