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千早振る

2013年5月26日から始まった大阪暁会の競技かるた入門教室は、新型コロナウイルスの
影響で2020年4月26日の第36回競技かるた入門教室が中止になってから開催が難しい
状況でしたが、ようやく2021年11月7日に再開できる状況になりました。

これまでの入門教室を振り返ってみると、小学生からご年配の方までいろいろな方が
来られました。その中で特に印象深いのは、何年か前に来られたご年配の男性の方です。
札流し3分以内を入門教室の参加資格としていますが、かるた経験がないところから3分を
切る練習をされ、またメールで参加申込みが必要なため、お知り合いの方に頼んで申込み
されていました。
その熱心さはどこから来るのだろうと思って帰り際にお話をうかがうと、この方は落語が
好きで小倉百人一首を題材にした噺から興味を持たれて、競技かるたを体験したいと
思ったとのことでした。好奇心が強く、すごく気持ちが若い方なのだと思いました。
相撲取りが出てくる「千早振る」や床屋の「崇徳院」の落語があることを、私が傍にいた
若い子に説明しているのを見て、にっこりされて帰られました。
鎌倉時代1235年頃に藤原定家の編纂した小倉百人一首が、脈々と続く日本の歴史・文化の
中で息づいており、それが仲立ちとなって取り持つ縁のようなものを感じました。


入門教室から話は離れますが、いくつかの学校の先生が総合学習で小倉百人一首かるたを
することの相談に来られることが以前ありました。
そうやって来られる先生はだいたい国語の先生で、児童や生徒に古典や和歌に興味を
持ってほしいという意図があるのだろうと理解したうえで、私からは
「子どもたちは経験がまだ浅く実感を伴って和歌を感じるのは難しい。しかしその子ども
 たちが小倉百人一首かるたに一生懸命になったら知らず知らず和歌に触れることになる。
 その子どもたちも成長していろいろな経験をし、いつか実感を伴って小倉百人一首の
 和歌を感じるかもしれない。
 小倉百人一首かるたはその入り口になる。今はそれでいいのでは?」
と話しています。
その後先生がどうされたかは分かりませんが、どのような形であれ学校の教室でも、
小倉百人一首かるたに親しむ機会が増えるとよいと思います。


今年メジャーリーグで野球の神様ベーブ・ルースと比較されながら、いくつもの歴史的な
記録を塗り替える大活躍をしたエンジェルス17番 大谷翔平選手のドキュメンタリー番組
NHKスペシャル『メジャーリーガー 大谷翔平 〜2021 超進化を語る〜』(2021/10/24放映)
を見ましたが、大谷翔平選手の子どもの頃にかけたお父さんの言葉
「一生懸命元気に声を出す、一生懸命キャッチボールをする、一生懸命走る、
 3つのポイントをしっかりやれ。本当にしっかり一生懸命にやれば必ずよいことがある」
があって、今の大谷翔平選手があるのだと思いました。

私はフレームワークとして心技体に運を加えた「心技体運」で考えるようにしています。
大谷翔平選手は高校1年の時に作成したマンダラチャート(目標達成シート)で、
目標:ドラ1 8球団 に対して、
体づくり コントロール キレ
メンタル ドラ1
8球団
スピード
160km/h
人間性 変化球
【心】メンタル、人間性
【技】コントロール、キレ、スピード160km/h、変化球
【体】体づくり
【運】運
に展開してさらにその内容を具体化しており、大人でもなかなか書けないのに、
高校1年でこれだけ書くのはすごいと思いました。子どもの頃から一生懸命考えて行動
してきた証と感じます。
自分で考えて一生懸命やるから本人が楽しいと感じて成長し、その一生懸命で生き生きと
輝いて活躍する姿を見て周囲が応援したくなるのだと思います。
かるたの神様は一生懸命な人が好きで時々ちょっと味方してくれます。たぶん同じように
感じている競技かるたの選手も多いだろうと思います。

偶然起こったことを「単なるラッキー(またはアンラッキー)」とするか、
「セレンディピティ」とするか、はたまた見過ごすかは、日頃の行い・心構えです。
運の強い人は運が強くなる考え方をしているということでしょう。
♪ 幾千万の星から あなたを見つけられる
♪ 偶然もチャンスに換える 生き方が好きよ


[2022/4/17]
4月10日の千葉ロッテマリーンズ対オリックス・バファローズ戦で、
ロッテ17番 佐々木朗希投手(20歳)が完全試合を達成しました。
これは28年ぶりプロ野球史上16度目の16人目になります。しかも19奪三振は日本タイ記録、
13者連続奪三振は新記録になります。
佐々木朗希投手は今日4月17日の北海道日本ハムファイターズ戦に登板し、8回まで102球
14奪三振、前回登板から17イニング連続無安打を記録、2試合連続の完全試合まであと
1イニングのところで降板となりました。
佐々木朗希投手のちはやぶる活躍に、どきどきわくわくします。


参考文献:
・百人一首 全訳注                有吉 保(講談社学術文庫)
・落語手帖<梗概・成立・鑑賞・藝談・能書事典>  矢野 誠一(講談社+α文庫)

参考URL:
Wikipedia 落語
Wikipedia 競技かるた
Wikipedia 総合的な学習の時間
Uta-Net(歌詞)/飯島真理 天使の絵の具
Uta-Net(歌詞)/DALI ムーンライト伝説
NHKスペシャル/メジャーリーガー 大谷翔平 〜2021 超進化を語る〜
スポニチ/花巻東時代に大谷が立てた目標シート
天狼院書店/落合博満は「心技体」ではなく「体技心」で選手を育てた
ライフハッカー/成功を引き寄せる「セレンディピティ」を起こりやすくするための9の行動原則

Wikipedia 佐々木朗希
Wikipedia 佐々木朗希の完全試合
Full-Count/佐々木朗の完全試合に列島熱狂「化け物過ぎる」 記録ずくめの歴史的快投に仰天(2022/4/10)
日刊スポーツ/【ロッテ】佐々木朗希 日本記録17イニング連続無安打快投も8回で降板、14奪三振102球(2022/4/17)

みかきもりの気ままに小倉百人一首
エンジェルス ナンバー17


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