燕岳から見るとこの山の東からご来光があがり、奥社から見上げるとゴツゴツした稜線が心を揺さぶる。辿る登山道では散りばめたような二輪草、新緑の森からは多くの鳥たちが語りかけてくる。戸隠山は濃密な山でした。 2005,06,04〜05
W杯最終予選バーレン戦で小笠原が貴重な1点を決めた瞬間を上信越道佐久インターを過ぎたところで噛みしめていました。そんなわけで残念ながら全く睡眠がとれていない状況で戸隠牧場入り口付近から始まる”ささやきの小径”を辿りはじめました。
戸隠山山麓はうるさいくらいの鳥・蛙の声など自然の営みを感じさせる森でした。
戸隠神社奥社随神門はもののけ姫のラストシーンのように屋根に多くの草木を生やした生命力あふれるところで、その先の杉並木に続く奥宮からはこれから登って行く戸隠連峰の縦走路を仰ぎ見ることができます。
奥宮で山行の無事を祈願し終えると早速眼前にそびえる八方睨めざしてスタートして行きます。
ことさらゆっくりと上がってきたせいか途中の五十軒長屋・百軒長屋などは思っていたほど厳しい道でもなくいつの間にか着いてしまうと言った感じ。
今回の山行のハイライトはここから始まる岩稜歩きです。しばらく行くとガラガラと落石特有の音が聞こえてきます。失礼な先行者だなと見上げながら進んで行くとなんと岩や枝を投げ降ろしているのは人間ではなく野生の猿です。遙か上の方から私たちを見下ろして得意げにしています。山は彼らの領分でありとうてい私たちがかなうわけもありませんがちょっと悔しい気分です。
そのころから垂直に切り立つ鎖場やトラバースが続き、やっと尾根に出てきたなと思う頃には”蟻の戸渡り”と称すデンジャラスな難所に飛び出してきます。ここでは先行した信州大学の学生達もまたいでみたり四つん這いで進んでみたりと皆一苦労です。
やっとの思いで八方睨にたどり着くとそこからは細い縦走路の始まりです。朝、奥社前から見上げたあの厳しそうな尾根に今いるんだと思うとなんか不思議な感じです。また途中からは高妻山が鋭いピラミッドを見せてくれます。
しかし一不動避難小屋が近づいてくるに従って空模様が怪しくなってきました。遠くから聞こえはじめた雷鳴が徐々に近づいてきます。何とか避難小屋まで辿り着きたいと心は焦ります。
そして雨粒をはっきり感じ取れるようになった頃、運良く一不動の小屋に飛び込むことが出来ました。そこにはすでに5人の登山者と犬が一頭逃げ込んでいましたがそれからもずぶ濡れの人たちが駆け込んできます。雨・雷鳴ともに激しさを増してきますが、昨夜の寝不足を解消するにはちょうど良いタイミングです。小屋の片隅で昼寝を決め込んで雨上がりを待ちます。
どれくらい寝たのでしょうか?雷雨はエネルギーを失うとともにいつの間にか通り過ぎ、真っ青な空がのぞいています。気持ちよく戸隠牧場に向かって下山開始。途中いくつかの恐ろしい鎖場がありますがのんびりした気分が恐怖を和らげてくれます。
この日は戸隠キャンプ場にテントを張って昨夜の寝不足を一気に取り戻します。しかし、夕食前の一杯をはじめたところで近くでキャンプを楽しんでいたオーストラリアからの外人さんに話しかけられ乏しいボキャブラリでお相手・・・ちょっと頭は疲れるけど山でこんな経験が出来るなんてとっても楽しいとウキウキ。八甲田では韓国からのお客様とスノーシューを楽しみそして今日は戸隠で”Nice to meet you!?”それでも外人さんにはゴメンナサイ。眠くて眠くてすぐに、zzzzz・・・・また明日(^_^)v
<< 情報 >>
1,村営戸隠キャンプ場は設備充実。でも受付のおじさんは、午後5時が近づくとソワソワしはじめます。
2,戸隠と言えばおそば。尾根で一緒だった信州大生によれば中社近くの「うずら屋」が最高!!
帰りに寄ってみましたがキリッと冷えたそばの感触がすばらしいお店でした。
3,信州大の皆さんのお薦めの温泉は「りんごの湯」だそうです。何処にあるかは、わかりません。