2013/6/4

 
  「手術騒動の記10」  
 


「ICU=集中治療室」





「電右衛門さん 気が付かれましたか!

手術を無事終えられての目覚めです 私が誰だか判りますかー」



「・・・いやスマン 何方さんでした?」



「私はICUの電右衛門さん担当です 宜しく御願いします」



「えらい世話になるねー 貴方が “私が誰か判りますかー” 云うから

誰やったかなー 看護婦さんの姿してはるけれど記憶にないし

以前に何処かで世話に成ったのか 回らん頭で一所懸命考えたけどねー」



「はーい初対面です(笑) それで十分に目覚ておられます大丈夫です」



「えーそうなん 起抜けの回らん頭で真剣に考えたけど判らんハズや (笑)」



「早く目覚めるのが麻酔の副作用を 少なくするリハビリなんです 

疲れてはるのにゴメンなさいねー」



齢の頃なら30前後 勘の良さそうな眼と顔 健康そうな体付き

世の中の多くがそうなんでしょうが 第一印象が物事の多くを語ります

我家に未婚息子が居れば 七重の膝を八重に折って嫁に迎えたいタイプ

若い女性に対し これだけ考えられれば麻酔の悪影響はアリマセン



ICUは10床程のオープン型大部屋 其の内2床がガラス張個室構造

おとーさんと呼掛ける家族の声 イタイとか何とか文句を言う患者

本人が死でも無のに葬儀の段取をする声も良く聞こえます

これがICUの特徴なのか 只単に電右衛門が暇なのか不明



「其処の文句タラタラの患者 手術方法が説明と違うとか偉そうに

エエ齢晒して取るに足らん細かい事を あれで恥し無のやろか看護婦さん」



「あーあれねー あの人は文句言うのがストレス発散のタイプと違う

それはそうと電右衛門さんはガマンを美徳の団塊世代やけれど 

此処ではガマンせんとすぐ言て下さいねー 何ならTVでも付ましょうか?」



 良く気の付く有能な看護婦さんだったのが 一番アリガタイ


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