笠取山
霜の降りた木の葉
多摩川に最初の一滴をそそぎ始める山が今回の目的地です。水源の森のせいか登山道はとても良く整備されています
季節の良い頃にはきっと遠足の小学生が登ってくるのでしょう。2004,12,11
分水嶺の道標
 異常に暖かい日が続いている今年の冬、約1ヶ月ぶりの山行に多摩川源流の山へ行って来ました。作場平の駐車場には私以外に誰も来ていません。今日の山は貸し切りかな・・・

 暖冬といっても朝は厳しい冷え込みで途中の道にあった温度表示は「−1℃」いつもより厚着で出発です。

 足下は真っ白な落ち葉でいっぱい。霜柱をサクサクと崩しながら歩きます。登りはじめの登山道は日が射し込むこともなく冷気が肌を突き刺してきます。

 この山の道は丸太や小振りな石が敷き詰められていて、足下を見ずに歩くことができる。きっと春には小学生達の遠足コースにでもなっているのでしょう。
 登り初めて30分もするとさっきまでの寒気などどこに行ってしまったのかうっすらと汗をかいてきました。登りのせいかと思っていたらいつの間にか暖かい朝の日差しの中を歩いていました。太陽は本当にありがたいものですね。

 傍らに流れている沢は多摩川の源流、きらきら光って「おいしいぞ!!」と誘っているようです。毎日の恩恵をこの流れから受けているのだ。

 やがてそんな沢もどんどん細くなり、姿を消してみたりまた現れてみたり、そういえば今週は雨が降っていない。チョロチョロとした流れの水場を見送ると笠取小屋の前に飛び出している。南東側の木の間越しに大菩薩嶺が逆光の朝日にシルエットだけを浮かび上がらせています。

 小屋を過ぎると日差しあふれる草原の中をゆっくりと登る道になる、北側には雁峠、さらに行くとやっと目指す笠取山が見えてくる。でも山頂直下は左の写真のようにスキー場の急斜面のような登りが最後の試練を与えてくれる。

 日陰では身体にしみ込んでくる寒さ、日差しのもとでは小春日和の柔らかな暖かさを感じながら最後の登りをこなして行く。山頂からは富士山だけでなく遠く鳳凰三山・白峰三山がゆったりとした気分にさせてくれる。

 山頂では雑炊やお茶がそうした光景に見とれている僕を中からじわっと暖めてくれる。来て良かった!!
笠取山山頂より白峰三山を望む
笠取山山頂を仰ぐ
 下山にはさっき通り過ぎてきた分水嶺に立ち寄ってみる、多摩川だけでなくこの足下からは荒川や富士川も流れ始めていることに気づかされる。どんな大きな流れにもはじめの一滴があってそれはなんとささやかなことか・・・。

 その後も落ち葉で埋もれた登山道を辿りながら久しぶりの自然を楽しんで下りてきました。