usa CINEMA DAYSusa

映画が好きと言っても映画監督とか俳優にこだわるほど詳しいわけでもなく
観るのがとりあえず好きという程度
こむずかしいことは全然わかりません(笑)
そんなうさぎが映画館やCATVで観た映画について新作、旧作織り交ぜて
しかもジャンルにまったくこだわらずツラツラと書き連ねてるだけのページ(^_^;
ま、みなさまのレンタルするか、しないかの基準ぐらいになれば……


めぐりあう時間たち
 ニコール・キッドマンがアカデミー賞主演女優賞を受賞したこともあって映画館は結構お客さんが入っていたけど終演後の反応はまちまち。作家ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』をモチーフにしたベストセラー小説が原作で、そのどちらも読んでいる人が少ない日本人にはわかりづらいストーリーなので、アカデミー賞受賞というトピックスがなければ客を呼ぶのは難しいかも。
 時を超えて三つの時代でそれぞれ企画されるパーティ。ひとつは『ダロウェイ夫人』を執筆中のヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)が姉の家族を迎えるために、ひとつは平凡な主婦ローラ(ジュリアン・ムーア)が夫の誕生パーティを、そしてもうひとつは編集者クラリッサ(メリル・ストリープ)がエイズに冒されている詩人の友人リチャードの受賞パーティを。
 三つのストーリーがパラレルに、複雑に関係を持ちながら進んでいきます。
テーマは、「人は誰のために生きるのか」。原作を読んでいないと、この三人の女性とその周りの人間との関係がわからず、最初のほうで興味を失ってしまうと退屈な映画になるかも。かなりの寝不足状態で映画館に行った私は、想像力フル動員してその人間関係を解き明かそうとして観ていたので退屈はしなかった。でも、最後までローラがなぜそういう行動に出るのかの理由がわからず、ラストまでにそれが明かされるのかと思ったら、ヴァージニアの入水シーンのあとにエンドロールが流れだしたので「えっ?もう終わり?」って戸惑っちゃいました(^_^;。もうちょっと答えが欲しかったな。音楽はすごく良かったです。
おすすめ度:★★ 私は面白かったけど、「観に行ったほうがいいよ」とお薦めできるか?というと微妙。
GO
 直木賞受賞作品の映画化で脚本は宮藤官九郎、監督は行定勲、出演は窪塚洋介や柴咲コウと、それだけで話題性たっぷり。
 杉原(窪塚洋介)は在日朝鮮人。中学までは民族学校に通っていたが、高校は日本の学校に入学した。が、そこでは「在日」とクラスメートから言われ喧嘩に明け暮れる毎日。そんなある日、あるパーティで桜井(柴咲コウ)と出会う。彼女と恋に落ち、初めて大事な日本人を得た杉原は在日としての自分を見つめ直すことになる。
 観てていろいろと切なかった。高校一年のとき知り合い、彼女が結婚して大阪を離れるときまでの間いろんな話をした親友がいた。年齢的には一番多感な時期。でも私が彼女に全部は話さなかったのと同様に彼女も自分が在日であることは高校を卒業するまで話してはくれなかった。でも結婚してから四年間、在日が多く住んでいる町で暮らした私の両親は彼女の住んでる場所、日本姓、両親の職業から気づいていた。朝鮮人に偏見を持つ父は私が彼女を家に連れて来るのを良くは思ってなかった。母はそうでもなかったけど、20歳で結婚して在日が多く住む町に暮らすようになったとき朝鮮人を「怖い」と思っていたらしい。映画の中でも杉原が在日であることを知った桜井は「怖い」と言っていた。この「怖い」という気持ちの元は一体何なんだろう?
 私の親友は日本人の男性と恋愛し、彼の転勤をきっかけに駆け落ち同然に結婚した。そして子供ができたのを機に帰化した。杉原と桜井の恋はどんな結末にいくんだろう?フィクションなんだけど気になる。
おすすめ度:★★★ 青春映画としては甘過ぎ、恋愛映画としては順調過ぎ。それにしても山本太郎って何歳(笑)?
ロード・オブ・ザ・リング
 トールキンの『指輪物語』を映画化したもので三部作が毎年公開されるそうで、これは昨年公開された第一作、「旅の仲間」にあたるもの。昨年のアカデミー賞では4部門獲得したらしい(何の部門か知らないけど(^_^;)。
 遥か昔、闇の王サウロンが作り出した世界を滅ぼす魔力を持つ指輪。激しい戦乱でサウロンが死んだあと行方不明になっていたその指輪はホビット族の手に渡った。そしてサウロンが復活して指輪を取り戻そうとする頃、ホビット族のフロドがその指輪の新たな所有者となる。サウロンの追跡を逃れ村を出たフロドはエルフ族の領域へとたどり着き、その指輪を消滅させるには「滅びの亀裂」と呼ばれる火山に投げ込むしかないと聞く。ホビット族以外は指輪の魔力に己の欲望を抑えられなくなるためフロドは自ら指輪を持って「滅びの亀裂」へ旅に出ることを決意する。
 第一作は序章なので説明的なシーンが多く、旅の仲間をふたり失ってしまう以外にはたいしたストーリーもないんだけど、原作が長編なだけに上映時間が長い!何度か画面に「つづく」って出るのかと思った(笑)。それにしても映画の技術ってここまで進んでるのねと感心。ファンタジーの世界をこんなに違和感なく描けてしまうとは。その昔観た『ネバーエンディングストーリー』とかとは大違い(笑)。
 それにしても、いろんな種族の中でホビット族だけが指輪の魔力に犯されない(長期間持つとそれなりに影響は出るみたいだけど)。このホビット族という存在がすごいと思う。この世界もホビット族ばっかりなら平和に暮らせるんだろうけどな…。
おすすめ度:★★★ 結構ハラハラドキドキで次作も観てみたい。吹き替えで観たんだけど時間が長いのでこれはおすすめの方法。
キリング・ミー・ソフトリー
『さらば、わが愛 覇王別姫』のチェン・カイコー監督のハリウッド進出第一作だそうで。『さらば〜』は結構好きだったので期待して観たんですが…。
 アリス(ヘザー・グレアム)はボーイフレンドと同棲中の普通のキャリアウーマン。ある日信号待ちしているときに偶然手が触れた(押しボタン式信号だった)男性アダムと視線を交わしてから彼が妙に気にかかるようになり、彼が入っていった本屋を覗いたところ再び目があい、そのまま彼の部屋で結ばれてしまう。登山家のアダムとの激しいセックスに溺れていくアリスはボーイフレンドと別れアダムと結婚するが、彼女宛に脅迫状が届くようになってからアダムの過去が気になり出す。
 男性の過去も全然知らずに「出会ってしまった」という感覚で衝撃的に結婚した女性の失敗談てとこでしょうか。一応サスペンス仕立てなんだけど筋はかなり最初のほうから読めて陳腐。火曜サスペンス劇場のほうがよっぽどましって感じ。出演者にもあまり魅力感じないし。
おすすめ度:★ ま、観ても有効的な時間の費やし方にはならないでしょう(^_^;
リトル・ダンサー
 ミニ・シアター系で結構ヒットした作品で、上映中に観に行こうと思いつつ結局忙しくて観に行けなかった(←こんなのばっかり(^_^;)
 イギリスの片田舎にある炭鉱町に住むビリーは11歳。母は病気で亡くなり炭坑夫をしている父と兄、そして少々ボケつつある祖母と暮らしている。炭鉱は現在賃金引き下げを争って長期間のストを決行しており生活は苦しい。ストの集会の関係でビリーが通っているボクシング教室の隣でバレエ教室が練習を始め、惹かれるようにその輪に入って行ってしまったビリー。ボクシングよりもバレエを踊りたい。バレエなんて男のやるもんじゃないと決めつけている父や兄に黙ってバレエ学校に通い始め、先生の勧めでロンドンにあるロイヤル・バレエ団のオーディションを受けることを決心したが…。
 明るい未来を見いだせない炭鉱町。最初はそんな鬱屈した雰囲気が重く流れている。そんななかで結局家族は不器用ながらも互いを思い遣っている。ビリーに対する家族の溢れる愛情がとても後味のよい映画にしてました。ミュージカル?みたいなシーンは不要だと思ったけど(ダンスシーンはバレエだけでいいでしょう)。あと最後のシーンもどうなんだろう?なくても良かったんでは?とは思う。
おすすめ度:★★★★ お父さん、お兄さん、おばあちゃん、同級生、バレエの先生、みんないい味を出してました。
Quartet カルテット
 北野武、大林宣彦、宮崎駿監督などの映画で音楽監督を担当していることで有名な久石譲氏の初監督作品。
 アキオ(袴田吉彦)はある地方都市のオーケストラでコンマスをしている。バイオリンの演奏に関しては若いながらも一流だがオーケストラをまとめるのは苦手。学生時代にもトモコ(桜井幸子)、アイ(久木田薫)、ダイスケ(大森南朋)とカルテットを組んで参加したアンサンブルコンクールも散々な結果に終わった。所属するオーケストラが別のオーケストラと合併することを機にリストラされる前にコンマスをやめたアキオはひょんなことから再び彼らととカルテットを組んでアンサンブルコンクールに出ることになってしまった。最初はまったく音の合わない四人。音大の教授(三浦友和)に紹介された練習を兼ねた仕事で四人は演奏旅行に出ることになった。
 久石監督のインタビューつきで観たんだけど、監督によると日本初の本格的音楽映画を目指したそうな。でも音楽に素人な私の目から観ると爽やかな青春映画。ストーリーは先が読めるし展開も予想通り。その点じゃ面白みがないっていったらないんだけど後味はいい。映像は北野武監督の影響を受けてるかな?という感じ。アイ役の人以外は楽器が弾けないので、とはいえ顔と演奏する手が一緒に画像に映らないんじゃリアリティがないってことで撮影はかなり大変だったそう。
おすすめ度:★★★ 私が観た限りでは演奏シーンは迫力があって退屈せずに楽しめた。

キャスト・アウェイ
 私には何人か、アカデミー賞取るぐらい有名なのになぜかその人の映画をほとんど観ていないという俳優がいます。この映画の主演者のトム・ハンクスもそう。特に理由はないんだけどね。
 チャック(トム・ハンクス)は国際郵便貨物(FedEx)の社員で妻のケリー(ヘレン・ハント)とふたり幸せに暮らしていて、郵便貨物を少しでも多く飛行機に積み、少しでも早く届けることに仕事上の使命を感じている。そんなある日、太平洋上を飛ぶFedExの飛行機がトラブルで海上に不時着し、乗っていたチャックほか搭乗員は海に投げ出されるが、チャックひとりだけ幸運にも(?)ある島へ流れ着いた。が、その島は無人島。しかも助けを呼ぼうにも近くを航海する船もなし。チャックの孤独で過酷なサバイバル生活が始まる。
 海岸に流れ着くFedExの郵便貨物に入っていたドレスやスケート靴をチャックがいろいろ工夫して利用しているのは単純に興味深く面白い。ストーリーはちょっとご都合主義っぽいし展開も見え見えなんだけど、ストーリーどうのこうのじゃなく、結局人は誰かを愛さなければ生きていけないものなんだってことがテーマなんだと思う。流れ着いた貨物に入っていたバレーボールに顔を描きウィルソンと名づけて、まるで人間のように話しかける姿はせつない。愛する人を失い再びキャスト・アウェイしてしまったチャック。彼がこれからどう生きていくか、ラストシーンで遠くを見つめる彼の目には一体何が映ったのだろう。
おすすめ度:★★★ 25kg痩せたトム・ハンクスはまるでトム・ハンクスじゃないようだった(笑)。
オースティン・パワーズ ゴールドメンバー
 私はアメリカのちょっと下ネタが入ったコメディ映画ってのは根本的に嫌いじゃない、というか好んで観るほうなんだけど、この映画はう〜ん…(^_^;ってな感じ。
 公開最終日に人から譲ってもらった無料券で観に行ったんだけど、空いているだろうと予想した映画館は意外と満席。たぶん私たちと同じような無料券最終日駆け込み組が多かったんじゃないかなぁ。映画の前半なんて、その満席の客席から少しも笑いが起こらなかった…。コメディ映画だったよねぇ、これ(笑)?英語の言葉遊びみたいなところが多いので、字幕で観る日本人にはキツイものがあるのは確か。オースティンが「Fuck You」に聞こえた「Fukuko」という日本人名も私にはどうしても「Fuck You」に聞こえなかったし。TOEICの点数、あと100点ほど上げてから観に行かなければ(笑)。
おすすめ度:★ でもミニ・ミーは結構好き(爆)。
Yamakasi
 パリに実在するストリート・パフォーマー集団「ヤマカシ」の超人的運動神経を前面に出したアクション映画。
 夜明け前に、あるアパートのビルの壁をよじ登る7人組のヤマカシ。垂直にそびえ立つ壁をスイスイと登り屋上で朝日が昇るのを眺める。移民である彼らのささやかな楽しみである。住人からの抗議を受けて彼らを逮捕しようとする警察の手をすり抜け、華麗に逃げていく彼らの姿は同じ移民の子供たちの憧れの的でもあるが、ある日重い心臓病を患っている9歳の男の子が真似をして木を登ろうとして落ち重体に陥る。24時間以内に心臓移植をしなければ助からない。ドナーは確保したが貧しい移民では手術費用が工面できない。ヤマカシは彼を助けるため強盗をして金を集めることを決意する。
 フランス映画、そして今はやりのワイヤーアクションとは違うアクション映画で、おっしゃれ〜な感じがするんだけど、フランスでの移民に対する差別が背景にあって、痛快なんだけど軽くないって感じ。
おすすめ度:★★ 音楽がもちょっとカッコよければな〜。
ウォーターボーイズ
 私にしては珍しく見ていた連続ドラマ『ウェディングプランナー』に出てた妻夫木くんが気に入ったので、彼の主演映画だったというこれがTVで放映されるのを待ってました。(なのに『ランチの女王』は見てない^_^;)
 男子校である唯野高校の水泳部は三年生で部長である鈴木(妻夫木聡)ひとりだけの弱小部。プールも荒れ放題。その唯野高校に赴任してきた女教師が水泳部の顧問になったために部員が急増したが、彼女が学生時代にやっていたのがシンクロナイズドスイミングだったことから、なぜか文化祭で鈴木たちはシンクロを披露することになってしまった。
 実話がベースらしいけど、今まで何ひとつ一生懸命にやって報われたことがなかった高校生たちが一念発起、シンクロに打ち込むっていう青春もの。なかなか後味のよい爽やかなストーリーでした。何と言ってもラストのシンクロのシーン。見てて思わず笑顔になっちゃうくらい面白くて素晴らしい。
おすすめ度:★★★ 妻夫木くんが気弱そうな高校生を演じてて、とっても初々しくて◎(笑)。
マレーナ
 前回は「海の上のピアニスト」を撮ったトルナトーレ監督お得意のイタリア・シチリア島舞台にした少年が主人公の映画。
 時は第二次世界大戦勃発の頃、シチリア島に住むレナートは思春期まっただ中の12歳。最近結婚して街にやって来たマレーナ(モニカ・ベルッチ)という女性に憧れを抱く。夫は戦地に赴き町外れにひとりで暮らす若くて美しいマレーナは町中の噂の的。男性からは色目を、女性からは嫉妬から来る根拠のない中傷を受ける毎日。夫が戦死して未亡人になってからはますますそれはひどくなり、そして彼女の人生は転がり落ちていく…。
 男性が観ると年上の女性に惹かれる主人公の初恋に共感するところもあるのかもしれないけど、私の場合はこの色ボケ坊主の主人公はどうでもよくて、マレーナの運命に引き込まれました。美人だというだけで知り合いもいない町で孤立し、いわれのない誹謗中傷を受け、生活苦からドイツ兵相手の娼婦に堕ちていく。実際には夫の写真を胸にひとりでダンスを踊るような一途な女性だったのに、誰にも理解されず、誰も助けてくれない。映画の最後に町に戻ってきたマレーナが夫の腕にすがりつくように腕を回し広場を歩く姿には涙が出ました。やっと守ってくれる人と再会できたんだねって。
おすすめ度:★★★ とりあえずマレーナが不幸なまま終わるような後味悪い映画にならずに済んで良かった。
プルーフ・オブ・ライフ
 最近の邦題タイトルは原題をそのまんまカタカナにしているのが多くて工夫がない。この映画も好きなメグ・ライアンが出てるのにタイトルつまんなすぎて公開当時は印象に残らなかったもの。
 石油会社の技師を夫に持つアリス(メグ・ライアン)は現在南米の某国に住んでいる。前の任地であるアフリカで流産した過去から立ち直れず米国に帰りたいと希望しているが、ダム建設に情熱を傾ける夫は理解してくれず夫婦仲はうまくいっていない。そんななか、夫が武装ゲリラに誘拐された。ゲリラとの交渉のためにリスク会社からテリー(ラッセル・クロウ)が派遣されてきたが、石油会社が誘拐保険を打ちきっていたため手を引かれアリスは途方に暮れる。しぶしぶ現地人の交渉人をたてたが、ある日テリーが戻ってきてくれ、ふたりで夫救出のためにゲリラと交渉を続けるうち、テリーはアリスに愛情を持つようになる。
 タイトルけなしたわりに内容はおもしろかった。テリーが戻ってきた理由がわからないけど。ラッセル・クロウって今まで意識して観たことなかっけど、かなり好きかも。スーツを着てるときの英国紳士ふうと人質を救出しに行くときの迷彩服を着ている姿、どっちもステキ(*^-^*)。
 私の元同僚の多くが南米に赴任しているので、この映画の設定は現実味を帯びてるわけです。かつてのペルー大使公邸占拠事件の際も半年以上拘束されたかたいますし。うちの会社は経費削減のために誘拐保険を打ちきってたりしてないと思うけどね(笑)。それにこれはコロンビアがモデルみたいだけど、コロンビアに赴任している人もいないし(というか治安悪すぎ、コロンビア-_-;)。
おすすめ度:★★★★ けっこうハラハラドキドキ。ラストのラッセル・クロウの表情がせつないわ〜。
陰陽師
 夢枕獏の原作も岡野玲子の漫画も読んだことはないけれど、私の住んでいる土地が安倍晴明の生誕地であるということと、あと邦画にしてはヒットしたってことだったので興味が湧いて観てみました。
 鬼や怨霊の存在が人々に信じられていた平安時代。帝の側室に皇子が生まれた頃から朝廷に奇怪な出来事が起こり出す。中将・源博雅(伊藤英明)は強い能力を持つ陰陽師・安倍晴明(野村萬斎)に助けを求める。晴明は皇子にかけられた呪を祓うが、背後には同じく陰陽師である道尊(真田広之)が暗躍していた。
 岡野玲子の漫画をほんの少し見たことがあるけれど、野村萬斎演じる安倍晴明はそこに出てくる安倍晴明のイメージに近いものがありますね。NHKで稲垣吾郎も演じてたけど、野村萬斎のほうが適役でしょう。チープな特殊メイクなどもあったんだけど、映画全体があまり陳腐な感じにならなかったのは真田広之の悪役ぶりに負うところが大きいのでは。
おすすめ度:★★ まずくはないけど、興行収入30億円超える大ヒットになった理由はわからない…。
記憶の音楽-Gb-
 ミュージッククリップなどで活躍している川村ケンスケさん初監督作品ですが、私がなぜこの映画を観たかはおわかりですね?(笑)
 幼少の頃の発熱で聴覚を失ったサイ(松岡充)は父親(寺泉憲)とふたりで穏やかな生活を送っていたが、ある日ピアノに触れ、音楽を知らないはずの彼はあるメロディを奏でる。が同時に彼は意識を失う。偶然サイがピアノを弾く場面に遭遇したピアニストのハツネ(黒澤優)はそのメロディが頭から離れなくなる。そんな時、死因が不可解な殺人事件が発生しカキザキ(本郷功次郎)は真相を追い求める。
 監督本人も言う通り難解なストーリーです。というか、監督が描きたいテーマは朧気ながら見えるけど、一つ一つのエピソードがとっちらかって統一感がなかったという感じ。殺人事件がメインになる後半は「これってホラー映画だっけ?(^_^;」って思ってしまうほど前半と雰囲気が変わってしまって。最後サイが「ハツネ!」って叫ぶのが大きなポイントだと思うのだけど、そのセリフが平坦に過ぎてしまって盛り上がり切れなかったなぁ。SOPHIAの松岡くん初の演技だったから仕方ないのかも。映像はさすがに美しいです。あと、音も好きでした。盲目のピアニストが弾く不協和音の曲は勘弁してって感じでしたが(笑)。
おすすめ度:★★ ストーリーが難解なので前日の睡眠時間が充分でないと速攻で睡魔が襲ってくるでしょう。
ショコラ
 いつの時代のお話なのか?舞台はどこなのか?ちょっと不思議な雰囲気の映画でしたね。
 フランスのある小さな村に強い北風が吹いたある日、赤いコートを着たヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)が娘アヌークとやって来て、断食期間である四旬節にも関わらずチョコレート店を開店した。代々村長をつとめるレノ伯爵は日曜のミサにもやって来ないこのよそ者の存在が面白くないため、村人には店に行かないよう命令するが、客の好みをピッタリ当てるヴィアンヌのチョコレートに、断食期間だから甘いものを食べてはいけないと思いつつ手を出してしまう村人たち。その姿にレノ伯爵は危機感を募らせる。そんなある日、村の川岸にジプシーがやってくる。
「排他」より「許容」をっていうのがテーマだったような気がします。ジプシー団のリーダーを演じていたジョニー・デップがカッコいい♪ジョニー・デップに限らず役者さんみんなが個性的で憎めなくて、しかも出てくるチョコレートはおいしそうだし(笑)、幸せな気分になりました。
おすすめ度:★★★★★ すごく後味がいい映画。ハッピーになりたいときにおすすめ。
陽はまた昇る
 ただ券があるよ〜と言われなければ多分自分から観に行こうって気にはならなかっただろうな〜。時代も背景もオジサマ向けかも。
 日本ビクター(出てくる企業名はすべて実名)に勤める加賀屋(西田敏行)はビデオ事業部横浜工場に事業部長として異動させられる。時代は右肩上がりの経済成長がストップした昭和40年代後半。不採算部門であるビデオ事業部にも人員削減の命令が本社から出される。加賀屋はその命令に反し人員を削減しないばかりか、独断で家庭用VTRの開発を技術者に命じた。ソニーのベータに遅れて出来上がったVHSを日本ばかりでなく世界中の統一規格にしたいと強く思う加賀屋は通産省や本社に逆らい、親会社である松下電器の松下幸之助相談役(仲代達也)に大阪まで直談判しに行った。松下電器がどちらの規格を採用するかによって自分たちの浮沈が決まる…。
 NHKの人気番組プロジェクトXで紹介されて評判だったエピソードの映画化。期待してなかったわりには退屈しなかった。リストラの嵐吹きまくる今の時代において、その矢面にたたされるオジサマ方には希望を持たせるものなのかもね。とは言いつつやはり時代が違うのよね〜と思わずにはいられない。VHSがVideo Home Systemの略だったとは初めて知りました(^_^;
 今回は映画より映画館の印象の方が強烈。外観はきれいに改修されてたみたいだけど中に入ってビックリ。そして上映中に通路を猫(かイタチ?)が走ったのには驚きを通り越してしまいました。興味のある方は大阪千日前の国際シネマへ(笑)。
おすすめ度:★★ とにかく西田敏行が熱い(笑)。『釣りバカ日誌』とは大違い。
少林サッカー
 ただ券があると誘われてのこの映画、『ニューヨークの恋人』試写会を観に行ったときに予告を観て面白そうだったので行ってみたのだけど、レディースデイでもない木曜日は空いていると思っていたのにさすがにW杯開催中、結構客が入っていてビックリ。
 ストーリーは…といってもたいしたストーリーじゃないんだけど、八百長試合がきっかけで「黄金の右足」を故障させられた元サッカー選手が20年後に少林寺拳法の修行をつんだシンとその兄弟でサッカーチームを作り全国大会を勝ち進んでいくといったもの。まったく、いい意味でこんなバカらしい映画をよく作ったもんだな〜と感心。高価なCGをそんなふうに使っちゃっていいの(笑)?そのCGもハリウッド映画のCGと違って笑えるもんね〜。
 ただ、ひとりの人間を大勢の人間が殴る、蹴る(しかも凶器を使って)シーンが多いのがどうもね〜。元々コメディ映画なんだから、そんなシーンも笑えるもんになってて欲しかったけどリアル過ぎて観てるこっちも痛くて興ざめでした。
おすすめ度:★★ お金払ってまで観に行くかってことになったら観に行かないだろうな〜(^_^;
僕たちのアナ・バナナ
 公開当時(2000年)に観てたら良質の恋愛映画、あのテロが起こってしまった今観ると、人種や宗教を超えた人のつながりをこの映画に感じます。
 ニューヨークに住むブライアンとジェイクは幼なじみの同級生。小学校6年のときに出逢った女の子アナと大親友になり、いつも三人で遊んでいたがアナがカリフォルニアに引っ越して別れてしまうことになった。そして16年後、アイルランド系のブライアンはカトリック教の神父に、ユダヤ系のジェイクはユダヤ教のラビにと、それぞれ聖職者になっていた。そんなある日、アナが仕事でしばらくニューヨークに滞在すると連絡があり、16年振りにアナに会う二人はウキウキ。再び三人の楽しい日々が始まるが…。
 主演三人とも初めて観る(と思う)役者さんで、ブライアン役のエドワード・ノートンの初監督作品だったらしいけど、ウィットに富んでるしテンポも良くて楽しめました。アナに恋した二人がそれぞれ結婚できない神父、同じ宗教の女性と結婚しなければならないラビであるということで普通の三角関係とは違ったましたね。
おすすめ度:★★★★ ふたりの説法が型破りで面白い。ホントにこんな神父&ラビがいれば楽しいかも。
スペースカウボーイ
 私は高校生の昔から渋好みです(笑)。この映画は70歳近い、おじさんというよりおじいちゃん(←渋すぎっ?(^_^;)の4人が主役ってところがまずいいですね〜。
 旧ソ連の通信衛星の誘導装置が故障し、軌道を外れ地球に落下する恐れが出てきてしまったが、この誘導装置はかなりの旧式で、設計した本人しか修理できそうにない。そこでNASAはその設計者フランク(クリント・イーストウッド)に修理方法を教えて欲しいと要請するが、フランクは自分が、そして40年前に宇宙へ飛び立つはずだったチーム・ダイダロスが宇宙へ行き、その誘導装置を修理することをNASAに要求した。そして今はそれぞれ別の職業についているチームのメンバーを集め始めた。
 4人のおじいちゃんがNASAの若手の宇宙飛行士に張り合って訓練に励んだり、恋愛でもまだまだ現役なところを見せるのが微笑ましい。後半は実際に宇宙に飛び立った4人がいろんな問題にぶち当たり前半のほのぼのさとは打って変わって急展開。大気圏突入シーンで『機動戦士ガンダム』を思い出してしまった私って…(^_^;
おすすめ度:★★★★ 泣けました。ラストはクリント・イーストウッドのロマンチストぶりが…。
ハッシュ!
 招待券をもらったので、あまり期待はせずに観に行ったら結構面白かった(*^-^*)。『渚のシンドバッド』の橋口亮輔監督(そういえばTRにも出演してたっけ?)の五年ぶりの作品だそうで。
 直也(高橋和也)と勝裕(田辺誠一)はゲイのカップル。勝裕はゲイであることは隠していて、同僚の女性につきまとわれても優柔不断で振り払えない。でも、それなりに直也とうまく同棲生活を送っていた。そんなある日、たまたま傘を貸した朝子(片岡礼子)に「結婚とかじゃなく、子供が欲しい」と唐突に頼まれる。勝裕がゲイだと知っていての発言だ。そして、直也、勝裕、朝子三人の奇妙な関係が生まれていく。
 人と人のつきあいは難しい。それが家族だとしても。人とのつきあいに疲れ切った朝子が「子供を産む」という目的意識を持って、絶対に恋愛関係になるはずない男ふたりとの関わり合いの中で変わっていく。そして、その男ふたりも朝子に振り回されながらも妙な感情を彼女に持ち出す。実の家族に感じたこともないような、家族以上の感情を。ラストはこれといったオチもないけど、なんとなくホッとさせられました。
 俳優さんがみんな個性的で、それも観ていて面白かった。私的には思い込みの激しい同僚女性(演じてた人の名前がわからない(^_^;)と秋野暢子が特に怖くて(?)良かったな〜(笑)
おすすめ度:★★★★ 2時間半はちょっと長いかも。2時間ぐらいに収まるともっと良かったな。
ニューヨークの恋人
 そのキュートさが大好きなメグ・ライアンの新作を試写会で観てきました(^^)v
 1876年のニューヨーク。英国の独身貧乏貴族レオポルド(ヒュー・ジャックマン)はお金持ちの花嫁を探すためにアメリカへやって来た。その花嫁を決める舞踏会が開かれた夜、ひょんなはずみで2002年にタイムスリップし、キャリアウーマンのケイト(メグ・ライアン)と出逢う。レオポルドのことを最初は妙な格好をした役者だと思い込んだケイトだけど、徐々に惹かれ合っていく二人。ところがレオポルドは元の時代へ帰ることに…。
 ヒュー・ジャックマンという俳優さん、ちらしによるとポスト、トム・クルーズの呼び声が高いってことなんだけど、私にとっては初めて見る顔。ちらしの写真ではパッとしない容貌だったけどスクリーンで観ると角度によっては男前に見える(笑)。真っ正面から見るより少し斜めから見るのが◎。
 ラストは、「おいおい、それでいいのか?(^_^;」といった感じ。まぁ、お伽話のラストはいつでも「めでたし、めでたし」なもので、その後の二人の生活なんて想像しなくて良いってことです(^_^;
おすすめ度:★★★ けっこう笑えてロマンティックな気分にはなれます。
ダブル・ジョパディー
「ダブル・ジョパディー」ってのは同じ罪では二度裁かれないっていう法律だそうです。
 夫ニックと息子マティと三人で暮らしていたリビー(アシュレー・ジャッド)は状況証拠から夫殺しの容疑をかけられ有罪の判決を受け服役することになる。が、ある日、息子を預けた親友アンジーが死んだはずの夫と三人で暮らしていることを知る。なぜ?私は陥れられたのか?模範囚の彼女は6年後仮釈放され、保護観察官のレーマン(トミー・リー・ジョーンズ)の元に行くことになるが、その日から彼女は夫と息子を捜し始める。ダブル・ジョパディーを逆手に取って自分を陥れた夫を殺し、息子を取り戻すために。
 逃げるリビーとそれを追いかけるレーマン。なんか「逃亡者」を登場人物の設定をちょいと変えただけという気も(笑)。それなりに筋はおもしろかったんだけどね。
おすすめ度:★★ やっぱり「逃亡者」の方が面白いのよね〜(^_^;
M:I-2
 前作の「ミッション・インポッシブル」はジャン・レノ目当てで映画館に観に行ったんだけど続編はついつい観ないままで…というのも前作がジャン・レノの扱い良くないし内容もいまいちだったもんで(^_^;
 今回はイーサン(トム・クルーズ)が某製薬会社から持ち出された謎の菌「キメラ」を取り戻すといった大筋に、女泥棒のナイア(サンディ・ニュートン)とのロマンスも絡んでという内容で、前作に比べるとスピード感溢れるアクション映画になっていて、さすがジョン・ウー監督という感じ。でもスパイ映画というところが薄まっていて、最後の格闘シーンはあんなに長くなくてもいいんじゃない?と思う。アクションはすごいってわかったからさぁ〜、しつこいってば(^_^;
おすすめ度:★ トム・クルーズのファンなら観る価値もあるのでは?(ファンならもう観てるか…)
スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス
 あのスター・ウォーズの新たな三部作ってことで公開時に話題になったけど、今頃それを観てる私って…。とりあえずエピソード2公開前に観ることができただけでもよしとする(笑)。
 新たな三部作は旧作での主人公ルーク・スカイウォーカーの実は父親だったという悪の権化ダース・ベイダーが主人公で、エピソード1はそのダース・ベイダーことアナキン・スカイウォーカーが辺境の星で母親と二人奴隷生活をしている頃のお話し。若き日のオビ・ワンとそのマスターのジェダイの騎士と出会ったことによって彼自身もジェダイの騎士として見出されるわけなんだけど、なぜダース・ベイダーとなるのかはエピソード2以降に持ち越し。
 こういう映画を観てると映像技術の進歩に驚くばかり。どんな空想の世界だって映像にできちゃうんだもんなぁ。でも、技術によってリアルにできあがった映像は逆に作り物っぽく見えるっていうのも皮肉。
おすすめ度:★★ あくまでも序章。これを観なくてもエピソード2を楽しめそう(^_^;
スパイ・ゲーム
 最初に言っておくと、私はブラピが好きなわけじゃなくロバート・レッドフォードが好きなのです(笑)。映画を観だした大学生の頃、世の中にこんなに「美しい」男がいるものなのかと思わせられたのがロバート・レッドフォードとウォーレン・ビーティで、この二人は私にとって永遠の男前なわけです。
 今日で定年を迎えるCIAのスパイ、ミュアー(ロバート・レッドフォード)は早朝、香港からの電話で起こされる。かつての部下ビショップ(ブラッド・ピット)が仕事以外の単独行動で中国の蘇州刑務所に侵入し捕らえられたとの報せだった。CIA本部に出社したミュアーは当局がビショップを見捨てるらしいことを知る。処刑の時刻まですでに1日を切っている。どうすれば彼を救うことができるの…?
「スティング」「スニーカーズ」を彷彿させる知能ゲームで、テンポも良く全然退屈させないストーリー。スパイが主役なだけに舞台もベトナム、ベルリン、ベイルート、中国とグローバル。ブラピとの共演とは言っても主役はやはりロバート・レッドフォードで、年をとって皺が顔にくっきり刻まれていても、そのスターの輝きは失われていないのです。
おすすめ度:★★★★ 意外に硬派なストーリーは男の人向き。

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