エキノケレウス属・その1

  別名「蝦サボテン」とも呼ばれ、大きく美しい花を咲かせるものが多いのがこのグループの特徴です。特に緑色の雌しべが独特の美しさを醸し出しています。 しかも花が咲いてから萎んで枯れるまでの期間が長いものが多く、通常2~3日であるのに対して4~5日くらい咲き続けます。昼間しか花が開かないため、家にいないことが多い私のようなサラリーマンにとっては嬉しいことです。わが家でも最大勢力です。
  成長が早く、丈夫で暑さ寒さにも強いため駄物扱いされますが、逆に言えば「お求め易く育て易い」わけで、ビギナーには特にお薦めです。成長が早い、ということは肥料を好むとことで、昔は「堆肥に植えろ」とさえ言われた程です。
  ところで、ビギナーには特にお薦め、とは言っても思いの外栽培し難いものもあり、私自身幾度か失敗もしています。幸い高価なものはほとんどありませんので(というよりも殆どのものが安価に入手できます)経済的痛手はあまりありませんが、購入されるときは事前に栽培の容易さを調べられることをお勧めします。

 
美花角

美花角
学名:Echinocereus pentalophus
美花角
  サボテン本体の見栄えは今一つですが、花の大きさと美しさは格別です。花は直径10cm近くにもおよび、紫色の花びらと黄色の雄しべ、緑色の雌しべの対比が絶妙の味を出しています。普通、サボテンの花は2~3日で萎れてしまいますが、この花は1週間近く咲きます。
  性質は至って丈夫。寒さにも強く、花が咲き終わったら元肥として牛糞をやや多め(3号鉢でふた摘みくらい)に入れた培養土に植え替え、12月半ばから春先までは完全に水を切り、1年を通してよく日光に当ててやれば翌春は見事な花が咲きます。
  冬場は胴体が褐色になり、一見「枯れたのでは?」と思える姿になりますが、心配せずにそのまま栽培して下さい。そのうちニキビのようにアレオーレの上端が膨らみ始め、濃いピンク色の蕾がでますョ。

  春から秋にかけて元気に育った枝であれば、5cmくらいの長さのものでも花を付けます。(元気に育った枝、とは太くて ─人差し指くらいの太さ─ 瑞々しい枝です。)写真のものは5号鉢に植えているものですが、新しい枝が伸びるハナから古い枝が枯れていき、これ以上大きくならないようです。ただ、もっと大きな鉢に植えるとその鉢に応じたサイズになりそうです。
 

 
大仏殿

大仏殿
学名:Echinocereus subinermis
大仏殿
  鮮やかな黄色の大きな花が見事です。この花も直径10cm近くにもなります。高さ7~8cmくらいから花を付け始めるようです。このサボテンも美花角同様花持ちが良い方で、約1週間咲きます。
  高さ12~3cmくらいまで上に伸び、その後は根本から小吹きしていくようです。ただ、私の持っている株は高さは12cmくらいまでになりましたが、その後は新しい刺は出てくるものの大きさは殆ど変わっていませんし小吹きもしていません。やはりサボテンにも個体差があるようです。
  このサボテンは成長ややが遅い方で、水やりはやや少な目の方がよいでしょう。特に新しい刺が出て来ていない時は全く水やりをしなくても大丈夫です。

満開の大仏殿
  私もこのサボテンを購入した際、初夏に花が咲き終えてから全然成長しないため、殆ど水をやらず放っておきました。そのうち冬になり、全く水をやらずにおきましたら、春に突然小さな蕾がつきビックリしました。
  サボテンは自分でちゃんと花の時期や成長の時期が分かっているようです。「どうしたらよいか分からない時は何もしない」というのも手のようです。

  右の写真は6個の花が一斉に咲いたものでなかなか見応えがありました。

  さて、で栽培ですが、性質は丈夫で、耐寒性もあります。我が家では、特に遮光することもなく、夏場もガンガン直射日光に当てています。また、冬場も外で栽培しています。ただ、加温はしていませんが、冬用のケースに入れています。(因に私の住んでいるところでは、冬場でも零下になることは殆どありません(例年1~2回)。また零下になるといっても精々-2℃止まりですので、これ故に屋外でも栽培可能ということです。)

  次に植え替えですが、蕾が出るのが4月~5月ですので、早めの植え替えが良いと思います。私の場合3月中に植え替えを終えております。


 
金竜

金竜
学名:Echinocereus berlandieri
金竜
  美花角を太くがっしりとしたような胴体が特徴のサボテンです。ただ、ご覧のように胴体の割には大変長い刺を出します。長いものでは5cmくらいあります。結構鋭いのでちょっと注意が必要です。また、子吹きは根本から出てくるのも特徴です。最終的にどの程度まで大きくなるのか、群生するのかしないのか等、まだよくわからないことが多いのですが、わかり次第また報告させていただきます。
  花の方は美花角と似た感じもありますが、花びらが少し細めでパステル調の紫色で濃い感じです。大きさも直径8cm程度もあってなかなか見応えがあります。ただ、天気が良くないとスカッと開花しないのが珠にキズです。開花時期が5月中旬~6月上旬ということで、連続した晴天の日が少ない時期でもあり、何日間開花するのか今ひとつ正確にはわかりませんが、4日~5日くらい開花し続けるようです。

  で性質ですが、至って丈夫。夏の日差しにも寒さにも強く、栽培は楽です。ただ、栽培を間違うと花付きが悪くなってしまうようです(枯れはしませんが)。
  ではどうすべきか?ですが、要は用土です。こちらに示す培養土の“レシピ -その2-”のような水はけ・水持ちが良く、また肥料分の多い用土を用いて下さい。これで株ががっしりとしてきますし、太くて長い刺が出てきます(通常のサボテン用土で栽培しますと、水はけが良すぎるためか、枯れはしないもののあまり成長せず、蕾もあまり付きません)。より太く、より長く育てればそれだけ沢山の蕾が来春期待できます。

  植え替えは8月下旬~9月上旬が良さそうです。この時期に前述の用土での植え替をお勧めします。
 


 
摺墨

摺墨
学名:Echinocereus melanocentrus
摺墨
 「サボテンで最も美しい花(行きつけのサボテン屋さん店主談)」とのことで早くから入手したかったサボテンなのですがなかなか店頭に出ず、2018年にやっと手に入れることができたサボテンです。(^^)
  最も美しい、かどうかはそれぞれかと思いますが、見事な花であることは確かです。

  薄紫に中心部の小豆色、というツートンカラーの美しい花を咲かせるサボテンです。花の直径は7cm以上にもなり、なかなか見応えがあります。ただ、開花は2日とうのが“玉に瑕”といったところでしょうか。(^^)ゞ
  写真右のものは4月上旬に蕾を付け始め、5月下旬に開花しました。
摺墨の花

  大きさ的に、高さ6cm以上になると蕾を付け始めるようです。写真左は購入時のもので高さ5cm程度でしたが、その年は蕾を付けませんでした。株の大きさが6cmであるのに直径7cmもある花を咲かせるわけですので、そのアンバランスがシュールな感じがするほどです。

  株の形状ですが、若草色の胴体に褐色の中刺を持つ、ベージュ色の細い刺が覆います。初めは球体からスタートし、やがて卵形、後に円筒形となります。最終的にどの程度まで大きくなるのかは(私には)未だ不明です。わかり次第ご報告させて頂きます。

  基本的な性質ですが、基本的には丈夫な方だと思いますが、最近(2010年以降)の夏の日差しの強さに鑑み、5月下旬あたりから50%の遮光をしています。耐寒性に関してはまだよく分かりませんので氷点下にはならないよう注意しています(0℃までの実績はあります)。
  水やりは週イチの一般的な水やりでOKですが、12月に入ったら3月の植え替え後まで完全に水を切ります。断水の結果、株が一回り小さくなりますが、サボテン本来の性質ですのでご安心下さい。これにより春に蕾を付けますので。春に水やりを再開しますと割と短期間のうちに元の大きさに戻ります。

  最後に植え替えですが、蕾が4月上旬に付き始めますので、3月中に行うのが良いかと思います。根が結構細めで柔らかいので、土を崩す時は(ご自身の想定以上に)根を取りすぎないようご注意下さい。

 
紫紅玉

紫紅玉
学名:Echinocereus adustus
紫紅玉

  現在作成中です。しばらくお待ち下さい。
 
紫紅玉の花

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