高峰高原は東に浅間山・黒斑山、西に篭ノ登山・池の平をひかえ、スノーシューを楽しもうという者には外すことの出来ないベストポジションです。その上黒斑山は山頂に火山活動監視用カメラも設置された浅間山監視の山です。 2006,01,21〜22
観測史上初めてと言う豪雪に見舞われているこの冬、ちょっと軽い気持ちでスノーシューを楽しもうと計画したのが浅間山を正面に見ることの出来る黒斑山です。実際夏には手軽すぎるかなと思われるこの山もこの季節には違った顔を見せてくれると期待して出かけてみました。
家を出る頃にはヘッドライトにくっきりと雪の粒が映し出され、天気予報の正確さにちょっとげっそりしていましたが関越も川越を過ぎる頃には雪もやみ、「これなら目指す高峰高原は好天が期待できるぞ」とウキウキ気分です。
目的地が近づいてくると次第に天気が良くなって、高峰高原ホテルの駐車場に着く頃にはすっかり青空と言った状態でした。
今回は高峰高原を中心としていくつか設けられているスノーシューコースを辿る計画です。以前北八ヶ岳で始めて以来、究極のスローライフを楽しめるものとしてスノーシューで林の中をゆったりと歩き巡ることが最高の楽しみになってしまいました。
ゲレンデ下の駐車場脇から始まる中コースはこの日誰の踏み跡もないバージンスノー、数日前に降った雪の表面が固まりクラスト状態ですが、それでもスノーシューが無いと膝まで埋まってしまいそうです。コースタイムが短いこともあってのんびりとしたペースで歩いて行きます。
途中は結構厳しい上り勾配。スノーシューであっても足下が何度も崩れ落ちラッセルに近い状態の斜面をあえぎながら登って行きます。それでもやっとの思いでトーミの頭に飛び出してみると目の前に展開されている雲海とモノトーンの岩山の連続に絶句。こんな静かなで雄大な山に雪の季節に登ってこられるなんて最高と感激もひとしおです。
ここでそれまでのスノーシューを軽アイゼンに履き替えます。するとそれまであまり感じることのなかった風もさすがにこのピークでは指先や鼻の頭がジンジンしびれてくるようです。それでも山頂にたどり着いてみると眼前の浅間山が白黒の世界ではありますが、その雄大さで見ている僕たちを圧倒してきます。スゴイ!
ちょっと異様な模様を山肌に描いた浅間山は美しい円錐形をなし、雪と火山灰のツートーンカラーがここまで登ってきた数少ない登山者に大きな満足感を味あわせてくれます。
下りは表道をアイゼンで降ります。この日中道を登ったのは僕たちだけのようでしたがそれも納得、こちらの表道コースは周囲に八ヶ岳連峰・南アルプス・御嶽から北アルプスまで透き通った空気の中真っ白な山並みを見せてくれています。
翌日は最もアップダウンの少ないとホテルで紹介してもらった”カモシカコース”を辿ることにします。
このコースはコースタイムも約1時間半と短いばかりでなくなだらかな林間コースと言うこともあって僕らにはピッタリです。
しかもこの日は最高の晴天。誰も足跡を残していない真っ白なコースの中を辿る比較的平坦なコース、やっぱりスノーシューには穏やかな林間コースがお似合いですね!!それでもコースの終わりが見えてくるとちょっと消化不良のためもう一度登り返しひとつ先の尾根筋を目指してみます。途中昨日同様の厳しい登りはありましたがやっとの思いで目指す尾根に辿り着きました。しかし、そこには何の目印もなくどのように戻ればいいのかさえも定かではありません。仕方無しに又登ってきたコースを戻ります、それでも明るい青空の下ゆったりとした散歩はとてもおおらかな気分を存分に楽しませてくれました。
またどこかでのんびりした冬の平地歩きを楽しんでみたいものだという思いを強くしてきました。