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 Lowther 準備

 
エッジとダンパーを付ける為に、一度ユニットをばらして、準備を行います。

 必要な特殊工具(ジグ等)も用意しておきます。

 コイルの断線は、この時点で修理します。


 

左にあるのが、ユニットのマグネットとフレームを固定しているボルト用のスパナです。8番(幅8mm)の物を少し削って8.2mmから8.25mmにします。これは、現物合わせで行って下さい。
このスパナは、ダイヤ精工のタペットスパナ8−9という物です。厚みが、丁度ボルトの頭の厚み位で、使いやすく、かつ安い(¥200円台)物です。

又は、小型のモンキーレンチで代用できるかもしれません。

 右は、コイルボビン矯正用のジグです。詳しくは、図面のページを参照して下さい。写真の物は、真鍮製です。

 尚、このジグは、必ずしも必要とは限らず、変形していなければ、矯正しなくとも大丈夫です。
 

今回の修理ではヒノ・オーディオ発売のエッジキットを使用しました。
既に出回っていませんが、別の物に関しては左の画像をクリックして下さい。

 他に良い物をご存じの方は、ご一報下さい。
但し、新型Lowther用には、ダンパーも付属している必要があります。
 
さて、いよいよ分解します。

 まず、4本のボルトをはずして、フレームとマグネットを分離します。この時、コーン紙は、錦糸線(コーン紙からの引き出し線)だけでフレームとつながっていますので、分離する際は、コーン紙とフレームと両方を持って分離します。

 これをコイル部分が上になる様に、裏返して置きます。そして、錦糸線を接続端子からはずします。はんだごてと半田吸い取り用網線が必要です。
 

次に、フレームに残ったエッジとダンパーと接着剤を落とします。それには、カッターナイフの刃でない部分を利用して削り落とし、最後は、溶剤できれいに仕上げます。

マグネットも、汚れを落としきれいにします。ギャップ中にもダンパーのかすが落ちていますのでこれもきれいに取ります。紙粘着テープが、便利でした。
終わったら、ギャップをテープでふさぎ、スペーサ、ボルトと共に別の所に保管しておきます。

 

コーン紙側もきれいにします。

 まず、エッジですが、ここで、溶剤を使用すると、溶剤と落ちた接着剤の色が、どうしてもコーン紙にしみて汚くなります。私は、それでも良いとして、作業を行いましたが、汚くなるのがいやな場合は、カッターナイフ等で、削り落とします。
しかしこの方法は、コーン紙を痛める可能性があり、細心の注意が必要です。溶剤の場合、シンナーでは、ほとんど落ちず、異なる種類の溶剤が必要でした。私は、印刷インキ用の溶剤を使用しました。
コーン紙は、丈夫で、かなりごしごしとやっても大丈夫でした。又、溶剤は、筆を使って塗ります。

 次に、ダンパー側を行います。ここは、溶剤を使用しますが、コイルボビンに塗ってあるニスも落としてしまいますので、丁寧に行い、削り落としも併用します。
ここの部分は、コーン紙とコイルボビンの接合部にあたり、弱いので無理な力はかけず丁寧な作業をして下さい。
なので、写真の様に、少し接着剤が残る程度に止めておいた方が良いでしょう。

 

ボビンのニスがかなり落ちた場合には、落ちた部分にニスを塗ります。

ここで、コイルの導通をチェックします。導通がなければ、コイルが切れています。
その場合には、こちらへ

縦置きに長く保管されていた場合等で、コーン紙が、ゆがんでいる場合があります。
この時は、スチームアイロンのスチームをあて、ゆがみを矯正します。

 これで、準備は、終了です。