シパダンLOG'97 No.3


・ある幸せな一本 その1

jackfish2-small.jpg

 エントリー直後に大きなトラフザメが長いしっぽをくねらせて泳いでいきます。しばらくその優雅な姿を眺めて進んでいくと、リーフの上にギンガメアジの群が渦を巻いています。
 しばらく、ギンガメの群を眺めていると、彼方に黒い雲が・・  バラクーダかもと思って近寄っていく途中で結構大きなナポレオンが居たのですが、ちょっと挨拶をして、そちらに向かいます。魚影が見えてくると、案の定バラクーダの群が、川のようになって移動してくるところです。やや流れている中、岩に捕まっていると、バラクーダの群はリーフの上でJやSの字になって、最終的には渦を巻き始めました。  バラクーダの乱舞に夢中で見とれていると、バディが私の横を指さします。ふと左を見ると、私のフィンに蹴られそうになるところに、ギンガメアジの群が。ギンガメアジの群は、流れに逆らって徐々に前進し、私のすぐ上を通っていきます。すごい、すごいと思ってギンガメアジを見ていると、バラクーダの群もこちらによってきて私のすぐ横で、2つの群は重なり、ギンガメの渦の中心からバラクーダの渦が見えます。
 水中で、うわー、うわーと馬鹿のように叫んでいました。
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・ある幸せな一本 その2

バッファローフィッシュ

エントリーすると、アジやウメイロ、ハナタカサゴ等おいしそうな小魚の魚影が濃い。これは期待できるぞと思ってドリフトしていると、私たちの下をギンガメアジの群が流れていきます。
おおっと思ってさらに流れていくと、前方に雲のような影が。

 バラクーダだ。3000匹はいようかというバラクーダが皆潮に向かって頭を向け、ひとかたまりになっています。ひとしきり、バラクーダの群を観察して、リーフの角を曲がると、さっきまでの流れが嘘のように静かになります。ほっと一息ついていると目の前をトラフザメ(1m70cm位)が悠然と泳いでいます。
 長いしっぽをくねくねとさせながら泳ぐ姿に見とれ、さあエグジットと思う頃、彼方からやってくる一つの影。マンタだ!

 彼は、私たちのグループの先頭近くまでやってきてひらっと向きを変えました。裏の白が日の光を反射して銀色に輝きます。
 なんて優雅な旋回なのでしょう。向きを変えた後、滑空するように去っていった彼は再び少し私たちの方に戻ってきたのですが、途中で気が変わったのか、やっぱり行ってしまいました。

 シパダンでマンタが見られると思っていなかった私にはとっても幸せな一本でした。

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・ちょっと残念だったこと

 ガイドがミックになってから、4日ほど、毎日朝一はバラクーダポイントかサウスポイントでハンマーヘッドねらいのディープダイビングでした。でも、水深30mを過ぎることから冷たくて浮遊物の多い暗い潮が入っていて、透視度が全然でません。
結局ハンマーヘッドは見ることができませんでした。


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