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嵐山台風被害と地球温暖化

2013年9月16日の台風18号の大雨で京都・滋賀・福井に運用開始後初めての特別警報が
発せられ、数十年に一度しか発生しないくらい非常に危険な事態が起きていることを
知らせました。
テレビは嵐山の渡月橋が冠水するほどの桂川の増水状況を報じていました。
小倉百人一首にゆかりの深い場所だけになおさらその映像は衝撃的でした。

台風18号が通過後にテレビが解説したところでは、日本近海の海水温が27℃以上あった
ことより、日本列島に接近しても台風18号の勢力が衰えずますます強くなったことを
説明していました。

気象庁のホームページで調べると、下図「2011年〜2013年の9月16日の北西太平洋の
海面水温」にあるように今年は海水温が1年前・2年前と比較して広い範囲で高い様子です。
地球温暖化の影響なのかなあと思いました。
これまでIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書など見る気もありませんでしたが、
少し見てみようかという気持ちになりました。

以前からたかだか乾燥空気の0.03〜0.04%しか占めないCO2でなんで気候を制御できるのか
と懐疑的に思っていましたが(今でもそうですが)、それはちょっと横に置いて、緊急に
地球温暖化の対策が必要なことは感じました。
下表「年平均した地球全体のエネルギー収支見積もり」をまとめてみました。スケール感が
つかめなかったので、太陽の光エネルギーと世界のエネルギー消費量とを調べました。

・地球に照射されている太陽の光エネルギー(1時間) 174PWh
・2011年の世界のエネルギー年間消費量 123億toe(原油換算トン) = 143PWh
 P(ペタ)は1015、1toe(tonne of oil equivalent) = 11.63MWh

人間の営みで消費するエネルギーに比べたら、太陽はたった1時間で世界の1年分という
圧倒的なエネルギーを地球に注いでいます。エネルギー量よりも地球環境のバランスが
崩れたのが問題なのでしょう。
省エネも必要とは思いますが、早期に現状を改善できるように資本・技術・エネルギー等を
集中的に投入して世界規模の緑化対策などを行うのがよいのではないでしょうか。


■2011年〜2013年の9月16日の北西太平洋の海面水温
 ソース:気象庁ホームページ/気象統計情報/北西太平洋 日別海面水温

2011年9月16日 海面水温 2011年9月16日 平年差
2012年9月16日 海面水温 2012年9月16日 平年差
2013年9月16日 海面水温 2013年9月16日 平年差


■年平均した地球全体のエネルギー収支見積もり(W/m2
 ソース:IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書 第1章 気候変化の科学に関するこれまでの概要

項目 W/m2 W/m2 入射比 備考
地球に入射する太陽放射 342   100% (a)
宇宙へ反射される太陽放射 107 内訳 31% (b)
  雲、エーロゾル、大気ガスによる反射   77 23% (b1)
  地表面による反射   30 9% (b2)

大気上端におけるエネルギー収支
吸収される太陽放射 235 内訳 69% (c) = (a) - (b)
  大気による吸収   67 20% (c1)
  地表面による吸収   168 49% (c2)
外向きの長波放射 235 内訳 69% (d) = (c)
  大気による放射   165 48% (d1)
  雲による放射   30 9% (d2)
  大気の窓   40 12% (d3)

地表面におけるエネルギー収支
IN 492 内訳 144%  
  吸収される太陽放射(地表面)   168 49% (c2)
  下向きの放射(温室効果)   324 95% (f1)
OUT 492 内訳 144%  
  顕熱輸送(地面に接する大気の加熱)   24 7% (e1)
  蒸発散(水の蒸発、植物からの蒸散)   78 23% (e2)
  地表面による放射   390 114% (e3)

大気におけるエネルギー収支
IN 559 内訳 163%  
  吸収される太陽放射(大気)   67 20% (c1)
  顕熱輸送(地面に接する大気の加熱)   24 7% (e1)
  蒸発散(水の蒸発、植物からの蒸散)   78 23% (e2)
  地表面による放射   390 114% (e3)
OUT 559 内訳 163%  
  外向きの長波放射   235 69% (d)
  下向きの放射(温室効果)   324 95% (f1)

■参考URL
・Wikipedia 気象Wikipedia 気候Wikipedia 温室効果Wikipedia 地球温暖化Wikipedia 大気の窓Wikipedia 蒸発散Wikipedia 太陽エネルギー気象庁 IPCC 第4次評価報告書資源エネルギー庁 エネルギー白書2013/エネルギー需給の概要思えばバカな企画だった/二酸化炭素さん地球の温暖化を拒否

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