エキノケレウス属・その2

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宇宙殿

宇宙殿
学名:Echinocereus knippelianus
宇宙殿
 柔らかく、ウインナのような深緑色の胴と少ない刺が特徴で、胴のわりには大きな花を咲かせます。3月初旬あたりから蕾を出し始め、4月下旬から5月上旬あたりに開花します。花はピンクの縦縞の花びらと黄色の雄しべ、緑色の雌しべを持った美しいもので、花の直径は6cmくらいで、胴の長さが5cmくらいになると花を付ける始めるようです。ただ、各花の開花期間は2~3日、とやや短めで、スカッと晴れた日でないと花が開ききらず、しかも昼過ぎには萎み始めるのが玉に瑕です。(i_i)

 性質は丈夫で寒さにも強いので、1年を通じてよく日に当てて育てます。夏の炎天下で直射日光に当てても大丈夫でです。冬場、水やりを控え、良く太陽に当てていると次第に株が褐色になって、成長期の弾けんばかりの状態からシワシワで縮んだ感じになりますがご心配なく。慌てて水をやったりしなようにして下さい。冬の乾燥期には1滴の水もやらなくても大丈夫です。冬場の日光浴が不足しますと花付きが悪くなりますのでご注意を。逆に、よく日に当て、機嫌良く成長させますと満開の花を咲かせてくれます。(^^)  が、個々の花が2~3日しか花を開かせないことと、比較的一斉に花が開花しますので、最初の花から最後の花までの期間は短めで、何となくアッという間、といった感じです。

 次に植え替えですが、前述のように比較的寒いうちから蕾を付け始めますので、植え替えは花が終わってからが良いと思います。私の場合、8月下旬に普通のサボテン用の用土で他の蝦サボテンと一緒に植え替えを行っています。

 どこまで大きくなるのかはよく分かりませんが、丼鉢程度の大きさの群生株を見たことがあります。
 

 
明石丸

明石丸
学名:Echinocereus pulchellus
明石丸
 体のわりに大きな花を咲かせます。写真のものは胴体が直径約4cmですが、体よりも大きな花を咲かせました。花そのものは宇宙殿と似ていますが、花びらが多く、色もやや濃いピンクです。
 ただちょっと残念なのは、花数が少ないことと開花期間が短いことです。開花期間は2日程度で、左の写真程度の大きさのものですと蕾がつくのは3~4個程度ですので年間で花を楽しめるのは1週間弱。花が見事なだけにちょっと寂しいところです。
地上部よりも大きくなった明石丸の根っこ

 このサボテンは右の写真に掲載したとおりの太い根を持ち、成長もややが遅めです。ですから、水やりはやや少な目の方がよいでしょう。特に春から秋にかけても新しい刺が出ていない時は水やりは月1度程度でよいと思います。
 このサボテンも性質は丈夫で寒さにも強いので、1年を通じてよく日に当てて育てます。

 このサボテンもどこまで大きくなるのかはよく分かりません。直径が8cm以上のものは見たことがありません。私の栽培しているものも、殆ど大きさは変わっていませんので、直径6cm程度までではないかと思います。
 なお、成長が遅いということで接ぎ木されてものが良く店頭に並べられていますので、ご購入の際は接ぎ木されたものかどうかもチェックされた方が良いと思います。栽培方法が異なってきますので(接ぎ木の場合は台木の栽培方になります)。

 で、植え替えですが、私の経験では、秋口に植え替えるのが良いと思います。というより、春~初夏には植え替えない方が良いと思います。と申しますのは、春花を咲かせるとともに成長を開始しますが、このころ植え替えを行いますと成長を止めてしまうようで、本来成長すべき時期に成長できなくなってしまう、ということがあるようで、隊長不充分のまま冬を迎えてしまうからです。
 私自身、3年前(1999年)に、試しに花が終わって2~3週間(だったと思います)して、成長真っ盛りの時に植え替えを行ってみたのですが、植え替え後成長を中止してしまい、その後はずぅ~~っと成長を停止してしまいました。季節の良い秋になっても成長を開始せず、逆にどことなく小さくなってくるばかり。はっきり言ってもう枯れてしまったのでは?と感じた程です。
 が、根が一応しっかりしているようでした(株を掴んでもビクともしませんでした)のでそのままそっとしておきましたところ幸い蕾を付けるに到りました。この株は以前一度失敗したことがあり、その時もやはり春に植え替えをした記憶があります。
 ということで、明石丸は晩夏~初秋に植え替えを行いましょう。
 

 
青花蝦の花

青花蝦
学名:Echinocereus viridiflorus
青花蝦
 小輪で黄緑色の花びら、黄色の雄しべ、緑色の雌しべ、と、他の種に比べて鮮やかさは劣りますが、かわいらしい花を沢山咲かせ、花数の多さでは勝っています。胴の直径が3.5cm程度になると蕾を付け始めるようです。
青花蝦の刺
 それ以上に、このサボテンの特徴は短いの美しい刺です(写真右)。特に成長期には深緑色の胴と相まって大変美しいものです。
 このサボテンはよく子を吹き、群生します。高さは10cmくらいまでですが、横方向に小吹きしてどこまでも広がっていくようです。成長は早い方なので、植え替え時に肥料(元肥)はやや多めにします。性質は丈夫で寒さにも強いので、よく日光に当てて育てれば春には満開の花を咲かせてくれます。
 このサボテンも冬場は胴体が褐色になり、一回り小さくなって一見「枯れたのでは?」と思える姿になります。でもそのうち濃いピンク色の蕾がでますのでご安心を。

 で、このサボテンの植え替えですが、上記の明石丸同様、晩夏~初秋に植え替えが良いようです。理由も同じくですし、昨年(1999年)の栽培経過も殆ど同じです(実際、明石丸と同じ日に植え替えを行ってます)。このサボテンも春からの生育期に於ける植え替えはあまり行わない方が良いようです。
 逆に、もし何かご存じの方がおられましたらこちらまでご一報お願いします。
 

 
ローマ蝦

ローマ蝦
学名:Echinocereus octacanthus
ローマ蝦
ローマ蝦の蕾
 小輪ですが、小豆色の可愛い花が咲きます。約1週間にわたり夜昼なく咲き続ける、という私のようなサラリーマンには嬉しいサボテンです。胴の長さが10cm程度になると花を付け始めるようです。
 ただ、問題は、どうしたら花を咲かせられるのかが私にとって未解決なのです。
 と、そうこういろいろ試し続けて約20年。とりあえず、と申しますか、2012年5月5日、1つだけではありますがやや濃い小豆色の蕾が付いているのを見付けました(写真右)。\(^^)/
 一体何が良かったのか、これから検証していきたいと思っています。とりあえず頭にあがっているのは、
  • 3月に植え替えを行った際、元肥としてMagamp-Kを施した。
  • 蕾を付けた年(2012年)は春の植え替えを行っていない。
  • 冬場に、特に防寒用設備に入れる等せず、良く日の当たる所(夏場と同じ場所)に置いていた
といったところです。因に、冒頭の“Magamp-Kを施した”とありますのは、以前、花博会場で開催されたサボテンの展示会で、たまたまサボテンクラブの方がおられ、その方にお伺いしたところ“大きさが足りない(開花年齢に達していない)のでは?Magamp-Kを施肥してみては?”との助言を頂いたことによるものです。

 そうこうしているうちに花が咲きました。\(^^)/
 実際咲いた花を見てみますと、小豆色ではなく 鮮やかな朱色でした。恐らく個体差ではと思います。また、冒頭に記しましたとおり、6日間に亘り、夜昼無く咲き続けました。左の写真は最大に咲ききった時のもので、元々この程度にまでしか開かないのか、まだまだ株自体が充実していないのかは不明ですが、Webサイトに掲載されているものを見る限りでは、この程度の開き方でもおかしくはないようです。来年以降また花を付けましたらご報告させて頂きます。
 さて、実際に花が咲きますと、やっぱり写真で見ただけでは分からなかったことが見えてきました。先ず大きさ。花径は3.5cm。明るい若草色の雌しべ。雄しべの方も、白い茎に小豆色の葯。花びら、雌しべ、雄しべ、とそれぞれ特有の鮮やかな色をしており、その対比が美しく、なんだか和菓子のような感じです。(^^)ゞ
 特に小豆色の雄しべというのは、サボテンのみならず、植物全体で見てもちょっと珍しいように思います。

 性質は丈夫で寒さにも強く、真夏は休眠し、春と秋に生育するようです。成育中はどんどん大きくなりますので(ただ、どこまで大きくなるのかは分かりませんが…)、ひょっとしたら肥料が足りないのかもしれません。

 さて、以前、「一度咲いたとはいえ、何方か花の咲かせ方をご存じの方がおられましたら是非こちらまでご一報を」とお願いしましたが、2014年春に2年ぶりに花を咲かせました。そんな中で開花に向けて少し分かったことがありますので以下に記しますと、

  • 強行線は苦手で、30%~50%の遮光が有効。
    特に夏の強光線下では株本体の色が鳶色になって成長を止めてしまいます。
  • しかし、1年を通じて良く日の当たる所に置く(夏場も遮光した日光ができるだけ長い時間当てる)。
  • 基本的に株が元気に成長したか、で蕾の数が決まる。
といった感じです。また新たなことが分かればお伝えします。
 



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