乗鞍高原はいろいろなガイドブックにも紹介されている最もポピュラーなスノーシューフィールドです。適度なアップダウンと遥か彼方の乗鞍岳の勇姿がのんびりとした高原歩きにもかかわらずひとときも退屈することのないすばらしい時間を過ごさせてくれます。 2008/02/10〜11
上高地でとても素敵な雪の一日を過ごした後、乗鞍高原に移動し翌日の行動に備えます。この日は夜になっても激しい降雪がやむことがありませんでした。
今夜の宿はペンションです。小さいながらも白く濁ったお湯に満たされた湯船にじっくりとつかって冷え切った身体を目覚めさせます。暖まったら今度はビール。とっても幸せな気分です。しかし近頃の宿は良心的な値段ですばらしいサービスですね。食事もしっかりしているし、最高です。
翌朝は早くから駐車場を行ったり来たりする除雪車の音で目を覚ましました。焼きたてのパンで朝食を済ませると誰よりも早く出発です。乗鞍観光センターから善五郎の滝経由で一ノ瀬園地へとゆっくりしたペースで雪の野山を歩きます。今日は昨日とは一転まぶしい青空です。
善五郎の滝では薄くブルーがかった色の氷を透かして沢の水が激しく落ちています。くぐもった音が響く中を両手にピッケルを持ったクライマーがアイスクライミングを楽しんでいます。
滝からはちょっと厳しい登りですがほんのわずかな距離なので賢明に登って行きます。登り切ると明るい林の中にトレースが続いており、のんびりとした雰囲気のルートを楽しむことができます。しばらく行くと国民休暇村「乗鞍高原」の前に飛び出してきます。ここが乗鞍高原の最も奥に位置するところでゲレンデが目の前です。私も休暇村の会員登録を済ませてあるので悠々と中に入って綺麗なロビーでビールをいただきました。
さて一息入れたら後半のハイライト、一ノ瀬園地に向けて下って行きます。凍り付いた牛留池の上を歩きながらルンルン気分です。ちょっときつい傾斜の下り坂が続きますがスノーシューの威力でしょうか難なく下ることができます。急に視界が開け一ノ瀬園地を眼下に見ることのできる東屋でインスタントラーメンのランチです。
一ノ瀬園地は一面白銀の原野ですが西側には真っ白な乗鞍岳が優美な姿を見せてくれます。ところがこのころになると気温が上がり、湿り気を帯びた雪がスノーシューのクランポンにこびりついてとても歩きにくくなってきました。それでもスキーゲレンデの喧噪とは違い、この雪原はスノーシューを楽しむ人たちがほんの数人いるだけなので静寂と自然の空気を思う存分楽しむことができます。この後は再び森の中の小道を観光センターへと戻って行きます。この日の行動は約4時間ゆったりとした雪のハイキングになりました。
翌日もあまりの好天に乗鞍スーパー林道を猪谷スキー場まで歩き、夏にはサイクリング道路になるのであろう林間コースで再び一ノ瀬園地まで戻るというルートを辿って約半日を楽しみ、名残惜しい乗鞍高原のスノーシューに幕を下ろしました。