「高校生に到達度検定」報道をめぐって
7月14日付の朝日新聞が1面「高校生に到達度検定 文科省検討 大学入試に利用も」ととりあげました。
7月13日の教育課程部会で文科省が提案したとあります。
提案はつぎが全文です。ここにあるよう固まったものではありません。「到達度検定」という呼称は朝日の判断です。なにも決まっていないので、その呼称(見出し)がまちがっているともいえません。
「(2) 高等学校の段階の学習到達度の評価は、本来高等学校が行うべきであるが、結果として大学入学者選抜に依存している状況がある。高等学校自身、あるいは第三者機関が、高等学校での学習成果を適切に評価し、それを大学が選抜資料として広く活用するための仕組みを構築することも、課題として考えられるが、どのような仕組みや工夫が考えられるか。」
直接には上記の提案が、記事に該当します。その前の (1) も関係します。
「(1) 大学入試の学力検査において、思考力、表現力等を含めた総合的な学力を問うなど、高等学校以下において教育の目標としている学力に関する考え方との整合性を一層重視する必要があると考えられる。高等学校における幅広く調和の取れた教育を進めるため、大学入学者選抜において生徒の高等学校での教育活動の成果を適切に評価するための工夫改善をどのようにすすめるべきと考えるか。」
小中高とも、知識だけでなく、思考力、判断力、表現力を重視するのが改訂の大方針です。全国学力テストでも、知識の問題とは別に活用の問題も出したし、国際学力調査でも活用出題がある、だから、高校だってそれにそった評価をするよう、システムを考えないといけない、というものでしょう。
PDCAサイクルの、Cは全国学テで小中は確保したが、高校はまだないので、未履修を口実に、その制度を模索し始めた、といえます。
そ の資料を、教委連がPDFにしてサイトの資料ページに掲載しています。
7月2日教育課程部会の資料6「教育課程の基準の見直しと併せて検討すべき事項に関する論点案」がそれです。A4の2枚ものの、2ページ目の後半(2)です。
「朝日」は13日の教育課程部会に提案したと書いていますが、同じものです。
2日の部会にすでに提案していました。
【ver.2 8月19日】
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