霧島
新燃岳への登りから中岳・高千穂峰を振り返る
新燃岳火口湖

 朝8時30分、GWだと言うのに霧島神宮鳥居前の大きな駐車場には約15台の車とたった5人の登山者が見えるだけです。

ビジターセンター脇から中岳へのルートを辿ることにします。登りはじめの30分ぐらいは石畳の参道ようです。次に中岳頂上直下まで続く傾斜の緩やかな木道や階段が現れ、軽快に登ることができます。

 いつの間にか辺りがひらけると高千穂峰が荒々しい山肌を見せています。辺りは薄曇りですが小鳥の声にあふれ、振り向くたびに姿を変える高千穂峰にうっとりです。さらに南には桜島の山々がその頂を雲上に浮き上がらせています。

何の変哲もない小広い中岳山頂には私を含めて4名の登山者がいるだけです。それでも周囲を見渡し皆で感慨を一言言い交わします。

 
 ぐるりを見渡した後すぐに次の新燃岳に向けてスタートです。このルートも中岳同様なだらかな登山道が頂上まで続いています。それでも山頂である火口の縁に登り立つとそれまでの印象を覆すような爆裂火口が口を開けています。それもそのはずこの新燃岳は1959年に噴火したばかりなのです。
 そのせいか水量は少ないながらもエメラルドグリーンの湖水を覗くことができました。ぐるりと火口周囲を廻って行く途中でもその色の美しさにこの火口湖から目が離せません。残念ながらものの20分程度でそんな火口歩きも終わりです。次は獅子戸岳に向かいます。


 一旦下る登山道の両側には火山ガスの影響か立ち枯れた樹木がほとんどです。そんな中に純白の花を付けたムシカリが鮮やかに咲いています。獅子戸岳は中岳同様あまり特徴のない山頂ですが振り返るとこれまで歩いてきたルートのすぐ脇にもかつての噴火口跡が見られます。

かつて学習図鑑の中で見たような火口をちりばめたこの地は太古の造山活動を目の当たりに見せてくれています。花には乏しい季節でしたがゆったりとスケールの大きな山行でした。    2008/04/28

韓国岳火口を見下ろす

 さてその後霧島連山主峰韓国岳に向かいます。しかしその登山道はそれまでとは大きく異なり火山礫ではなく、滑りやすい土の登路が枯れた沢の脇に細々とつけられています。立木やクマザサにつかまりながら身体を引き上げます。ここは結構苦労しました。

 やっとたどり着いた山頂でビックリ!新燃岳のそれよりはるかにスケールの大きい噴火口が大きな口を開けています。そのぐるりのスケールといったら東京ドームがすっぽり入ってしまうのではないかと言った大きさです。

 そしてこの山頂からは大浪池・不動池・御池等のこれまで見られなかったその他の火山湖を見ることができます。また、ここにはえびの高原からピストンするハイカーの数も多くさすがに霧島の盟主という印象です。


 トータルして霧島を辿るだけでも地球の造山活動をすさまじさを感じ取ることができました。とても、お勧めです。

 そうそう、季節が早すぎたのか残念ながら皆さんご存じのミヤマキリシマを見ることはできませんでした。