みなみ歯科医院
 
 

Q&A

          質問をお寄せください> mail to:


Q 冷たいものが歯にしみます。すぐに治療したほうがよいでしょうか?

A 冷たいものがシミる原因にもいろいろあります。もしむし歯なら、もう歯の内部(象牙質)まで進行しています。ここで治療しておけば、歯の神経(歯髄)を取らずにすむことが多く、比較的楽に治せます。放っておくとしだいに熱いものもシミだして、最後にはだまっていてもズキズキ痛みだすようになります。こうなると歯髄は助からないことが多く、治療に時間と回数がかかります。だから、歯の外側にむし歯の穴が開いていなくても、おかしいなと思ったらすぐに歯医者さんに診てもらって、適切な処置を受けてください。
 また、むし歯がなくても歯がシミることもあります。いちばん多いのは歯の根元が冷たいものや歯ブラシなどでシミる場合(知覚過敏症)で、普通は適切なブラッシングとともに、薬物を塗ったり、詰め物をしたり、レーザー照射などで対処しますが、ひどい場合は神経を抜き取る処置が必要なこともあります。



Q 毎日歯を磨いているのに、以前に治した歯がまたむし歯といわれました。どうしてでしょう?

A むし歯は、歯についた汚れ(歯垢、プラーク)の中に住みついた細菌が原因でできます。だから、毎日磨いていても歯垢をきちんと取り除いていなければ、むし歯は再発します。大事なのは歯ブラシの使い方、”磨いている”のと”磨けている”のでは大違い。磨き残しのもっとも多い場所は、歯と歯の間、それと歯とはぐきとの境目です。ここに歯ブラシの毛先が当たっているのを確かめながら、細かく振動させるようにしてていねいに磨きましょう。磨くのは、食事のあとと甘いものを食べたあとが理想ですが、そんなに頻繁にできない場合は夜寝る前にじっくり時間をかけて磨きましょう。ただ、磨きすぎてはぐきを傷つけたり、強い横磨きのために歯がすり減ることもありますので、歯医者さんであなたに合った正しい方法を指導してもらうとよいでしょう。


Q 歯を丈夫にするには食事も大切とよく聞きますが、歯のためにどんな事に気をつけたらいいのでしょう?
A 未開地の原住民には、ムシ歯や歯周病がほとんどないということをご存知ですが。きちんとしたブラッシングの習慣がないのになぜでしようが。答えは食ぺ物にあります。彼らは、自然からとれる食べ物を生に近い
形で、硬いままパリパリよく噛んで食べるからです。歯が食べ物にこすられ睡液に洗われてきれいになるうえ、歯ぐきや顎の骨もきたえられて、歯はますます丈夫になるのです。ロの中を健康に保つためには、彼らの食生活が参考になります。現代人の食生活=加工食品や軟らかすぎる食事、砂糖のとりすぎ…。これを改めて、なんでもよく噛んで、味わつて食べる習償を身につけることが大切です。



Q お腹に赤ちやんができました。妊娠中、歯が悪くなるってききましたが本当ですか?
また、赤ちやんの歯のために何を気をつければよいでしょうか?

A おめでとうございます。赤ちやんの歯のためにお母さんの歯からカルシウムが取られるなんて思っていませんか。そんなことはないから安心してください。たしかに妊娠中は歯を傷めがちです。それは、ひとつにはホルモンの関係で口の中が酸性に傾くこと。さらに、つわりなどで気持ちが悪くてプラツシングを怠るようになるから不潔にもなります。また、お腹が圧迫され一回の食事量が滅るかわりに回数が増えるので、つい間食ですませてしまうのも一因。眠っていたムシ歯だって目を覚ましますし、歯肉炎も悪化しがちです。この対策には、やはりプラツシングが一番。気持ち悪ければ、無理に歯磨き剤を使わなくてもいいのです。そのうえで、栄養のパランスを考え、歯によい食事を心がけること。お母さんにとっても赤ちやんにとっても、それが幸せなことです。


Q 歯を磨くと血が出るようになりました。また、疲れると歯が浮いた感じがして強く咬めませんが・・・?

A どうも 歯周病( 歯槽膿漏)のようですね。これは歯を支える組織(歯の根のまわりの歯ぐきや、歯槽骨といわれる顎の骨)が炎症によりおかされる病気で、初めは歯ぐきのはれや出血、口臭、歯が浮いた感じ、硬いものが咬みにくいなどを自覚しますが、無症状のうちに悪化していくケースも多いようです。さらに進行すると、歯ぐきがひどくはれて膿が出たり、痛くて咬めなくなったり、歯がぐらついてきたりします。こうなってしまったら、かなりの重症だと覚悟しなければなりません。ぜひ、初期のうちに歯科医師による診断と治療を受けていただきたいものです。(歯周病のページを参照してください。)

Q 二十歳の学生ですが、小学生の頃から周りに口がくさいと言われ気にするようになり、今では本気で悩んでいます。僕の口臭の原因とその治療法を教えてください。

A 口臭に本気でお悩みのご様子、お察しいたします。

 口臭は、呼気中に含まれる口臭成分(揮発性硫化物)を人が感じるものですが、臭いを感じる人の主観が大きく働くのが特徴です。口臭を出している本人が無自覚のこともあれば、つねに口臭を気にしている人もいます。

 口臭の原因を大きく分けると、1.口腔に由来する場合、2.全身に由来する場合、3.飲食物摂取に由来する場合、に分けられます。

 また、種類別に分けると、1)生理的口臭:早朝時、空腹時、緊張時などに生理的に起こるもの、2)飲食物・嗜好物による口臭:お酒、たばこ、ニンニクなどの摂取時に起こるもの、ただし臭いの成分は胃から血液に移行して肺で気化して呼気中に出るもので、胃が直接臭うのではありません、3)心因性(精神的)口臭:真の口臭ではなく、本人のみが感じる口臭で、ストレスや精神的・肉体的に不安定な時期、たとえば思春期・更年期などに多い、4)病的口臭:各種の病気の一症状として現れる口臭で、口腔局所に由来するものが多いが、その他に鼻疾患、呼吸器疾患、糖尿病、肝臓疾患、尿毒症などに原因する口臭があります。

 なかでも最も多いのが、口腔局所に由来するものです。

[口腔に由来する口臭]

1.口腔の清掃不良:歯垢や食べかすに原因するもの。さらに、歯垢によって生じたむし歯や歯周病(歯槽膿漏)によることも多い。

2.歯周病:歯周病になると、歯の周りのはぐきには歯周ポケットと呼ばれる袋ができ上がり、この中に歯垢、歯石はもちろん増殖した細菌が存在しています。この細菌の働きで悪臭物質が発生します。

3.口腔軟組織の炎症:特殊な歯肉炎や潰瘍、壊死のさいにみられます。

4.舌苔:舌の表面には剥離した上皮細胞、白血球、細菌からなる舌苔が付着しています。舌苔が多いと、これらの分解産物が口臭の原因となります。


 それでは、いよいよご質問の口臭の予防法について考えてみましょう。
まず、自分の口臭はどの種類かを、上述した項目についてひとつひとつ消去法でチェックしてみましょう。

1)生理的口臭は、正直言ってどうしようもありません。人間、だれしも程度の差こそあっても口臭はするものです。また、唾液の性状(ねばねばした感じが強い人)によっても、口臭の強い人はいるものです。

2)飲食物・嗜好物による口臭なら、それを食べるのをやめればなくなりますから簡単です。

3)心因性(精神的)口臭は、うちの診療室でもわりとよく見かけます。自分では臭うと言い張るのですが、他人が注意して臭いを嗅いでもほとんど臭わないのです。ひどい場合は口臭ノイローゼと呼ばれる事もあるのですが、薬局などで売っている”口臭テスター”を使って本当に臭いがするのかをチェックするのも良いでしょう。

4)病的口臭の場合は、まずその原因となる病気を治すことです。とくに、口腔に由来する場合が多いので、まず、歯をよく磨くこと、とくに歯と歯の間や歯肉縁下(ポケット内)の歯垢を除去すること。そのためには、歯科医院で正しい磨き方を教えてもらうことと、専門家による歯のクリーニングをしてもらって下さい。また、むし歯や歯周病の検査もしてもらい、必要ならそちらの治療もしましょう。貴殿の場合、歯の神経を抜いたり、歯にかぶせものをしているようですので、それらの歯も健全な状態なのかどうか調べてもらう必要があります。また、とくに鼻疾患がある場合に口呼吸をすることが多く、口腔内が乾燥して口臭が強くなることも考えられます。

 以上のどれにも該当しない場合は、リステリン(GC)などの消毒作用のある洗口剤(薬局にあります)でこまめにうがいする、歯磨きの時間と回数を増やす、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的清掃道具を使う、などの対症療法で様子をみるのがよいでしょう。

 私見では、一般に重度の歯周病による口臭がかなり多く、貴殿も若年性歯周病の可能性がありますので、早めに信頼のおける歯科医に診てもらって下さい。

 いずれにしても、適切な処置によって一刻も早く口臭の悩みから開放されるのを願ってやみません。


Q  私は、ずっと口呼吸で、歯肉に慢性的な炎症があります。口呼吸による、歯周疾患への影響、メカニズムを詳しく教えてください。

A 口呼吸は歯周病にとっては決して良くない習慣ですので、ぜひ改善すべきものです。

 歯周病への影響とメカニズムについては、それほど難しくありません。粘膜は本来体液で濡れているものです。歯肉も粘膜の一つですから、唾液によって湿潤しているべき歯肉が空気にさらされて乾燥した状態が続くと、歯肉の本来の抵抗力が低下して炎症が生じやすくなります。また、歯の表面が乾燥していると、唾液による歯の自浄作用や抗菌作用が低下し、歯垢(プラーク)が増加して歯肉炎を誘発させます。そして、一度歯肉炎になってしまうと、適切な処置がなされないかぎり炎症はだんだん進み、治療がもっとやっかいな歯周病に移行していきます。これは、歯周病の直接の原因が歯垢であることから容易に考えられることです。このような口呼吸による歯周病は、とくに空気にさらされやすい前歯部に多いとされています。

 では、口呼吸について、全般的な事柄を以下に述べてみます。

[原因と分類]
鼻閉塞やアデノイド肥大などの鼻の病気がある場合を鼻性口呼吸といい、上下顎の前突や開咬(上下の前歯が開いていて咬みあわない状態)などにより口唇閉鎖が困難な場合を歯性口呼吸、さらに両者が改善されても習慣として残る場合を習慣性口呼吸とよびます。

[影響]
前述したように、口呼吸は歯周病を誘発させたり、既存の炎症を増悪させます。また、発育期に口呼吸があると、顎の発育への悪影響や歯列不正に関係するといわれています。

[治療]
原因に基づいた治療が行われます。鼻性口呼吸の場合は耳鼻科による治療が必要ですし、歯性口呼吸のときは、口唇閉鎖の困難な状態を改善するための歯列矯正や補綴的治療を行います。また、習慣性口呼吸に対しては、オーラルスクリーンやメディカルテープによる口腔内への空気の流入防止と、弛緩した口輪筋の賦活(筋機能療法)が有効です。

 以上のように、口呼吸とひと言でいっても原因はさまざまで、それによって治療方法も異なります。貴女はどのタイプにあたるかを良く見極め、必要なら専門医に診てもらってください。いずれにしても習慣的なものがある程度関係していると思われますので難しいかもしれませんが、がんばって治して一日でも早く健康なはぐきを取り戻していただきたいと願っております。また、そのためには口呼吸の治療はもちろんのこと、毎日の適切な歯みがきが絶対必要であるのは言うまでもありません。



ページトップへ