usa CINEMA DAYS usa

映画が好きと言っても映画監督とか俳優にこだわるほど詳しいわけでもなく
観るのがとりあえず好きという程度
こむずかしいことは全然わかりません(笑)
そんなうさぎが映画館やCATVで観た映画について新作、旧作織り交ぜて
しかもジャンルにまったくこだわらずツラツラと書き連ねてるだけのページ(^_^;
ま、みなさまのレンタルするか、しないかの基準ぐらいになれば……


クローサー
 ナタリー・ポートマン、ジュード・ロウ、ジュリア・ロバーツ・クライブ・オーウェンのドロドロ四角関係映画(笑)。
 NYからロンドンへやって来たストリッパーのアリス(ナタリー・ポートマン)は着くそうそう交通事故で怪我をし、新聞に死亡記事を書いているジャーナリストのダン(ジュード・ロウ)が病院へ連れて行く。話す間に惹かれ合った二人は一緒に暮らし始める。数年後、小説を書いたダンのポートレートをフォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)が撮影する。初対面ながら二人はお互いを意識する。ただ、アリスの存在を知るアンナは彼を拒み、ダンははらいせに彼女の名をかたりアダルトサイトでチャットした相手の医師ラリー(クライブ・オーウェン)を水族館へ誘い出す。そこで会ったラリーとアンナはつきあうようになる。数ヶ月後、アンナの個展にダンと一緒にやって来たアリスにラリーは関心を抱く。
 ふたりの間をあっちへフラフラ、こっちへフラフラ。ひとり一途なアリス以外は「あんたら、一体どっちが好きなの!?」って感じで(^_^;。まぁ、男ふたりがそうなのは別によくある話でいーんだけど、アンナがねー、結局どっちの男が好きなのか全然わからない。なんだかなーって感じ。
 ところでこの映画でゴールデン・グローブ賞の最優秀助演女優賞をもらったナタリー・ポートマン、映画観てると、どう考えても主演なんですけど。ギャラとキャリア考えて大っぴらにナタリー・ポートマンのほうが主演女優なんて言うのはハリウッドでもはばかられたかな(笑)?
おすすめ度:★★ ドロドロ恋愛映画のわりにベッドシーンが一度もないってとこが不思議かも。
ジョゼと虎と魚たち
 妻夫木第三弾、一応これが最後。最近の代表作ってところでしょうか。
 恒夫(妻夫木聡)は麻雀屋でアルバイトをする大学生。最近その麻雀屋の客でのもっぱらの話題は朝方に乳母車を押しながら歩いている老婆(新屋英子)のこと。乳母車の中には大金か麻薬が入っているのではないか?というのが客達の予想。ある朝、店のマスターの飼い犬を散歩させていた恒夫はその老婆に遭遇する。乳母車の中にいたのは包丁を振り回す足の不自由な少女(池脇千鶴)だった。自分のことをジョゼと名乗る風変わりなその少女に恒夫は徐々に惹かれていく。
 この映画はかなり好きです。なんて言ったらいいんだろう。愛してるんだけど、一緒にいたいんだけど、でも一緒にいたくない、一緒にいられない。お互い深く愛していても、どうしようもならないことがある。もう二度と逢うことのないふたり。恋愛のせつなさが詰まっています。
 恒夫は天然のタラシだと思う。大概の女性がああいう男性を好きになるんじゃないかな。さりげない言動が女心をくすぐるんだもん(笑)。最後は逃げてしまうところは人間くさいんだけど、道を歩きながら号泣してしまうあのシーンがなければ、かなりのダメ男。でも、妻夫木くんは嫌みなく爽やかに演じてます。ヒロイン役の池脇千鶴もジョゼを個性豊かになおかつ可愛いと観る者に思わせてしまう素晴らしい演技力で演じきってます。
おすすめ度:★★★★★ ひとつ欠点をあげるなら、不要なラブシーン、しつこいぐらい長いキスシーンでしょうか(笑)。
きょうのできごと a day on the planet
 妻夫木第二弾、っていってもこの映画の主演って一体誰?って感じだったけど。
 大学院に進んだ正道(柏原収史)の引越祝いに集まった大学の同級生と、そのうちの一人中沢(妻夫木聡)の恋人真紀(田中麗奈)と中沢の幼馴染みであり真紀の友達でもあるけいと(伊藤歩)の六人は宴会を始める。テレビではビルとビルとの間の狭い壁に挟まれてしまった男(大倉孝二)や、浜辺に打ち上げられたクジラのニュースが報道されていた。
 これといった起承転結もなく淡々と時間軸が進んだり戻ったりしながら、たった一日のそれぞれのできごとが描き出されていく。それぞれがそれぞれにいろんな事情を胸に抱いていて、それをわざわざ人に言ったりしないけれど、どこかでつながっている。それがテーマかな?
 舞台は関西で台詞もすべて関西弁。関西出身でない役者さん達も私が聞いても違和感をほとんど感じない程度に喋っています。ここまでやるには相当の苦労があったでしょうが、関西弁を台詞にするならここまでやらないと、っていう典型。ただ、ロケもちゃんと舞台にしている場所でやって欲しかったなぁ。天王寺動物園が天王寺動物園じゃなかったもん(笑)。クジラが打ち上げられた浜も関西には見えなかったし。撮影許可やら予算の関係もあるんでしょうね。
おすすめ度:★★★ 人によっては退屈でしょうがない映画。評価も分かれるところでしょう。
さよなら、クロ
 WOWOWで今月妻夫木聡特集ってのをやってるので、しばらく妻夫木くん主演映画が続くかも(笑)。
 1960年代、信州のある高校での学園祭の日、学生の一人である木村亮介(妻夫木聡)は登校途中で黒い野良犬に弁当を分けてやった。その犬は学校までついてきてしまい、彼のクラスの演し物だった西郷隆盛の仮装のために用意していた作り物の犬が壊れてしまった代役をやったことがきっかけで学校の用務員室に住み着いてしまった。クロと名付けられたその犬はそれから12年間をその高校で過ごすこととなった。
 実話を元に作られた映画で、1960年代〜70年代の、いろんな意味で人が純粋で余裕のある良き時代の雰囲気が丁寧に描かれていて久々にピュアな気持ちにさせられる内容。
 高校生役も20代後半も無理なく演じられる役者たちはミニシアター系の映画で活躍している面々。ヒロイン役の伊藤歩を見ているとなぜか『スパイダーマン』のキルスティン・ダンストと似通っているところが…。決して美人じゃないというか女優顔じゃないところが(笑)。でも、どこかでこの顔見たことあるなぁと思っていたら以前見ていたドラマ『ウェディング・プランナー』に出てたんだった。そういえば妻夫木くんも出ていたような…。あの頃は特に興味がなかったので印象薄かったんだな(笑)。
おすすめ度:★★★★ 脇役全員が結構キャラ立ちしていて面白い。そして青春時代の恋愛は甘酸っぱいと思い出さされる(笑)。
ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
 とうとう第三作目、完結編です。
 指輪を捨てるための苛酷な旅を続けるフロド(イライジャ・ウッド)。指輪を取り戻そうとするゴラムは邪魔な従者サム(ショーン・アスティン)と仲違いをさせようといろいろ画策する。一方、冥王サウロンは人間の国ゴンドールを攻め込んでくる。アラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)、ガンダルフ(イアン・マッケラン)そして旅の仲間たちはそれを迎え撃つ。
 第二作目同様、戦いのシーンがすごかった。映像美も素晴らしかった。公開時期はあいていたけど三作まとめて撮影しただけあって世界観はまったく変わらない三部作だった。ここまで撮影技術が進むとファンタジーも違和感なく見れるということを証明した点でエポックメーキング的な作品。
おすすめ度:★★★ それにしても上映時間が長い。もうちょっと短くできたいんじゃない?と思うのも確か。
半落ち
 半落ちとは完全な自供ではない、ということらしいです。
 アルツハイマー病を患っている妻(原田美枝子)を殺害したと自首してきた警察官梶(寺尾聡)。殺害に関しては素直に供述するのに、殺害後から自首する日までの二日間の行動に関しては口をつぐむ。現役警察官による殺人事件という特殊性のために、その空白の二日間をそれぞれに埋めようとする警察、検察、マスコミ、弁護士、裁判補佐官、それぞれの人生も巻き込み事件の真相が明らかになっていく。
 原作の小説はミステリーに分類されるようだけど、映画に関して言えばミステリー色はほとんどない。それぞれ適材適所の配役で豪華だなぁと思う反面、ミスキャストだったんじゃない?と思うのは鶴田真由と吉岡秀隆。鶴田真由演じる新聞記者は原作でも女性だったのかな?田辺誠一演じるデスクとの関係はストーリー的に不必要だったし、男性だったほうがしっくりくる。あと吉岡秀隆。私はどうしてもこの人の甲高い声は好きになれない。映画のクライマックスシーンであの声での演説を聞かされて映画自体台無しになった気分。
おすすめ度:★★ 画面的にキレイじゃないからかアルツハイマー病の悲惨さが描かれていなかったのが残念。
オーシャンズ11
 まともに出演料払ったら信じられない制作費になっただろうと思われる豪華キャストが売り物の映画。
 仮釈放中のオーシャン(ジョージ・クルーニー)は早速昔の仲間であるラスティー(ブラッド・ピット)に連絡を取りラスベガスにあるベネディクト(アンディ・ガルシア)のカジノから大金を強奪する計画を持ちかける。難攻不落と言われる金庫破りのために二人はスポンサーと仲間を集め出したが、オーシャンの目的はベネディクトとつきあっている元妻テス(ジュリア・ロバーツ)を取り戻すことにもあった。
 ストーリー的にはありきたりで魅力的かどうかって言うとそうでもないっていうのが正直なところなんだけど、出演者が楽しんで演じてるというのが感じられるのがいいところ。あと、アンディ・ガルシアがはまってて◎。
おすすめ度:★★★ ジュリア・ロバーツって本当になかなかいい役、映画に巡りあわない人だなぁ(^_^;
死ぬまでにしたい10のこと
 23歳という若さで余命二ヶ月を宣告されたアン(サラ・ポーリー)。家族の誰にもそのことを打ち明けないと決心したアンは夜更けのコーヒーショップで死ぬまでにしたいことを思いつくままにメモに書き留める。おしゃれをすること、娘ふたりへのバースディメッセージを録音すること、10年も会っていない刑務所にいる父に会うこと、夫以外の男性と恋をすること…。それをひとつひとつ実行していくアンは今まで感じたことのない充実感を感じるようになる。
 ストーリーは淡々と進んでいきます。余命を宣告されたアンがあまり取り乱すことなく悟ってしまうのは少々気に入らないけれど、時折見せる絶望感に満ちた表情が切ない。夫や娘に対する愛情は今まで以上に感じるのに夫以外の男性と恋に落ちる。この映画の脚本は女性でしょうか?おそらく男性だったらこんな展開にはならないでしょうね。17歳でファーストキスの相手だった男性の子供を身ごもり結婚し、19歳で二人目の子供を産み、清掃員をやりながら失業中の夫を助けている彼女にとって今までの人生はあまりにも色がなかったのかもしれない。
 原題は『my life without me』。映画のラストに画面に出てくるこのタイトルがラストシーンとシンクロして号泣もの。
おすすめ度:★★★★ 邦題もインパクトがあっていいんだけど原題のほうが映画の本質を表現している。
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
 TDLに『カリブの海賊』というアトラクションがあるんだけど、それをモチーフにしたディズニーの実写映画。
 ブラック・オパールという名の船に乗った海賊に襲われた港町で、ある黄金のメダルを持った総督の娘エリザベス(キーラ・ナイトレイ)がさらわれる。海賊たちはそのアステカの黄金を略奪したために呪われた身となり、その呪いを解くためにエリザベスが持っていた最後の一枚と、かつて彼らの仲間だったターナーの血が必要だった。エリザベスを愛する鍛冶職人のウィル(オーランド・ブルーム)と一匹狼の海賊ジャック・スパロウ船長(ジョニー・デップ)はエリザベスを助けるためにブラック・オパールを追う。
 冒険活劇、エンターテインメント映画です。こむずかしいテーマなどありません。少々コメディちっくなところもジョニー・デップのイカレた演技もあくまで子供向け。テンポも良いので楽に鑑賞できるが時間が長すぎるのが気に入らない。この内容なら二時間以内に収めて欲しいところ。
おすすめ度:★★★ 邦題を『カリブの海賊』にしてしまったら完璧なお子様向け映画になって大ヒットしなかったかも。
ボーン・アイデンティティ
『グッド・ウィル・ハンティング』で知的なイメージのあるマット・デイモン主演のサスペンスアクション映画。三部作の小説が原作らしく、続編が2005年正月第二弾で公開予定。
 ある嵐の夜、漁船が背中に銃弾を受けた意識不明の若い男(マット・デイモン)を海から助け出す。一命を取り留めた彼は過去の意識をすべてなくしていた。皮膚に埋め込まれていたマイクロフィルムにあったスイスの銀行口座番号を手がかりにその銀行を訪れた彼は、貸金庫の中に入っていたパスポートから自分の名前がジェイソン・ボーンらしいと知る。金庫の中にはそれ以外に彼の写真が貼られたいろんな国のパスポートと銃が入っていた。一体自分は何者なのか?それを知るためジェイソン・ボーンのパスポートに記載されていた居住地パリに、スイスのアメリカ領事館でビザ申請をしていたマリー(フランカ・ポテンテ)の車で移動する。
 まぁまぁテンポの良い映画だったので集中して見れました。が、最後の詰めが甘いというか、CIAの本当の目的は何だったのかあやふやなままだし、ジェイソン・ボーンが任務を失敗した理由が陳腐。ちょっと納得できないラストでした。
おすすめ度:★★★ ジミー大西なマット・デイモンなんだけど、結構彼の顔好きなんだよなー。
ゲロッパ!!
 辛口映画評論をする井筒監督の作品。他人の作品を腐すからにはそれなりのものを作らないと、というプレッシャーもきっとあったはず。
 収監直前の暴力団親分羽原(西田敏行)のやり残したこと、それは20年以上生き別れとなっている娘かおり(常盤貴子)と再会すること、そして大好きなジェームズ・ブラウンのコンサートに行くこと。弟分の金田(岸田一徳)はその願いを叶えるべく子分たちに「J.B.を誘拐してこい!」と命ずる。けれどJ.B.をよく知らない子分たちが名古屋のホテルからさらったのはJ.B.のそっくりさんだった。
 う〜ん…、こてんぱんに腐すほどではないけれどストーリー展開があまりにも古くさすぎて先が見え見え。前半はそれなりにテンポ良かったけど後半はダレ気味だし。西田敏行のえらくナチュラルな関西弁とダンスを始めとした役者の演技はなかなか良いし、井筒監督の人脈?かトータス松本やナイナイの岡村、寺島しのぶがチョイ役で出演してたりして、それぞれいい味出してるんだけどね〜。関西人向けだっていう意見もあるけど関西人もこれでは笑えません。
おすすめ度:★★ 映画監督は他人の映画を批評するべきではないってことです。
バトル・ロワイアルII〜鎮魂歌(レクイエム)〜
 前作の強いメッセージ色が好きだったけど続編は撮影中に監督が死去、息子が引き続き撮影を続け完成した作品。さて前作の世界観をそのまま持続できているのかどうか?
 前作で生き延びた七原秋也(藤原竜也)は数年後、反BR法のテロ集団ワイルド・セブンを組織し、テロ行為を行っていた。日本国政府は新たにBRIIと呼ばれる新法を制定し、孤島に立てこもるワイルド・セブンに落ちこぼればかり集まる1クラスを武装させ送り込む。七原を殺さなければ生きて帰れない彼らは自分たちの意志に反して戦いを挑まざるを得ない状態になった。
 メッセージうんぬんを語る前に設定にちょっと無理がある。アメリカ(映画の中では"あの国"なんて言われてるけど)がミサイルぶちこめるほど七原たちのアジトははっきりとわかっているし、彼らは大して強力な武器を持っているわけでもなく、軍隊(自衛隊?)もいるのに素人の子供たちを送り込む。さらに男女別にふられている出席番号が同じ生徒がペアになっていて、片方が死んだり一定距離離れるともう片方も爆死する、そんな戦力ダウンとなるルールを作ってマジにテロ集団を撲滅させる気?子供同士を戦わせて大人が楽しんでるとしか思えない。役者が頑張ってるだけにストーリーの陳腐さが残念。
おすすめ度:★★ ラストがね〜。いわゆるハッピーエンドらしきってやつ?この映画にハッピーエンドは必要ないでしょ。
約三十の嘘
 単館系での公開で、観に行った映画館も100席もないところだったけど、さすがに人気のある俳優が出演しているせいか満席でした。
 大阪駅で超豪華寝台特急トワイライトエクスプレスに乗り込む6人の詐欺師たち(椎名桔平、中谷美紀、田辺誠一、妻夫木聡、八嶋智人、伴杏里)。三年ぶりのチームの仕事は大成功したが、帰りのトワイライトエクスプレス内で大金を入れたスーツケースがなくなった。誰がチームを裏切ったのか?詐欺師同士の探り合いが始まる。
 出演者は詐欺師6人の他は車掌とタクシー運転手のみ。トワイライトエクスプレスという密室での会話劇なので役者の力量が試されるというか、下手な役者だと白けてしまう会話もこの面々だと妙にクスリとかニヤリという感じの笑いを誘い、なかなか面白かった。クレイジーケンバンドの音楽はごくたまにうるさく感じたこともあったけれど映画には合っていたと思う。あと衣装。それぞれの一筋縄ではいかないキャラクターに合わせた個性あるいでたちで、それも面白かったなぁ。
 それにしても妻夫木くんは本当に大阪駅にロケで来ていたのかな?見たかったぞ(笑)。あとゴンゾウ(謎)かわいい。
おすすめ度:★★★★ 嘘っていうのは一つ大きな嘘をついたら30個の小さな嘘をつかないと成立しない。名言だ。
ネバーランド
 さすが現在女性に一番人気のジョニー・デップ主演なだけあって忘年会シーズンの金曜日だって言うのに試写会会場は女性で埋まっていました(笑)。
 1903年のロンドン、劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)は公園で未亡人シルヴィア(ケイト・ウィンスレット)とその幼い息子四人に出会う。バリはその四人の少年たちとすぐに仲良くなるが、父を亡くしてから心を閉ざしがちなピーターにイマジネーションの翼を広げることを教えるうちに自らも創作への情熱を呼び覚まされ、少年の頃からいつも心の奥底にあった「ネバーランド」を舞台にした大人にならない少年ピーターパンの物語を書き始める。そんなときシルヴィアが体調を崩す…。
 かなり好きなストーリーで映像も実験的で面白い。ジョニー・デップもいい。今までの役柄と違って地味な格好なんだけど時折出てくるコスプレもファンにはたまらないだろうし(笑)、時には少年のように輝き時にはナイーブな憂いを秘めた目が良かったなぁ。ラスト近くになると会場のあちこちからすすり泣き。号泣って感じじゃないけど気がついたら涙が流れてたっていうじんわりした雰囲気がまた良い。
おすすめ度:★★★★★ ケイト・ウィンスレットが妙に老けたような感じが気になったけど…。
千と千尋の神隠し
 新作が公開されるたびに動員数を更新している宮崎アニメ。好きか嫌いかって聞かれたら「まぁ好き」と言った程度で映画館にまで行く気はない。ていうか、作品の良し悪しとは別のところで、あの露骨な金儲け主義がイヤなんだよなぁ。話題作りの配役(いかにも声優な声が嫌いってのはわかるけど、あまりにもミスマッチでへたくそな俳優を選ぶのはどうかと…)、過去の作品の抱き合わせ便乗販売などなど。
 引っ越しの最中に不思議な町へ迷い込んだ千尋とその両親。両親はその町の食べ物を食べたことによってブタに変わり、千尋は身体が消えかける。寸前のところでハクという少年に助けられた千尋は八百万の神々が入浴しに来る湯屋で千と名前を変え働くことになる。
 中盤から後半にかけて湯屋で一生懸命働いたり両親のことを思う千尋が描かれるんだけど、導入部分の千尋や、千尋と両親の会話からあまりにもかけ離れていて、どうにも感情移入できない。話はまぁまぁ面白いと思うんだけど。もうちょっと声がうまけりゃましだったのかもね。
おすすめ度:★★ 登場するキャラクターは個性的で面白かったけど子供から見ても面白いのかな?と疑問。
シカゴ
 ブロードウェイ・ミュージカルの映画化で正直「今さらミュージカル映画?」と思ったけど、なかなかわかりやすく楽しく仕上がっていて、ミュージカルのほうは見たことないけれど映画化としてはかなり良質なものになっているのでは?
 スターを夢見るロキシー(レニー・ゼルウィガー)が愛人殺しで入った留置所には六人の女殺人犯がいて、その中に夫と妹を殺したスター、ヴェルマ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)がいた。彼女は人気弁護士ビリー(リチャード・ギア)と共にマスコミ操作して注目を集めて無実を勝ち取ろうとしていた。お人好しの夫に5000ドルという大金を集めさせてビリーに弁護を担当させることに成功したロキシーはヴェルマに代わってマスコミの注目を集める。
 出演者三人ともなかなか歌も踊りもイケてて、特にキャサリン・ゼタ=ジョーンズはさすがブロードウェイ出身なだけあって迫力満点。あとレニー・ゼルウィガーのスリムな体は驚き。『ブリジット・ジョーンズの日記』のぷっくりさとは大違い。細いだけじゃなくて腕や背中に筋肉がついてスッキリしていて、どんなことをしたらああいう体になれるんだろう?と思ってしまう。
 ミュージカルシーンは唐突じゃなくてストーリー展開の邪魔を全然しない。ストーリーはそんなに深くはないけどエンターテインメントだからこの程度でO.K.でしょう。
おすすめ度:★★★★★ チャード・ギアってあんまり好きじゃなかったけど、この映画での胡散臭さははまり役。
ぼくんち
 西原理恵子の人気コミックを映画化したもので、なんだか奇妙な人ばかりが住む水平島を舞台にしたシュールな世界に仕上がっていた。
 水平島に住む幼い兄弟一太と二太の家に半年ぶりに母今日子(鳳蘭)が帰って来た。二太がまったく記憶にないお姉ちゃん、かの子(観月ありさ)を連れて。母はすぐにいなくなってしまって、お姉ちゃんと兄弟の三人での生活が始まったが、母が新しい男に貢ぐために家を売ってしまっていたために、かの子は再びピンサロ嬢として働きに出ることにした。かの子に素直に甘える二太と違い、お姉ちゃんにあまり世話をかけたくない一太は島のチンピラ、コウスケ(真木蔵人)の裏の仕事を手伝って小銭を稼ぎ出した。
 原作のコミックも読んだことないけど、映画はなんだかよくわからなかった。ラストも「えっ?これで終わりなの?」って感じで。誰もがみんな顔見知りな狭い島の閉塞感ていうのもベースにあるけど、ずっと都会に住んでる私にはそれがイマイチ理解できないし。たいした事件も起きない淡々としたストーリー展開で、最初から最後までよくわからないまま観てしまった。
おすすめ度:★ 登場人物が関西弁をしゃべってるんだけど、関西にはこんな島ないよねー?
恋愛寫眞
 ドラマ『ケイゾク』や『トリック』が有名な堤幸彦監督作品。ドラマとは違ってタイトル通り(?)ラブストーリーです。
 カメラマンの卵誠人(松田龍平)の元に数年前に別れた彼女静流(広末涼子)から手紙が届く。N.Y.に渡った彼女が今度写真の個展を開くので来て欲しいという内容だった。静流がカメラをはじめたのは誠人とつきあい始めてからだったが、彼女の方が写真雑誌のコンテストに入賞したことが原因で別れたのだった。同窓会に顔を出した誠人は静流がN.Y.で殺されたという噂を聞いて思わずN.Y.に向かっていた……。
 堤監督らしく凝ってるとこは凝ってるんだけど、つじつまの合わないところやご都合主義なところがあって。まぁ、それは良しとするにしても、やっぱり私は広末涼子の演技が好きじゃない。ナチュラルに演じているつもりなのかな?でも私にはとてもわざとらしく見えて、誠人と静流の出会いの前半はもううざったくて、うざったくて。後半ほとんど静流が出てこなくなってからの方が面白く感じた。あと、小池栄子。グラビアアイドルを捨てたあの演技は拍手もの。彼女は少し勉強すれば例えば広末涼子のようなふわっとした役柄もたぶんできると思うけど、広末涼子に今回の小池栄子のような役柄は全然無理だろうなぁ。
おすすめ度:★★ 松田龍平くんて女の子のような顔してるけど、ふとしたときにお父さんにそっくりなんだよねー。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
 実在の10代の詐欺師をモデルにした軽妙なエンターテインメント映画かと思っていたら意外なヒューマン・ドラマ。
 16歳のフランク(レオナルド・ディカプリオ)は両親の離婚がきっかけで家出をし、生活に困って小切手詐欺を思い付く。そのうち彼はパイロットになりすまし全米をあちこち移動しながら多額の小切手詐欺を繰り返し大金を手に入れる。フランクを追うFBIのカール(トム・ハンクス)は彼を追いつめながら目の前でまんまと逃げられてしまう。だがフランクが意外に幼いのではないかと気付いたカールはとうとうフランクの正体を突き詰め、普通の生活に戻りたいと願う彼を徐々に追いつめていく。
 ルパン三世みたいなコメディかな?と思って観たら、そうではなかった。確かに音楽はいいし60年代のファッションやパイロットの制服に身を包むレオ様はかっこ良くてエンターテインメント度は高い。でも地位も財産もなくした父親の元に母親が帰ってくることを望んで必死な少年の孤独をレオ様がとても切ない表情で演じていて胸がギュッとくる。実はレオナルド・ディカプリオはあんまり好きじゃなかったんだけど、この映画でハマったわぁ。もう胸キュン(笑)。
 父親役のクリストファー・ウォーケンとフィアンセの父親役のマーティン・シーンも渋くて名演技。
おすすめ度:★★★★ ラスト近くフランクに向かってカールが言った「You're just a kid!」の台詞には泣けた。
スパイダーマン2
 前作を見て、USJでアトラクションに乗って、すっかりハマった(笑)スパイダーマン。勢いにのって公開中の続編を映画館に観に行ってきました。
 グリーン・ゴブリンとの闘いから二年。ピーター(トビー・マグワイア)は大学に通いながらスパイダーマンとして過ごしていた。MJ(キルスティン・ダンスト)は念願の女優になっていたが自分の方に振り向いてくれないピーターに疲れ、新しい恋人とつき合い初めていた。そして親友のハリー(ジェームズ・ブランコ)は父親の仇であるスパイダーマンの正体を知っているピーターをことあるごとに追求していた。そんな彼の前に新たな敵ドック・オクが現れた。
 既に三作目の製作が決まっていると聞いていたけど、「えっ?二作目でここまでストーリー進んじゃうの?」って感じが意外。あと、一般人に素顔見られちゃうのはどうかなー?って感じ。でも、前作同様テーマがしっかりしていてユーモアにも溢れ、大画面で見るアクションシーンも素晴らしく、期待どおりの面白い映画で次回作も楽しみ。でも、次回作があの伏線どおりのストーリー展開だったら切ないなぁ。
おすすめ度:★★★★ 悪役の設定がしっかりしていたのでストーリー的には前作より上。
ベッカムに恋して
 タイトルだけ見るとミーハーなベッカムファンの映画?と思いきや女子プロサッカー選手を目指す女の子の青春もの。
 サッカーが大好きなジェス(バーミンダ・ナーグラ)はインド系イギリス人。ところが彼女の両親は保守的なインドの伝統を重んじる人だったのでサッカーに夢中になることをよく思っていない。そんなある日、公園でサッカーをしていたジェスは地元の女子サッカーチームに所属するジュールズ(キーラ・ナイトレイ)に誘われ、ジェスは親に内緒で本格的にサッカーにのめりこんでいく。
『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』もそうだったけど、別の国に移住しても自国の文化をかたくなに守り続ける親への、生まれ育った国になじんだ子供世代の苛立ち、でも身についてしまった親のいうことを守るという文化との葛藤は興味深い。ジェスと監督ジョーとの恋愛も絡めて良質な青春映画になってました。ジュールズも含めた三角関係はイマイチだったけど。
おすすめ度:★★★★ 期待せずに観たけどなかなかいい映画でした。監督もインド人なのかな?
HERO 英雄
『初恋のきた道』のチャン・イーモウ監督が撮ったアクションを主にしたスペクタクル映画。
 秦の始皇帝が中国を統一する前の戦乱の世、秦王(後の始皇帝)の命を狙う刺客三人をすべて殺したという無名(ジェット・リー)という男が王に拝謁を願い出た。秦王は無名に十歩まで近付くことを許し、どうやって三人の刺客を討ち取ったのか、その経緯を話すように言った。無名が話したストーリーとは……。
 ワイヤーアクションは笑えます(笑)。ストーリーもサスペンス仕立てなんだけど、そんなに深くはない。でも、この映画はかなり好きです。その色使いと様式美はある意味チャン・イーモウ監督のハリウッド映画に対する挑戦でしょう。無名が話す内容によって変わっていく衣装の色。どの色を身に付けても妖艶なマギー・チャンはまさにチャイニーズ・ビューティ。チャン・ツィイーの幼さが際立って仕方がない(^_^;
おすすめ度:★★★ アクション映画だと思って観たら退屈だろうな。くるくる回ったり、ある意味面白いけど。
陰陽師II
 前作が大ヒットしたので、やはり作られた続編。今回の悪役は中井貴一。ほかの出演者は第一作と同じ。
 京の都に鬼が現れ次々と人が食われていく。朝廷の命でその鬼の正体、謎を解こうとする安倍清明(野村万斎)。裏には大和の国に滅ぼされた出雲の国の恨みがあった。
 アマテラスやスサノオの神話を絡めていて前作よりファンタジー色が強かった。続編が前作よりおもしろいってのはいうのはなかなかないけど、これもそのひとつで。悪役が徹底して悪役じゃないっていうのも面白みを欠けるなぁ。勧善懲悪でいったほうがいいと思う。
おすすめ度:★ 野村万斎の女装ってのはわたし的にはいまいち。ファン的にはどうなのかしらん?
ドラゴンヘッド
 実は試写会の券が当たってたんだけど都合で観に行けなかった作品。目当てはもちろん妻夫木くん(笑)。
 修学旅行帰りの高校生を乗せた新幹線が事故に遭遇しトンネル内に閉じ込められた。乗客のほとんどは即死するがテル(妻夫木聡)、アコ(SAYAKA)、ノブオ(山田孝之)の三人だけが生き残る。救助は一向に現れず、ノブオは精神的に冒され狂気へと進んでいく。彼から逃れるようにテルとアコは地上に脱出するが、地上は白い灰が降る荒廃した地となっていた。砂漠をさまよった二人はある町にたどり着くが暴徒と化した人々に殺されそうになり仁村という男に助けられる。世界は一体どうなってしまったんだろう?家は?家族は?
 いわゆる天変地異のパニックもの。お金のない邦画としてはよく出来ているほうだと思う。役者も頑張ってると思う。でもSAYAKAをヒロインにもってきたのはどうかと思う。彼女の台詞は何を言ってるんだか全然聞き取れなかった。編集でもうちょっとなんとかなんなかったのかと思うほどひどい。暗いストーリーのなか彼女が救いのような存在だったと思うんだけど、役不足という感じ。
おすすめ度:★ 希望がないストーリー。ラストシーン、テルは前向きなんだけどね、希望は感じられない(^_^;
スパイダーマン
 ご存じアメリカンコミックの映画化で全米大ヒット作品。
 おじとおばと暮らしている高校生のピーター(トビー・マグワイア)は学校ではいじめられっ子。六歳の時に隣に引っ越してきた同い年のMJ(キルスティン・ダンスト)にずっと片思いなくせに声ひとつなかなかかけられない。そんなある日、遺伝子操作された蜘蛛にかまれて超人的な能力を身に付けることになった。最初はそんな力がついたことが面白く調子に乗りつつあったが、おじを亡くしたことをきっかけにスパイダーマンとしてN.Y.でその力を人々を助けるために使い出す。
 アメコミかぁって感じで最初は見る気がなかったんだけど日本じゃアメコミはヒットしないというジンクスを破って大ヒットしたので、ちょっと見てみるかと思って見たら結構面白かった。あんまりヒーローものしていなかったこととテーマがしっかりしてたからかな。「大いなる力には大いなる責任が伴う」、そんな言葉と共に成長していく、どちらかと言えば情けないピーター、それを核に持ってきてるのが良かったかな。
おすすめ度:★★★ 悪役の悪役たる理由というか存在感がもっとしっかりしてたら、もっと面白かったかも。

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