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AT-93、DA-F9000 覚え書き。

覚えていることつらつらと書くことにしました。

  少しづつ実験してきたこと、アンプ屋さんとのコラボ、その他諸々すべて投入した機械です。
  国内で59,800円、バーゲン価格です、海外用よりスペックアップしています。
  ドイツで1,000DM、当時のレートで80,000円、適正価格です。
  アメリカでは600ドル、ほぼ適正価格です。仕様と売れる価格のせめぎ合いという感じです。
  さて、入口のほうから書いていきましょう。

  アンテナ入力は2つあります。
 その前に、操作はフルオート、フルマニュアル、無帰還アンプ、化粧美人でなくすっぴん美人の回路、というのがコンセプトです。
 アンテナの切り替えはピンダイオードを使っています。
 低周波用のリレーを使った製品がありましたが、切り替えてもせいぜい50dB、強入力では差が出ません。
 100dBくらいの差が出るように頑張りましたが、周波数によってはそこまでいきませんでした。
 マイナス電圧があると逆バイアスがかけられて切り替えが簡単なのですが、高周波回路用にはプラス電源しか用意していなかったので、ピンダイオードを2個直列にして逃げているという少々変な回路となりました。

  フロントエンド、5連相当と謳っていますが発振回路のバッファに1連を使っている数字のマジックを行っています。
 5連相当にするに当たってはアンテナ側のコイルを少しケチりモールドをしない銅線を巻いただけの物にしました。
 又、フロントエンドはプラグイン式です。
 量産ラインを意識した方式です。
 プラグイン式にしていると最終ラインで合体すればよく、基板上に載せないので早く準備して作る必要がありません。
 安くするためにフロントエンドをメイン基板内に作り込むと調整が大変になります。
 フロントエンドがアンテナ入力から少し離れてしまうため、メイン基板側に小さいシールド板を付けています。
  次にIF部です。
 他社ではいろいろ工夫を凝らして狭帯域でも広帯域でも圧群遅延特性を良好に、という事を行っています。
 ここではなるべく良いセラミックフィルターを使い特性の良いIF回路としました。
 但し群遅延特性の良いフィルターはコスト高、ロスが多いのでなるべく使用は減らしています。
 黄土色は汎用品、水色は中高級品ですが、上部に横線は比較的安い物(MMとMP)、丸点は特性最良な物(MX2、MZ2)です。

  次は検波部です。
 検波はフォスターシーレー(シーリー)ですが、レシオ用のコイルの配線を変えた物です。
 レシオ検波の配線を変えてフォスターシーリーにすると少しだけ検波出力が大きく取れます、後段の負担を減らすために採用しました。
 但し、バンド幅は狭くなりますが、OKな範囲です。
 なるべくロスを減らして出力レベルを大きくするためにショットキーダイオードを使用しています。
 プラスマイナスのDC電圧がそのまま出ます。

  次は、MPX(マルチプレックス)です。
 まずプリアンプ、DCアンプです。
 温度補償も何もないDCアンプで温度でDCレベルが変動しても離調してDC電圧が出てもそのまま出力に出すものです。
 そのあとにスイッチング回路が続きますがCMOSスイッチングIC(双方向アナログスイッチ)でスイッチングを行っています。
 4回路入りの物を使っていますのでAM/FMの切り替え、キャリブレーショントーンの注入もここで行っています。
 マルチプレックスICにコンポジット信号を入れずにパイロット信号入力だけに信号を入れてやると38kHzのスイッチング信号が出てきます。
 それでスイッチングICを駆動するわけです。

  最期にポストアンプに入ります。
 DCアンプですが、DCサーボを掛けています。
 DCサーボでこのDCアンプのDCドリフト、前段からのDC漏れ、全てを帳消しにするようにしています。
 アンプのバイアスには緑のLEDを使用しています。
 これは、アンプ屋さんからの情報で音が良いとの事で使用しています。
 当時どの色が良いかと検討した結果、緑となったそうです
 最近の製品でオレンジが使わrているのを見ますが、当時の結論は緑でした。

  電源です。
 海外では熱いのどうのと色々言われている電源ですが、各地域の安全規格は通っているものです。
 予算の関係でギリになっていることは否めません。
 コストは、温度よりも電源系統をたくさん作ることに振り向けています。
 低周波系統のプラスマイナス電源、ヒートシンクは銅ヒートシンクです。
 高周波系統で1つ、マイコン系統1つ、蛍光表示系統で2つ、チューニング電圧用に1つです。
 それなりに温度は上がりますので、電解コンデンサを止めているボンドの変色があります。
 それを電解液が漏れたと勘違いする人もいるようです。
 問題ありません。
 
 
 
 
 (追加準備中)
 
 
 
 

  フィルムコンデンサについて
 EROは当時の代理店から売り込みがありました。
 緑色の物は音が自然で情報量もまあまあだったのでアンプ屋さんが採用しました。
 そのおこぼれを頂戴しています。
 青色の物は高域がものすごくきれいな音になります。
 赤はその中間、緑の入荷が滞った時に代わりに使ったことがあります。
 青は何かの展示会でSONYのスピーカーのカットモデルのネットワークに使われていたのを見たことがあります。
 マークレビンソンのプリには赤が使われていましたが、不思議とWIMAが大量に使われていました(音が悪いのに)。
 このEROは、後日電子楽器に多く使われたと聞いています。
 S1000の内部写真では黄色の電解コンデンサは大量に見えましたが、緑色のキャラメルは見えませんでした。
 

  銅箔コンデンサについて
 スチコンの代わりに使っています、ポリプロピレンコンデンサです。
 はっきりした音がします。
 

  電解コンデンサについて
 某社とのコラボで専用に作ってもらったものです。
 外装フィルムの色は透明のほうが良かったのですが、アルミキャップに油が付いたときに見えるとかで透けている黄色になりました。
 アルミ電極のエッチング、電解液が考慮されていたようです。
 AS1(あかいスペシャル)という製品番号にしたために他社には使ってもらえなかったようです。
 情報量の多さ、低音の押し出し、よりも音の立ち上がり感を重視して音決めしたものです。
 
 現在ではもう一般品(にちょっと毛が生えた)のような音です。EROも一昔前の音になっています。

  抵抗について
 某社とのコラボで専用に作ってもらったものです。
 コーティングの色は茶系が良かったです。
 内部のセラミックの組成がノウハウのようです。
 カーボン抵抗にしては割と良いと思います。
 このノウハウを金被に応用すれば良いものが出来たと思います。
 

  トランジスタとオペアンプについて
 カセットデッキ部門が半導体メーカーとコラボして開発されたと聞いています。
 2SC3383/2SA1392とM5238です。

  フルオート、フルマニュアルについて
 記憶があいまいですが、電子通信学会誌(当時の名称)にシャープの家電設計の人が寄稿していた内容だと思います。
 家電製品の理想は何でもオートでできる、手動設定は細かく何でも全て設定出来る、と書いてありました。
 おおそうか、と思って採用したものです。
 細かく設定できてもメモリー呼び出しで消えていては意味がないので全てメモリーするようにしています。
 ソフト屋さんは面倒くさかったと思います。
 AUTOのスイッチの幅は当初、他のスイッチと同じ幅でした。
 当時のデザインコンセプトはスイッチの存在を消す方向でした。
 それではオートの機能をアピールできないので、変更してもらいましたがデザイン担当者は嫌がっていましたね。
 一悶着ありましたが、修正してもらってよかったと思います。

  留守録のチャンネルずらしについて
 当時は留守録が流行っていましたので、何度も同じチャンネルを呼び出すのでは芸がないので、考えました。
 ネーミングは企画屋さんが行いました、センスの良い名前だと思います。

  チャンネル数、2度押しで倍のチャンネル数について
 以前は10個のボタンにシフトスイッチで20チャンネルに対応していました。
 2度押しにして倍のチャンネルにし、2色LEDがありましたのでそれで区別するようにしました。

  以上です。

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