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映画が好きと言っても映画監督とか俳優にこだわるほど詳しいわけでもなく
観るのがとりあえず好きという程度
こむずかしいことは全然わかりません(笑)
そんなうさぎが映画館やCATVで観た映画について新作、旧作織り交ぜて
しかもジャンルにまったくこだわらずツラツラと書き連ねてるだけのページ(^_^;
ま、みなさまのレンタルするか、しないかの基準ぐらいになれば……


21グラム
 タイトルの『21グラム』は人が死んだらそれだけ体重が減る、つまり魂の重さ、ということらしい。
 重い病で心臓移植を待つ余命短い大学教授のポール(ショーン・ペン)、夫と二人の娘と幸せに暮らすクリスティーナ(ナオミ・ワッツ)、信仰に没頭することで更正しようとする前科者のジャック(ベニチオ・デル・トロ)。なんの関係もないこの三人がある事故をきっかけに近づいていく…。
 三人の演技が素晴らしいです。特にナオミ・ワッツ。ハリウッド版『リング』の主演女優ということで初めて名前を聞いた女優さんで、演技を観るのはこの映画が初めてだったけど、いい具合に美人で、いい具合にだらしなさそうで、いい具合に地味(笑)。
 ストーリーは時間軸が最初から最後まで三人の登場人物の現在や過去を行ったり
来たりするので、最初は集中力を持って観ていかないと何が何だかわからない状態になりそう。でも、その何の関係もなさそうなシーンが次第につながっていくのは観ていてかなり面白い。
★★★★ テーマは暗いけど、もう一度観てみたいという気にさせる。でもラストはちょっと納得いかないかも。
アイ、ロボット
 アイザック・アシモフ作のSF小説『われはロボット』をモチーフにした近未来SFアクション映画。
 ロボットが人類社会のあちこちにあたりまえに存在するようになった2035年、あるロボット工学博士が自殺した。彼と生前交流のあったスプーナー刑事(ウィル・スミス)はその死因に疑いを持ち捜査を始める。ロボット嫌いの彼は博士と最後まで一緒にいたロボットに目をつけるが…。
 アイザック・アシモフが提唱したロボット三原則、1,ロボットは人間に危害を与えてはいけない 2.ロボットは人間から与えられた命令に服従しなければならない 3.ロボットは第一条、第二条に反する恐れのない限り自己を守らなければならない が本当にすべてのロボットに守られるのか!?そんな疑いから始まるサスペンスとも言えるし、スプーナー刑事とロボットのサニーとの友情物語とも言えるし。
 ウィル・スミスを別に好きでもなく、中学生の頃に海外のSF小説が好きでアシモフもよく読んだから興味があって、という理由から観たけど、まぁまぁって感じでしょうか。可もなく不可もなく…。
★★ ヒロインがいまいちパッとしないというか、ウィル・スミス以外は有名どころ出てないし。ロボットのCGに金がかかったか!?
真夜中の弥次さん喜多さん
 クドカン初監督作品。
 男らしい弥次さん(長瀬智也)とヤク中の喜多さん(中村七之助)は恋人同士。江戸から「自分探しの旅」お伊勢参りへ出発した。笑いを取れないと通れない関所、オンチな歌で名物の富士山を曇らせてしまう娘のいる茶屋、アーサー王が売るとろろ汁。二人の旅は一体どこへたどり着くのか!?
 シュールです、テンション高いです。見る人によって好き嫌いが分かれるでしょう。私はこういう世界、嫌いじゃないですけど演じる役者は大変だったでしょう。でもさすがクドカン、かなりの豪華キャスト。クドカン常連の役者もそれぞれ面白かったけど研ナオ子や竹内力、板尾、山口智充、小池栄子が良かったなぁ。あ、中村勘九郎も出てたな。よく出たなって感じの役だったけど(笑)。
★★ 喜多さんの「リアルじゃねぇなぁ」の台詞が甘っちょろく聞こえるのは私だけ!?
69 sixty-nine
 村上龍原作、クドカン脚本、妻夫木くん主演とくれば結構な話題作。公開当時にヒットしたのかどうか記憶にはないけれど。
 1969年、長崎の佐世保。高校生ケン(妻夫木聡)の頭の中はエロとロックと好きな女の子のことばかり。計画性がないわりに行動力だけあるケンはある日フェスティバルを思いつく。フェスティバル用の映画に学校一のクールビューティ、レディ・ジェーン(太田莉菜)を主役にすることで彼女と仲良くなりたいという一心だけで。ところがカメラを借りる経緯でなぜか学校をバリ封(=バリケード封鎖)することに。そんなケンに同級生のアダマ(安藤政信)たちは巻き込まれていく。
 ケンの単純さ、やんちゃさ、情けなさはまさに青春の甘酸っぱさ。少々デフォルメはされているけど、どこの学校にもこんなバカなやつがいたのが1969年という、あの時代だったのかも。高校生のセックスシンボルが奥村チヨだったり、11P.M.や平凡パンチが流行りのアイテムだったり、この辺りはさすがに時代感を感じてついて行けなかったけど(^_^;
 ちょい役で出ていた新井浩文、妻夫木くん主演の映画で彼を観るのは三度目。(『ジョゼと虎と魚たち』『さよなら、クロ』)映画界での若手脇役としてひっぱりだこということだろうか。顔は全く好みじゃないけど(笑)、妙に印象に残る男優さんではある。それにしても『バトル・ロワイヤル』でもそうだったけど安藤政信くん、きみは高校生には見えませんから(笑)。訛りのきつい男前という役柄はとってもピッタリきてたけどね。
★★★ 決して爽やかではない、エッチや好きな女の子のことだけ頭にある男の子たちのリアルな青春映画。
モナリザ・スマイル
 ジュリア・ロバーツ、好きじゃないのに何故この映画を観てしまったんだろう?今度こそ面白いかも?と知らず知らずのうちに期待していたのかも?
 1953年アメリカの東部。有名な名門女子大に美術の助教授として就任したキャサリン(ジュリア・ロバーツ)は大学の保守的な体質に驚いた。生徒たちは非常に優秀にも関わらず結婚、そして夫の昇進こそが女の幸せと信じ、半数が在学中に結婚していく実態。美術を教えながら生徒に自立を促すキャサリンに保守的な生徒の筆頭であるベティ(キルスティン・ダンスト)は反発するが、共感する生徒も現れ、大学側はキャサリンの影響力を危惧する。
 ジュリア・ロバーツが何故好きじゃないのかって言うと、その演じる人物に共感したためしがないってことなんだけど、今回のキャサリンも同様。旧態然とする50年前のアメリカ東部で革新的な女性、という役柄だったけど、生徒の一人が指摘していたように「自分の基準、考え以外を認めない」独善的な態度に全く共感を覚えない。
★★ キルスティン・ダンストはやっぱり女優顔じゃないと思うけど(笑)、演技はうまいなぁ。
ロボコン
 長澤まさみ、小栗旬、伊藤淳史がブレイク前に出演している青春映画(小栗旬ってブレイクしてるよね?塚本高志も実は好きー。『タイガー&ドラゴン』見てたから(^_^;)
 高専に通う里見(長澤まさみ)は赤点を取ったための居残り授業を免除してもらうために第二ロボット部を手伝う羽目になる。第一ロボット部はロボコン(NHK主催のロボットコンテスト)の常連だが、第二ロボット部はその第一ロボット部をドロップアウトした面々ばかり。気の弱い部長(伊藤淳史)や天才肌だが他人との協調性がまったくないメガネくん(小栗旬)、そして滅多に学校に顔を出さないヤンキー(塚本高志)のたった三人しかいないのに、ヤンキーが顔を出さないためロボコンに出場するのが危ぶまれたため顧問の教師が里見を誘い入れたのだった。最初はやる気のなかった里見だが練習試合で負けてから俄然負けん気を発揮しだし、他のメンバーも巻き込んでいく。
 青春映画なんだけど、かなりまたーりとした展開。特にロボコンの様子など、その盛り上がりのなさったら(笑)。いや、これで十分ロボコンとしては盛り上がってるみたいなんだけど。やっぱり青春映画はスポ根が一番やねー。
★★ 途中で退屈して観るのをやめちゃいそうな映画と紙一重な感じが…(^_^;。
Mr. & Mrs. スミス
 実生活でも結婚間近と噂されているとセレブカップルの出逢いとなった映画。
 南米コロンビアで出逢い一目で恋に落ち結婚したジョン(ブラッド・ピット)ジェーン(アンジョリーナ・ジョリー)だったが6年経って結婚生活も倦怠気味。カウンセラーを受けに来る普通の夫婦と思いきや、二人はそれぞれ超一流の殺し屋だということをお互いに隠していた。ところが同じターゲットを殺るときにお互いの正体に気づき、所属する組織のルールに従い壮絶な殺し合いが始まった(笑)。
 久々にスカッとする映画で単純に楽しめた。中盤以降のジョン&ジェーン対組織になってからはちょっとダレたかなぁって感じだけど、その前の二人のキッチンでの緊迫した雰囲気や体を張ったアクションは最高。特に武器を使わず素手で闘うふたりが面白かった。これが出来るのもアンジーならではでしょう(笑)。
★★★ あっという間に時間が過ぎていくようなテンポの良い映画。深く考えずに映画を観たいときにお薦め。
エイプリルの七面鳥
 映画館で予告を観て気にはなっていた作品。そのときの印象としては「地味そう。だけど…」(笑)。
 N.Y.で彼氏と暮らすエイプリル(ケイティ・ホームズ)は今年のサンクスギビングデー(感謝祭)に家族を招待するために料理に取りかかるがメインである七面鳥を焼こうとしたらオーブンが壊れている!七面鳥を持ってアパート内のドアを次々にノックしていくエイプリルだがオーブンを貸してくれる家がなかなか見つからない。その頃エイプリルの家に向かうために車に乗り込んだ家族たち。実はエイプリルは母親とずっとうまくいってなかったが、その母は病魔に冒され余命わずか。「エイプリルとのいい思い出なんか全然ない」と言い切る母との和解はできるのだろうか。
 おそらく、この母親は結構出来のいい人だったのだろう。賢く家事もそこそこ、どちらかと言えば完璧主義者。ところが長女はなぜか出来が悪い。母は娘を愛したいと思い、娘は母に愛されたいと思い。どちらもそれなりに努力するけれど、どうしてもうまくいかない。家族だから、血がつながっているからと言っても合わないことがあるのも事実。血がつながっているからこそ一度こじれると、わだかまりは解けない。でも、そのまま関係が終わってしまうことは辛い。当人同士も家族も。
「そう簡単には普通いかないよね?」と思いながらもホッとできたラストシーン。
★★★★★ 時間も長くなく短くなく、ちょうど良い感じ。派手な演出はないけどジワッと余韻が残りました。
白いカラス
 原題はThe Human Stain。邦題の『白いカラス』は言い得て妙なのか、少々甘いのか意見が分かれるところ。
 ユダヤ人初の古典文学教授、そして学部長となったコールマン(アンソニー・ホプキンス)は学部内の陰謀から、何気なく発した一言で黒人を差別したと糾弾され辞任する。その後すぐに妻のアイリスを亡くし失意の中にいた頃、掃除婦のフォーニア(ニコール・キッドマン)と出逢う。彼女はベトナム帰りの夫の家庭内暴力そして子供の死という辛い過去を引きずっていた。
 コールマンはユダヤ人ではなく、たまたま色が白く生まれた黒人だった。知的だったのに給仕の仕事しかなかった父親、北欧出身の恋人との破局を通して白人になりきったのである。人種差別の疑いも真実を明かせば晴れるはずだったが50年以上もつき続けてきた嘘で成り立った人生をそこで覆すことはできなかった。そんな彼のStainを癒したのは同じようにStainを持ったフォーニア。そして彼女を執拗に追い続けることでバランスを取っている元夫もStainを消せずにいる一人。最後の夜、コールマンはフォーニアに真実を告白したのか?そしてフォーニアはそれを受け入れたのか?
 かなり暗いテーマなんだけど物語は淡々と進んでいく。のわりには引き締まった感じのする映像でした。
★★ 人種差別、ベトナム戦争によるPTSDなどアメリカの暗い部分がベースにあるので、日本人には少々理解できないところもある。
スウィングガールズ
『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督作品。
 野球の応援に行った吹奏楽部に弁当を運んだ補習組の女子生徒達。ちんたら運んだせいで弁当が腐り吹奏楽部は弁当を食べなかった男子生徒一人を残し全員入院するはめに。勝ち進んでいる野球部のために一人残った男子生徒は補習組の女子生徒達に代理で演奏することで責任を取らせようとする。それまで楽器を演奏したことのない女子生徒達は補習をさぼるために了解する。ブラスバンドをするには人数が足りないためビッグバンドを結成したが…。
 映画としては見ていて面白いんだけど、どうしても『ウォーターボーイズ』の二番煎じにしか見えない、残念ながら。登場人物はみんなイキイキ魅力的なのでヒットした理由はわかるけど。この監督、もっと違うもの撮れると思うんだけどなぁ。
★★★ ジャズを楽しそうに演奏する姿、山形弁や田舎のほんわかした雰囲気、それ自体は観ていて大変気持ちは良い。
アメリ
 大ヒットしたフランス映画。どういうわけだか今まで観る機会がなかった(^_^;
 モンマルトルで暮らすアメリ(オドレイ・トトゥ)は夢見がちで引っ込み思案な女性。カフェで働きながら一人暮らししているが恋人も親しい友達も特になし。そんなある日、部屋で見つけた箱を、その部屋の以前の住人だった男の子(今はれっきした老人)にこっそり返したことをきっかけに、他の人に対してもお節介と言えるようなちょっとした干渉をし出した。そのイタズラは彼女をますます空想の世界へと浸らせてしまい、同じアパートに住む老人は心配する。
 なんだか不思議なストーリーなんだけど後味はいい。アメリは夢見る夢子ちゃんで、周りにこんな人がいたら間違いなく私とは話が続かないだろうなぁ(笑)ってなキャラクターなんだけど、その不思議な行動は憎めない。ホットミルクでも飲みながら観たい映画。
★★★★ この映画のファンは女性が大半でしょう。このアメリの不思議っぽさは男性からは×かな(^_^;?
リバー・ランズ・スルー・イット
 ブラッド・ピットの名を一躍有名にしたロバート・レッドフォード監督作品。
 モンタナで牧師の息子として育ったノーマン(クレイグ・シェーファー)とポール(ブラッド・ピット)の兄弟。優等生で真面目なノーマンに比べ自由奔放で少し危なっかしいポール。そんな弟を兄も両親も心配しながらも愛さずにはいられない。だがポールは家族の心配をよそにインディアンであるガールフレンドが原因のケンカや賭けポーカーで警察のやっかいになることもしばしばだった。そして…。
 あまりにも淡々と進んでいくので最初はかなり退屈。テレビなんかで観てたら途中でやめちゃうかも!?優等生の兄とやんちゃな弟っていうのは万国共通なんだぁと思いながら観続けていくとラストがだんだん想像できてくる。それにしてもモンタナの自然は美しく、その中でフライフィッシングに興じる親子三人はほほえましく、そして無邪気な笑顔を見せるブラピはこの映画で人気者になったのは納得ができる。
★★★ ブラピもいいんだけど、牧師のお父さんが渋くて好みだったりするσ(^_^;)はオヤジ趣味!?
ターミナル
 東ヨーロッパにあるクラコウジアという国からニューヨークの国際空港に降り立ったビクター(トム・ハンクス)はイミグレーションで呼び止められる。入国審査官曰く、クラコウジアでクーデターが起こり事実上消滅、彼の持っているパスポートも無効だと。米国への入国も叶わずクラコウジアへの帰国便もなし。仕方なくビクターは空港内で生活をするようになる。
 お金もないビクターが空港内でいろいろ工夫を重ね暮らす模様は結構面白い。人間、せっぱ詰まるとアイディアは次から次へと出てくるもんだ。英語だって上達する。見てるこちらとしてはトム・ハンクスが英語を話せるのは知っているから、最初のたどたどしさがどうしてもわざとらしく聞こえてしまうんだけど、それは映画だから仕方がない。キャサリン・ゼタ=ジョーンズ扮するスッチーとの恋愛話はあんまり必要なかったような気もするけど、それもご愛敬。
★★ ラストはなんとなく納得できない私。えっ、これで終わり!?って感じがしたなぁ。
LOVERS
 チャン・イーモウ率いる『HERO』の制作スタッフ+中国・台湾・香港のアジアンスター豪華共演の超大作。
 唐の官吏である金(金城武)と瀏(アンディ・ラウ)は反乱軍「飛刀門」を一網打尽とするため、頭目の娘である盲目の小妹(チャン・ツィイー)を捕らえたことを機会に、金が反乱兵士のふりをして彼女を連れて逃げ出す。「飛刀門」のアジトに向かって逃避行を続ける二人に朝廷の追っ手が命を狙い迫ってくる。果たして二人は無事に逃げおおせるのか…。
 ワイヤーアクションが『HERO』に比べて格段に見やすくなってました。アクションシーンもかなり格好いいんだけど本質は濃厚なラブストーリー。三人がそれぞれに化かし合い、そして惹かれていく。あと、『HERO』もそうだったけど色彩豊かな映像美には目を見張るものがあります。ただし、最後に草原からいきなり雪原に変わるシーンには驚いた(笑)。ワダ・エミの美しい衣装を強調したかったんだろうけどね。チャン・ツィイーファンは彼女の男装姿に萌えだったでしょう。
★★ 金城武ってあまり好きじゃなかったけど、この映画は○。あの衣装とアクションシーンが格好良く見せたんでしょうね。
シービスケット
 実話がベースとなった話くらいにしか予備知識なく観ましたが、きわめてハリウッド的な映画でした。
 アメリカ大恐慌時代、単に乗馬が好きだっただけで一家離散後に騎手になった青年(トビー・マグワイア)、子供を亡くし妻とも別れた裕福な事業主(ジェフ・ブリッジス)、老調教師(クリス・クーパー)、この三人が見捨てられた暴れ馬シービスケットにそれぞれの夢を託す。そしてシービスケットの躍進ぶりは不況にうちひしがれた人々の希望ともなる。
 どの登場人物もそれぞれ挫折を味わいながら、第二のチャンスにかける。そのあたりがいかにもアメリカンドリーム。と、斜に構えた見方をせずに鑑賞すれば素直に感動できるでしょう。
★ トビー・マグワイアってつくづく暗い顔してますよね(笑)。まぁ、それが役柄にぴったりなんだけど。
スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐
 シリーズ最終作くらいは映画館で観ようかと思って。でも映画館で観ておいて良かったな♪
 このスター・ウォーズシリーズ新作のエピソード1から3は旧作(今じゃエピソード4から6と呼ばれるらしい)での悪役ダース・ベイダーの誕生秘話であるのはいわずと知れたことなんだけど、プロットが起承転結だとすると2まででようやく「承」まで進んだ程度で、その代わりと言っちゃなんだけど3はいきなり「転」から始まるような感じで前2作に比べると随分面白かった。
 何と言ってもアナキン役のヘイデン・クリステンセンが良い。あのキレイな顔が最後はダース・ベイダーになっちゃう、わかっていてもどんなふうに彼が暗黒面に落ちていくのか、スター・ウォーズファンなら興味津々なところ。あのダース・ベイダーの姿が出来上がったときには思わず拍手しそうだった(笑)。
 アナキンが暗黒面に落ちていったのはパドメ(ナタリー・ポートマン)への深すぎる愛情ってのもあるけど、結局のところは妙な予言のせいでジェダイマスターの面々がアナキンを信頼せず、また、ジェダイの掟からは考えられない任務を自分に与えるジェダイマスターへのアナキンの不信感が原因だったわけで、アナキンは誰よりもジェダイだったが故にダース・ベイダーになってしまったのだ。
 なんだか旧作も観たくなってきたけど、今観るとそのちゃちさにガッカリしてしまうのかも(^_^;
★★★★ スター・ウォーズシリーズをまったく観たことない人にとってはちんぷんかんぷんでしょう(笑)。
下妻物語
 ちょっとキワモノかなと思いつつ観てみたら結構はまった(笑)。
 茨城県下妻に住む高校生の桃子(深田恭子)は超ロリータファッション好きで代官山まで二時間半もかけて買い物に行くほど。が、その外見とは裏腹にダメ親父(宮迫博之)のせいで結構シビアな幼少期を過ごしてきた。ある時、洋服を買うためにダメ親父が以前扱っていたバッタモンのブランド品を売りさばこうとして同じ下妻に住む高校生イチゴ(土屋アンナ)と知り合う。彼女は今じゃ珍しいヤンキー娘だった。一見接点のない二人だがイチゴが桃子をどうやら気に入ったらしく二人は行動を共にすることが多くなる。
 主役二人もそうだけど脇役がまた個性的で面白すぎ。ダメ親父はじめ母親役の篠原涼子、憧れのブランド店の社長岡田義徳、伝説の一角獣阿部サダヲ、祖母役の樹木希林。みんな変(笑)。
 超田舎として描かれる下妻はどんな場所か知らないけれど桃子がずっと育った尼崎の描かれ方が知ってるだけに…(笑)。住民のほとんどがヤンキー、ジャージで生まれジャージで死んでいくって言い切ってしまってるだけに住んでる人はどう捉えるんだろう(^_^;
おすすめ度:★★★★★ ハイティーンの女の子二人の友情物語だけど、これは一見の価値あり。あー面白かった。
コールドマウンテン
 南北戦争って聞いて日本人が思い浮かべる映画はまず『風とともに去りぬ』でしょうが、この映画はそれとは全然違う世界観のもの。
 牧師の娘エイダ(ニコール・キッドマン)と大工のインマン(ジュード・ロウ)は会ったときからお互いに惹かれたが、南北戦争が勃発しインマンは兵士として出兵する。インマンと一度だけキスを交わしたエイダは彼を待ち続ける。一方、負傷したインマンは脱走兵となり、エイダの待つコールドマウンテンへと長い道のりを歩き始める。
 エイダ役をやるにはニコール・キッドマンはちょっと年を食いすぎてるような気もしたけど、たった一度のキスでインマンを待ち続ける可憐な雰囲気は醸し出していました。でも、オスカーを取ったレニー・ゼルウィガーや若い未亡人役のナタリー・ポートマンのほうが印象としてインパクトが強かったのは事実。役的にもそっちのほうがおいしいのは明白だったのでニコールにはちょっと気の毒…。
おすすめ度:★★ 二時間半はちょっと長すぎ。ラブシーンはロマンチックだったけどラストはあまりにも安易。
ミスティック・リバー
 クリント・イーストウッドの監督作品は割と好きなのだが…。俳優陣がアカデミー賞を受賞した映画なのだが…。
 少年時代、遊び仲間だったジミー(ショーン・ペン)、デイブ(ティム・ロビンス)、ショーン(ケビン・ベーコン)は一緒に遊んでいるときにデイブだけが誘拐され性的虐待を受けた過去を持つ。その後、自然に疎遠になっていった三人が30代後半に成長したある日、ジミーの19歳になる娘ケイティの死体が見つかった。刑事になっていたショーンがその捜査を担当する。一方、ケイティが殺された夜に血まみれで帰宅したデイブに妻は疑いを持つ。
 見終わったとき、かなり暗い気持ちになった。深く愛するがゆえの過ち、嘘…。登場人物がそれぞれに真実を知ったあとに、その真実から目をそらして日常生活に戻っていく。誰がその罪を罰するのか?監督はそれを観客に委ねた気がするが、それはあまりにも気分が悪い。
おすすめ度:★ 狂気じみたジミー、幼い頃のトラウマを抱えたデイブ、どちらもアカデミー賞受賞にふさわしい演技だった。
世界の中心で、愛を叫ぶ
「セカチュー」ブームを巻き起こした純愛小説の映画化。
 結婚を間近に控えた朔太郎(大沢たかお)は書き置きを残して消えた婚約者の律子(柴咲コウ)が故郷の四国にいることを知り、そのあとを追う。そこは高校時代の恋人アキ(長澤まさみ)との思い出が多く残る場所だった。朔太郎はいつしか律子を捜すことを忘れ思い出に迷い込んでしまう。
 原作を読んでいないので、映画とTVドラマ、どちらが原作に近いのかわからないけれど、日本人ウケするウェットさが涙を誘ったTVドラマに比べると映画は幾分ドライな感じがした。また、サクとアキの恋愛を中心に周りの人々が描かれたTVドラマはまさに純愛だったけど映画は律子という登場人物のせいか、純愛度が少々薄れていたような気がする。個人的にはベタベタのドラマ版のほうがが好きです。
おすすめ度:★★ 原作、映画、ドラマ、すべて比べてみるのも面白いかもしれないけどマニアック!?
ディボース・ショウ
 離婚訴訟専門弁護士、離婚太り、婚前契約書…まさにアメリカならではの映画。
 離婚訴訟でのプロとしてセレブからも信頼の厚い弁護士マイルズ・マッシー(ジョージ・クルーニー)の次の依頼人は若い妻マリリン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に浮気の現場を押さえられたマヌケな富豪。マリリン有利の訴訟でまんまと勝利したマイルズだったが美しいマリリンが気になって仕方がない。富豪から金をもぎ取れなかったマリリンが次の標的にしたのは…。
 先は読めるけどテンポは良い良質なコメディ。邦題は原題そのままかと思ったら予想に反して全く違う「Intolerable CRUELTY」。これじゃ確かにそのままカタカナにしても意味わからないし邦題つけにくかっただろうなぁ。「ディボース・ショウ」なら映画の内容に結構合ってるには合ってるけど「ディボース」という意味を知っている日本人がどれだけいるのか…(^◇^;
おすすめ度:★★ ジョージ・クルーニーの歯が気になる〜(笑)。
ラブ・アクチュアリー
 実に19人という主要登場人物が描く9つの愛の物語。その愛は男女間の愛であったり片思いであったり、また友情だったり親子愛だったり。空港の到着ゲートで愛する人に会った喜びを表現する様々な人種の人々。その姿を見れば「世界に愛は溢れている」と信じることができるかもしれない。
 親友の新婦を好きになった男は結婚式で幸せそうな彼女を撮影することで自分の気持ちを一生懸命抑えようとする。だけど、その秘めた気持ちを彼女自身に知られてしまう。ボードを使った最後の告白が切ない。また、言葉の通じない女性に恋した小説家がプロポーズのためにポルトガル語を勉強し真正面から向かう姿には潔さを感じるし、二年以上も片思いしていた相手とようやくベッドインまでこぎつけたのに病気の兄弟からの電話を無視することのできない女性の真面目さは切なく、初恋の彼女のために一生懸命ドラムを練習する少年の姿はほほえましい。
おすすめ度:★★★★ 見終わったときにあったかな気持ちに、そして誰かと恋したい気持ちにさせられる映画。
ラストサムライ
 ハリウッドが作った時代劇。過去に日本を描いたハリウッド映画には苦笑ものが多かったけど、これは…?
 南北戦争で英雄となったオールグレン大尉(トム・クルーズ)は軍の近代化を目指す明治維新直後の日本に招かれる。ある時、日本の西洋化に反対する勝元(渡辺謙)率いる侍たちとの戦いで捕らえられたオールグレン。勝元は西洋の戦闘方法を知るためにオールグレンを連れ帰り一冬を過ごさせることにした。会話を重ねていくうちに次第に日本人、そして侍に惹かれていくオールグレンと、そんな彼と信頼関係を結んでいく日本人たち。が、近代化を急ぐ政府は勝元を排除しようとする。
 日本人の目から見るとやっぱり変なところはいっぱいあるんだけどエンターテインメント映画としてはなかなかのもの。こんなに大量の日本人俳優が出演するハリウッド映画は過去にないし、その日本人俳優たちが決して道化のような脇役ではなく存在感のある主役級となっているのが嬉しい。日本人の美徳が描かれているし(その美徳が今や過去のものであることが哀しい)。アメリカでも評価の高かった渡辺謙も良かったけど真田広之も素晴らしかった。もちろんトム・クルーズも格好良かった。しいて言うならラストシーンは気に入らない。てか不要かも?
おすすめ度:★★★★ 戦闘シーンが圧巻。これはどんなに頑張っても日本映画では撮れないでしょう。緊張感溢れる殺陣も○。
ミリオンダラー・ベイビー
 某本命作品をさしおいてアカデミー賞主要4部門を受賞したクリント・イーストウッド監督作品。イーストウッドの作品は結構好き。
 ジムを経営する老トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)はボクサーを育てる実力はあるが、育てた若者は金と名声を求め彼の元を去っていく。そんなとき、31歳のボクサー志望のマギー(ヒラリー・スワンク)という女性がフランキーにトレーナーになって欲しいと言ってくる。最初は「女には教えない」と言っていたフランキーだが、彼女の32歳の誕生日にボクシングに対する熱意、そして年齢に対する焦りや不安を聞きトレーナーになることを決意する。マギーは次第に実力をつけ次々と試合を勝ち進んでいく。そして待ちに待ったタイトル戦で悲劇が起こる。
 タイトル戦のあとからのストーリー展開は予想外で、かなり重く暗い気持ちになった。これってアカデミー賞とったんだよね?まさか、そんなラストにならないよね!?と、あまり信じたくはなかったラストへと淡々と進んでいく。意志の強い彼女が選んだこと、それは確かなんだけど、やるせない。
おすすめ度:★★★★ 格闘技を観るのが苦手な人にはボクシングシーンはちょっとリアルで痛いです…。
Shall We ダンス?
 ハリウッドリメイク版ではありません。今更だけど、本家本元を観ました。
 サラリーマン杉山(役所広司)は会社でもそこそこ出世しマイホームも建てた。優しい妻とかわいい娘との暮らしに不満などないはずだったが、家を建ててからどうも生活に精彩がない。そんなとき帰宅途中の電車から見かけた社交ダンス教室の窓際にたたずむ舞(草刈民代)が気になりだした杉山はとうとうそのダンス教室に通うことに。
 ひょんなことから習いだしたダンスにのめり込んでいき、生活に張りが戻ってくる中年サラリーマンってのがいかにも日本的だなぁと思うので、ハリウッド版はこのストーリーがどんなふうに仕上がっているのか興味が湧くところ。いつかWOWOWで放映されれば観るかも(笑)。この映画のいいところは登場人物それぞれが本当に社交ダンスが好きだってことが伝わってくるところかなとも思うので、ハリウッド版でもそれが損なわれていなければいいなぁ。
おすすめ度:★★★ でも、どうしてこれはアメリカ人に受け入れられたんだろう?

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