2011/4/5

 
  初入院騒動の記「入院日常3」  
 


病院日常と云えば 看護婦さんにお世話戴く機会が多いものです

一般病棟に移った時から随分と気易い看護婦さんに出会いました

病棟3F看護主任と云った肩書なのでしょうが 兎に角もベテラン50歳前後



女性を顔だけで判断はいけませんが どう見ても美人と言がたい中々に面白い人

看護免許を取得してから 南は沖縄から北は北海道へと病院勤めを

若い内は転々と変えて過ごしたらしく 北海道はレンターカーでは費用が高いと

現地で車を買って 道東から道南辺りを駆け巡ったとの話は面白かった



「函館の循環器病院に居った時なんかねー 遠い所なら日本海の江差方面から

救急車で2時間乗って来はんねんよー そらねー患者さんも救急の人も

2時間も救急車で揺られ通したら 車内は口には出来ん程のヒドイ状態やねー」



「そう云えば病院到着までに御臨終の確率は増すわなー それが為にも

ヘリや小型飛行機が救急に必要な程に北海道は広いわなー 婦長さん」



「又云うー婦長と違う云うてるでしょう 私は係長やねんから!」



「エエんと違うん3階の婦長さんに間違い無いねんから 処で北海道は観光を兼ねて

周ってたとは思うけど どの辺りが一番良かった」



「最初の全部が珍しい頃は 北海道は広いし冬の厳しさなんかも物珍しくてねー

喜んでたんよー そやけどダンダン何云んかなー文化の奥行が浅いのか

結局は関西に落着く事に成ってしもて 観光なら北海道もエエけれど

住むのは文化の奥深い関西が一番やと実感してねー」



「ふむ ふむ成程 まー云うたらアメリカンが歴史と文化の深いヨーロッパに憧れる様な」



「そーやねん 電右衛門さんは話が速−て気持ちエエわ」



「仕事終わって そこら辺りで話の続きを肴に一献傾けるのは如何と誘たいけど

互いに家族の在る固い身の上 美男・美女だけでは話は前に進まんわなー」



「患者連出して 一杯呑みに行ったなんて解ったら私が首になる 又来るからねー 笑」 




しかし皆さん この婦長さん家族や夫の存在感の薄い人でした

3交代勤務を熟して勤務されてると聞きましたが もし家族が居られたとしたら

看護婦さんの家族は中々大変なものやと思いましたなー



入院中に聞いた話が元では山崎豊子著 「白い巨塔」が思い出されます

岡山出身の苦学生 黒田五郎が財前産婦人科への養子で財前五郎となり

ガムシャラに出世を目指す物語 電右衛門には若い頃から何故か胸を打つ物語です

当時 大阪中之島の大阪大学医学部付属病院の教授選を元に執筆され

映画・TVにも大きく取上げられた名作で 要望に応え続編も出た山崎豊子の代表作



電右衛門如き筆力では そう簡単に良い話には成らんものですねー(笑) 

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