−15℃の北八ヶ岳縞枯山山麓をスノーシューハイキングに行って来ました。ゲレンデとは違った光と陰そして真っ青な空が待ちかまえていました。 2004/02/07〜08
これまでは夏ばかりの山行でしたがたとえ冬でも山に入りたい心を抑えきれずスノーシューをやってみようと思い立ちました。それでも初めての経験なので山渓主催のツアーに参加する形で行って来ました。このツアーは日本に早くからスノーシューを紹介している栗田さんという指導者を中心としたもので初心者にも安心して参加できるものでした。
スノーシューは深雪の中でも歩いて行けるアイゼンのような爪のついたカンジキに似たもので最近は愛好家もだいぶ増えてきたようです。
北横岳ピラタスロープウェーを降りるとわずかな降雪が激しい風の中で私たちの身体を打ち据えます。事前の説明で気温が−15〜17℃ぐらいと聞かされていましたが、その厳しさはやはりその中に身を置いてみないと判らないものですね、こんな寒さの中を本当に歩いて行くのかと思いましたが栗田さんは当たり前のごとく出発して行きます。
初日はロープウェー山頂駅から国道299線脇の麦草ヒュッテまで約2時間の行程です。歩き始めてすぐにぎわうゲレンデと離れ、未知の森の中へ入って行きます。そしてそこはまったく色のない世界でとても幻想的な風景に新鮮な驚きを味あわせてくれました。
スノーシューは栗田さんの説明通り新雪の上でも楽に歩くことが出来、しかもなかなか快適です。夏道をたどるコースタイムとたいして違わないのではないかと思える時間で麦草ヒュッテに到着。
ヒュッテに着いてみるとほとんどの人がスノーシューでやってきた人たちばかりで、すでに鍋やお酒で盛り上がっています。宿の主人は「今頃が1年中で最も混雑する時期なんだ」と忙しそうに働いています。私たちも早速日本酒で仲間入り、名古屋から来たという若者たちと軽い会話で夕食までの時間を楽しみました。
2日目は朝7時にヒュッテ前集合し、スノーシューをつけると早速出発です。昨日降っていた雪もやみ、まばゆいばかりの晴天です。降ったばかりの雪を身にまとった木々が絵本のクリスマスツリーのよう・・・。
はじめの2時間ほどは快適な森の中のハイキングです。やがて雨池に到着。まったくトレースのない白一色の雪原からは周囲の山々が青空をバックにまばゆいばかりです。
しかしそれからが大変、まったく踏み跡のない森の中を雨池峠に向かう林道を探してさまよう感じ、思わず”八甲田山死の彷徨”を想像してしまいました。栗田さんは「雪が多ければ倒木や背の低い木々に邪魔されずすむのに・・・」と言いながら先頭でトレースをつけて行きます。
やっと林道を見つける頃には皆寒さと疲れでちょっとぐったりと言った表情。それでも周囲に姿を現した浅間山や荒船山といった景色にうっとり。そこからはペースも上がり最後の登りを一気に上がって行きます。しかし峠に着いて後続を待つ間、激しい風に悩まされ、顔をそむけながら耐えていましたがその寒いことと言ったら氷のナイフで身をきざまれているようでした。
<< 情報 >>
1,スノーシューとは右の写真のようなものでクランポンというアイゼン状のスパイクがあり多少の登りもこなせるものです。初めてでも特別な技術不要です。でもラッセルはやはり疲れます。
2,今回のツアーは¥28,000でちょっと高いという印象。それでも初めての経験なので授業料のつもりで我慢。
3,−15℃というとちょっと想像もつきませんが、1泊2日駐車場においていた車の中のシャンプーやボディーソープが凍っていました。また服装も右上の写真程度で行動中は問題なし、でも休んでいる時などはつらい。