平壌第1日 金日成広場〜民族食堂

金日成広場

 ホテルに行く前に、金日成広場に立ち寄った。7万5000m3だが、天安門広場に比べると随分こぢんまりしている。道路にはバスや乗用車が多くはないが行き交い、自転車に乗っている人も割合多い。今日は結婚式を挙げるカップルが多いらしく、大同江をバックに記念撮影している姿が見られた。広場の端には下に降りる階段がある。地下道かと思って見てみると、「地下マーケット」と看板があり、シャッターが閉まって入れないようになっていた。広場の両側にある博物館や美術館も、昨日がメーデーだったため休業日のようである。人々の表情はごく普通でナチュラルだ。道ばたには柳の木が立ち並び、とてもおだやかな、落ち着いた街という感じである。

 広場を舗装している石には、番号や○印が白いペンキで描かれている。イベントの時の立ち位置のようだ。

金日成広場。大同江の方向を臨む。対岸のチュチェ(主体)思想塔が見える。

みんなの図書館。人民大学習堂。3000万冊の蔵書能力があり、1日に1万2000人の利用が可能。

朝鮮中央歴史博物館。国旗や金日成氏の肖像、「朝鮮民主主義人民共和国万歳!」のスローガンで飾られ、にぎにぎしい。


 

羊角島国際ホテル

  

 今回、私達が宿泊したホテルである。テドンガン(大同江)の中州に建てられ、95年にオープンした48階建てで、銀色に輝くスマートな外観は平壌随一のものである。中州にあるので、ちょっと外出して市街地を散策、というわけにはいかない。47階には回転レストランがあり、地階にはカジノやサウナがあるそうだ。

 ロビーに一歩足を踏み入れると、とにかく暗い!!金親子の写真などが説明付きでパネル展示してある。同じフロアに本屋や土産物屋がある。北京で言えば三つ星クラスという感じである。

 客室は狭めで、これも暗い。窓が小さいのだ。日立福建のリモコン付きテレビと、メーカーは忘れたが冷蔵庫があった。飲み物は入っていない。コンセントも抜いてあった。お湯やティーカップはあるが、ティーバッグはなかった。ベッドカバーは部屋によってピンクとブルーの2バージョンあるようだ。壁には平壌サーカスのカレンダーが掛かっている。

羊角島国際ホテルの客室

 滞在中、ここでは停電もなく、バスルームのお湯もふんだんに出ていた。

 翌日、中国の団体客300人が入ってきた。ガイドのLさんの話によると、日本からの観光客は年間800人、中国からは1万人来るそうだ。ホテルの売店では中国語が通じ、到着した中国の観光客は早速売店で本や民芸品をさかんに値切っていた。


 

すきやきと歌謡ショー

  この日の夕食は、民俗食堂というところに行った。日本人ツアーの席は舞台の前に用意されていた。メインはチョンゴルという朝鮮風すき焼きで、他にもキムチやナムル、チヂムが出ている。いずれもあっさり薄味だ。チマチョゴリを来たウエイトレスがテーブルを順番に回って調理し、取り分けてくれる。スジョンスルというお酒を熱燗にしたものがあった。米の酒のようで飲みやすいが、アルコール度は30%くらいありそう。しばらくすると、ステージでショーが始まった。3人の歌手と、数名のバックバンド、全て女性である。朝鮮の歌を新旧とりまぜていろいろ演奏し、リクエストにも応じてくれる。民族食堂は大きな店で、奥の方のテーブルや個室でも、軍服姿や背広姿のグループ、家族連れなどが食事をしている。高い地位にある人や、お金持ちのようだ。朝鮮の人たちもいる店で食事をしたのは、ツアーの期間中この時だけだった。チョンゴルや他のおかずをたらふく食べた頃、ビビンバが運ばれてきた。

 夕食のあと、平壌の夜景を見物する。平壌の夜は暗く、逐一説明してくれる建物もよく見えない有様だが、万寿台芸術宮殿のあたりはネオンで飾られ、劇場の屋上には「チュチェ(主体)」、「イエスル(芸術)」というネオンが赤と緑で代わる代わる点滅していた。

 

チョンゴル。肉を先に煮て、あとで野菜を入れて最後に卵でとじる。松茸も入っている。

歌謡ショー。

万寿台芸術宮殿広場。

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