学習指導要領の改訂 どうなの 本文へジャンプ



  「新たな研究開発学校制度の創設」

 9月18日開催の教育課程部会に出た、「教育課程部会におけるこれまでの審議の概要(検討素案)」の第4次案で注目されることのひとつは、「教育課程編成・実施に関する現場主義の重視」の項で、「新たな研究開発学校制度の創設」をうたったことです。 (42〜44ページ。その3ページだけのPDFファイルは →こちら

            (9月25日の教育課程部会では、叙述が少しわかりやすくなるような変更がありました)

 それは、「特例措置として学習指導要領によらない教育課程の編成・実施を可能とする」制度です。

 「新たな教科の創設など特例措置を講じてでも創意工夫を図りたいという構想とそれを実現する具体的な手段を有する学校や設置者からの申請を一定の要件と手続きの下審査し、特例措置を認める仕組みを検討する」ものです。

 それは、これまであった、研究指定校の制度や、構造改革特区の制度ともちがいます。

 文科省が課題を示す研究開発学校制度(いわゆる研究指定校)や、地方自治体が申請し、総理大臣が文科大臣の同意を得て認定する構造改革特区=構造改革特別区域研究開発学校設置事業(いわゆる「特区研発」)とちがい、「学校や設置者」が構想し申請します。

 「特区研発」は、2006年4月の閣議決定で、2007年制度改正、2008年実施を目途に、「特区制度を活用しなくともこのような特例措置が実施可能とすること(いわゆる全国展開)とされている」。

 これは、特区研発のように内閣総理大臣が認定するのでなく、文部科学省が審査、認定することで可能になるよう、閣議決定で求められている、とします。

 その特例措置を文科相が認否する関与は必要最小限と求められていることを指摘しています。

「例えば、文部科学大臣が」、学校教育法の目標、学習指導要領の各教科の目標、内容との適合性などの「要件を満たすと認める場合には」可能にする、とします。かなり条件を緩和すると読めます。

 この制度を創設するもうひとつの事情も指摘します。

 内容は学校に委ねる総合の時間の減、内容が学習指導要領で定められている「主要」教科の時間増など、今回の改訂は「現行学習指導要領よりも共通性が高められていることからも、このような特例措置が求められる」とのべます。

学習指導要領でのしばり(共通性)が改訂で増えるので、学校の創意工夫がやりにくくなったとならないよう、やる気のある学校に創意工夫の道を用意する、というもののようにみえます。


                                             (ver.2 9月26日)

9月18日「教育課程部会におけるこれまでの審議の概要(検討素案)」の第4次案は →こちら (教委連サイト)

9月25日「教育課程部会におけるこれまでの審議の概要(検討素案)」の第5次案は →こちら (教委連サイト)


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「授業と学びの性格を変える学習指導要領の改訂」