梅雨入り直前静かな北八ツへ行こう今回はにゅう、目的はしらびそ小屋。山小屋ランク☆☆☆☆☆に泊まろう!2004年6月5・6日
八ヶ岳中信高原国定公園の中、稲子湯は静かな佇まい。駐車場には清潔なトイレもある。今朝は晴れ、半袖にショートパンツで出発する。
ガイドブックとは逆のコース。展望のない長い登りと言われるシャクナゲ尾根を選んだ。早いスタートのせいか他に人はいない。
今年は雪も少なく八ヶ岳らしい苔むした山道という雰囲気が乏しい、それでも新緑の枝先で春を謳う様々な鳥の声がだんだん大きくなる。
木々の間から見える青空と、静かな山道には時折さわやかな風が吹き渡り、汗をかいた身体に嬉しい。快調な登りで思いの外に高度をかせぐ。
360度の眺望を誇るにゅうの頂上。切り立った岩峰からは、まだ雪の残る穂高岳や槍ヶ岳、登った山も登りたい山々もどこまでも見える。まだ見ていたい。もっと眺めていたい。
下山途中4年前に泊まった黒百合ヒュッテに立ち寄る、同じ6月なのに周りに残雪が全くなく拍子抜けだ。トイレだけはすごくきれいにリニューアル。(ただし使用料¥200)
中山峠からしらびそ小屋へ降りる途中で突然大きなカモシカに気付いた。2メートルも離れていない。驚く様子もなく逃げるふうでもなく、悠然とこちらを見ている。カメラを向けるまもなくあっという間に森の奥に立ち去ってしまった。驚きと共に山の動物を考える。今夜の宿も動物の餌付けで知られる。
みどり池のほとりはあちこちで挨拶が飛び交い、しらびそ小屋はすでににぎわっている。開山祭前夜恒例のコンサート。サックスとキーボード。振り返ると池に、山肌に音楽がとけ込みそして反響する。ちょっと意外な異文化交流。
夕飯は山菜の天ぷらや煮物、サラダ、おいなりさんとご馳走が後から後から出てくる。果実酒や濁り酒も振る舞われ、またたくまに一升瓶が空く。しらびそ小屋に乾杯!
みどり池の向こうに東天狗。夕食後、池のほとりでシルエットに見とれる。今日は夜まで晴れている。明日の晴天を願いながら就寝。
翌早朝、窓から見える東天狗が真っ赤に染まり、あたりには朝靄がたちこめる。池に近づけば引き締まった空気の中に小鳥の声が響く。しらびそ小屋の窓辺ではリスや鷽(ウソ)が食事中だ。小屋のマスコット”吉”まで雰囲気を楽しんでいるようだ。
私達も豪華な朝食を終え身支度を整える。挨拶をして出発しようとすると、炊事途中の手を拭きながらおかあさんがわざわざ表まで出て見送ってくれた。
わずかな下りだが今回巡り会った音や動物たちに心を託して都会の人となる。
そしてこの日関東地方も梅雨入り。次回は雨の山を楽しもう・・・