シパダンLOG'97 No.4
(気になったこと)



・群につっこむな

ある時食事をしていると、横のテーブルの人の会話が耳に入りました。

女性「群につっこむのが好きなんだけど写真を撮っているときに、入ったら悪いかなと思って・・」
男性「いやいや。魚や群の大きさが分かるから、人に入ってもらうと有り難いんだよ。一通り、全体を撮り終わったら合図するからどんどん群につっこんでよ。」

 そのグループと水中で出会うことがあったのですが、ギンガメアジの群を眺めていると、突然女の子が群の横腹につっこんでいきます。
 綺麗に渦巻いていたギンガメの群はバラバラになってしまいました。
その後、いくつかに分かれた群の一番大きな群をその子はどんどん追いかけていきます。やめてくれー。

 こういう趣味の人は結構沢山いて、カメラを構えたまま、群に突進する人、群の正面からつっこむのが好きな人、いろいろです。

 また、群が向こうから移動してくると、その後ろに人の群がついてきていたりします。群は潮に向かって逃げているのですから、人間は無駄な努力はやめた方が良いのでは・・・

 排気の音も静かにそっと下から近寄ったり、じっとしていたりすればシパダンの群は向こうから寄ってきてくれたりするものです。
 お願いだから魚を追わないで。

◆ ◆ ◆ ◆


・安全には気をつけよう

同じく食事をしているときに隣のグループの会話が耳に入りました。
女性「ハンマーヘッドすごかったね。私なんか知らないうちに50mまで行ってた。」
男性「僕は後ろの方にいたから見れなかったよ。明日は一番下に居よう」

 私たちも朝一ハンマーヘッドねらいでディープに行っていたのですが、実は本当に深いところに居たのはガイドだけでした。
 1日に4本潜ろうと思っていた私たちは、ガイドが見えるあたりで待機していて何か指したら追いつこうと小ずるいことをしていたのでした。
 結局、その後ハンマーは現れなかったので、前述の男性は潜り損だったことでしょう。

また、別のグループと話をしていたときです。
私「今日はずいぶん潜っていますね。早朝、ボート3本、お昼、サンセット、ナイトですか。朝のディープもずいぶん深く行ったようですが大丈夫ですか?」
男性「実は私たちのグループは無減圧潜水を越えて潜ったので2人もコンピュータが死んでるんですよ。残圧もでないから、ゲージをレンタルしてるんです。」

そして、次の日
私「今日は潜らないようですが、昨日ずいぶん潜ったからですか」
男性「いや、実は今日帰るんですよ」
私「えっ、コンピュータが死んでる上に昨日7本潜って、ナイトも行ってませんでしたか?」
男性「ははは。ずいぶん潜れました。」

 帰りの飛行機の中でどこかが痛くなってないことを祈るばかりです。

◆ ◆ ◆ ◆


・ウエイトは適正に

 同じグループで潜っていた人が、最後にリーフの上で安全停止する頃に必ず、下を向いて泳ぎ続け、浮力に抵抗するために珊瑚につかまって珊瑚を破壊していました。見かねて、石を探してきて渡そうとしたのですが受け取ってくれませんでした。
 シパダンの周りは600mとも言われるドロップオフです。沈んでいってしまうのが怖いのかもしれません。でもタンクはアルミの12Lです。空になったら結構浮力があります。珊瑚を破壊するよりはウエイトを少し増やすといいなと思うのですが。

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・この海をいつまでも

 ある人が2年前に来たときは魚の群がずっと大きかったと嘆いていました。

 現在、シパダンには6軒のサービスがあるそうです。新しく建ったところはドロップオフから遠い代わりに温水シャワーやクーラーがあるそうです。
 あの狭い島に何百人も人が居て、生活排水を流し、魚を追い、珊瑚を蹴っているのです。あの海を守ろうとすると、もしかするともうシパダンに行かないことしか手段が無いのかもしれません。

*'98.08.15追記
 シパダン島は懸案事項であった入島制限をいよいよ実行するそうです。
 詳しい状況は旅行代理店等でお確かめ下さい。


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