単に百名山だから、そんな軽い気持ちで出かけていったらこの山に失礼だ!!それを一番感じたのは私でした。 2004,09,04
普段なら事前にガイドブックやwebを充分に調べ上げて出かけるのだが、今回は前日仕事帰りに地図を購入しただけで出かけてきた。軽い足慣らし程度に考えていた今回の山行がこんな大変な山行になるとは・・・。
東京から約4時間、冬スキーでにぎわう妙高高原・赤倉の奥懐笹ヶ峰が今日のスタート。登山届けをポストに入れたらきれいに整備された木道を辿り始める。
山ならどこにもあるような沢、でもここの沢はその音が違う。ひそやかで恥じらうような雰囲気。それも山頂近くなって判るのだが、その源となっている湿原にこそ凛とした清楚さがあるからなのかもしれない。
高谷池ヒュッテまで約3時間とちょっと、ここまで来て樹林の中から火打山が大きくその姿を現してくれる。そしてヒュッテ前のテン場から見てはじめて「あっ、ここにこんな湿原があったのか!!」と驚かされる。
結果として今回は山に行って来たというより、山に囲まれた静かな湿原を楽しんできたというのが印象。湿原といえば尾瀬を思い浮かべるけど、最近の尾瀬は単なる観光地!?。ここの湿原はスケールは及ばずとも、池糖の美しさでは尾瀬もかなわない。
高谷池ヒュッテで一息入れたら早速火打山をめざす。ヒュッテ前の湿原が角度だけでその印象を大きく変える。少し昇ったところから振り返ると池糖の向こうに高谷池ヒュッテの三角屋根が可愛い。さらに小さな丘を越えるとそこは”天狗の庭”色づき始めた草原を前景に火打山がなだらかなスロープを見せる。
このころからガスが雲があたりを覆い始める。さっきまでの青空に裏切られたみたいだ。長く続く階段状の登山道を登り雷鳥平に着く頃、ついにどしゃ降りとなる。
得意のポンチョで上り詰めた山頂からはなにも見えない。大急ぎで登頂の記念撮影。ひどくならない内にあわてて下り始める。
行きには何度も立ち止まって見とれていた湿原もたまにかいま見られるだけ。高谷池ヒュッテまえのベンチでランチを始める頃にはひどくなってきた雨にそれまで楽しそうにしていた登山者達が皆小屋の軒先に逃げ込んでしまうほど。
今夜の宿はここから約50分黒沢池ヒュッテ。本格的な雨対策に身支度を整えたらさっそく出発。しかしここからが今回の大失敗。途中さらに強くなった雨風に身を縮めるようにして歩いて行くとついに「ワッ!!」尻餅。その後も何回となく滑ってしまい、ついには着替えもないし、天候の回復も期待できないしと明日の妙高を断念して、今回はこれで終わり、下山だ。
それでも黒沢池周辺も高谷池・天狗の庭に負けないくらいしっとりとした湿原だ。木道を急ぐ間にもうっとりしながら見入ってしまう。
結局この日登山口にやっとたどり着いたころにはもう少しで日没という状態。計11時間以上の歩きとなってしまった。もう東京に帰れないとへこたれ具合で温泉で紹介された民宿で爆睡。zzz・・・・・



