種から育てるサボテン

  種からサボテンを育てますと、一段と愛着が湧いてくるものです。これまでも何回かトライしてみましたが、実際に開花まで到ったものもあり、その時の嬉しさというのはまた格別です。
  この度、職場の知人から弁慶柱の種子を頂きました。今は種まきの最適期(*)6/5記でもあり、種から育てながらその様子をご報告していくことにしました。

  弁慶柱らしくなるまでに約50年、花が咲くまで約100年かかるものと思いますが、気長に楽しんでいこうと思います。成長すると20m以上になるものもある超大型のサボテンですが、初めは可愛らしいものですので是非一度お付き合い下さいませ。

2001年6月5日、播種
  サボテンは乾燥地の植物なので乾いた土に種蒔きをするような錯覚をしそうですが、実際には全く逆でたっぷりと水を含んだ清潔な砂(清潔であれば特に普通の土でもOKです。私も今回は土でトライしています。)に蒔きます。土は被せません。無造作に種をばらまくいてもかまいませんが、予め1cm位の間隔をあけて蒔いておくことをお勧めします。この方が、後に必要となる植え替えの時に作業がし易くなります。土を乾かさないようにするために蓋付の透明な容器に入れています。
  サボテンというと、カンカン照りの太陽の下で育っている、という印象がありますが、この点も逆で最初の1年くらいは直射日光には当てないようにします。当てると日焼けを起こして枯れてしまいます。逆に言えば、屋内で栽培できる、ということです。

  さて、今は種まきの最適期、と記しましたが、どういう時期が最適期かといいますと、最低気温が20℃を超えた頃です。多少気温が高い分は大丈夫です。真夏に種を蒔いても大丈夫ではありますが、発芽後にどんどん気温が下がっていきますので、まだ充分に大きくならないうちに寒くなってしまいます。幸い(?)屋内で栽培できますので、温度を確保することはさほど難しくはないかも知れませんが、明け方の冷え込みには注意して下さい。

2001年6月8日、発芽
サボテンの芽
 3日後、発芽が始まりました。サボテンの発芽率は高く、一説には100%という話も聞いたことがあります。ただそれは種子が新鮮な時の話で、時間が経つと共に低下していくようです。今回蒔いた種は、購入時期が今年(2001年)2月で、購入時既に採取してからある程度時間が経っているはずですから、もうそれなりに古くなっているものと思います。
 で、今回の発芽率ですが、約10%位でした。写真で見ると大きさが分かり難いですが、白の根っこの部分で約3mm位です。

2001年6月11日、双葉
双葉がでました
 更に3日後、綺麗に双葉が開きました。サボテンは分類学的に言えば双子葉植物です。つまり、発芽後に双葉が出ます。更に、サボテンは草か木か?と言えば、サボテンは木です。とはいえ、たっぷりと水を含んだ茎はどちらかと言うと草に近い感じです。生まれたばかりではありますが、既にサボテンの特徴である“茎に水を溜める”能力を持っていることが分かります。

2001年6月13日、本葉
本葉がでました...といっても実際は刺座(アレオーレ)ですが
 本葉が出ました...と言いたいのですが、サボテンには葉がありませんから、いったい何が出るのか?というとそれはです(写真、白矢印)。もう少し正確に言うと、刺の座布団であるアレオーレ(刺座)です。よく「刺は葉っぱが変化したもの」といわれますが、何となく頷ける気がします。
 写真のもので高さが約5mmですので、刺が出た、といってもまだまだゴマ粒にも満たない大きさで、まるでメリケン粉をこぼしたのと見まごうほどです。
 因みに、11日の写真と比べて株全体のの部分が増えているのが分かります。ストロボによるハレーションの影響もありますが、実際、これから徐々に緑も濃くなっていきます。

2001年6月15日、刺が!
刺が出ました
 アレオーレが出たら、その次は当然予測できるかもしれませんが、か細い刺が出てきました。心持ちか、もより濃くなってきたような気がします。刺が出てきた、と言っても、まだ本来の姿からはほど遠い形をしています。今後どのように変化していくのか楽しみです。

2001年6月18日、しっかりとした刺が
刺がしっかりとしてきました
 ヒゲ?トゲ?といった感じだった刺が、はっきりと刺の形になってきました。
2001年6月21日、イボ?
アレオーレが3つに分かれてきました
 アレオーレが分かれてイボの形になってきました。

2001年6月28日、イボが割れた!
アレオーレがはっきりと4つに分かれてきました
 アレオーレの部分が盛り上がってきました。小さいながらもはっきりとイボの形が見えてきました。
2001年7月12日、立派な刺!
立派な刺が出てきました
 サボテンらしいしっかりとした刺が出てきました。

2001年8月7日、盛り上がってきました
中央部が盛り上がってきました
 中央の部分がまるで良く焼けたお餅のように大きく盛り上がってきました。
2001年10月23日、針山のようになってきました
針山のような刺
 中央の部分が更に盛り上がり、正に針山です。ちょっと茶色くなってきたのが気になりますが...少し乾燥させてしまったことが原因かもしれません(別の鉢は乾燥させなかったので綺麗な緑色のままです)。でも元気に新たな刺を出してますので大丈夫だろうと思います。

2002年8月17日、成長を再開しました
中央部がどんどん盛り上がり始めました(2002年8月6日撮影)
 その後暫く全く成長しなかったのですが、試しに植え替えてみましたところ、中央の部分再びがどんどん大きく盛り上がり、株の色も緑色が戻ってきました。成長を再開させたようです。\(^^)/
2003年3月28日、外気に当て始めました
順調に育っています。(^^)
 ゆっくりではありますが、一応順調に育っています。だいぶん大きくなってきましたので“保育器”(透明な容器)から出すことにしました。まだ直射日光には当てていません。日光に当てるのはもう少し先にしようと思っています。

2003年9月10日、多少の乾燥も大丈夫に
それなりに大きくなってきました。今は背丈21mmくらいです。(2003年9月10日撮影)
 一応順調に成長しています。最近は用土の表面が乾いてから水やりをしています。この程度になると水やりではほぼ普通のサボテンに近い扱いができると思います。直射日光はまだ避けた方が良いと思いますが、徐々にならしていく方が良いでしょう


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