由香理 |
どう? できた? あと20秒だよ。 |
恭 弥 |
・・・・・・・・・・・。 |
由香理 |
はい、終わり〜。 |
恭 弥 |
・・・・・・由香理・・・。 |
由香理 |
ん? 何? |
恭 弥 |
あの問題・・・少しおかしくないか? |
由香理 |
そう? 私は気づかなかったけど? はい、解答用紙を回収するよ。 |
恭 弥 |
ん〜な訳ねぇだろ!! あの最終問題は何なんだよ!! |
由香理 |
何? 何? どうしたの? |
恭 弥 |
てってめぇ・・・。 |
悪 魔 |
(コンコン)お取り込み中失礼しますよ。試験問題の採点に参りました。 |
由香理 |
あ、悪魔さんだ。はい、これが恭ちゃんの解答用紙です。 |
悪 魔 |
はい、確かに。ところで今日はまた何故の痴話喧嘩ですか? |
恭 弥 |
悪魔さん。この最終問題のことなんだけど、これはどう見ても改ざんの跡が見られますよね。 |
由香理 |
そんな風には見られませんよねぇ。 |
悪 魔 |
・・・・・・・・・。さぁ、私も良く覚えていませんが、悪魔にも書き損じというものはあるでしょうね。 |
恭 弥 |
鬼! 悪魔! 人でなし!! |
悪 魔 |
鬼かどうかは知りませんが、私は悪魔であって、ヒトではありませんから。 |
由香理 |
確かに。 |
悪 魔 |
と言うわけで、この最終問題はこのままでいきましょう。 |
恭 弥 |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 |
由香理 |
それで、恭ちゃんの答えはどんなだったんですか? |
悪 魔 |
おや、まだ見てなかったんですか? |
由香理 |
ええ。・・・。なになに? 回答1「A :
親友になった後で<融合>が起きた場合。『わりぃが、そいつ(親友の身体)は返してもらう。あいつとの腐れ縁にかけて!』。B
:
<融合>が起きた後で親友になった場合。『・・・お互いに・・・次は違う星の下に生まれようぜ!!』」ですって。 |
悪 魔 |
まあ、ベタですが結構いい線いってると思いますよ。共に『天勢値』を4〜5点ほど稼げるクラスのセリフですね。 |
恭 弥 |
条件付けが少ないから、開戦前のセリフで統一しておいた。戦闘中ならまた変わってきただろうな。 |
悪 魔 |
そうですね。ただ、こういうセリフで幕を開けた戦いは誰も邪魔しないで1対1でやりたいですよね。 |
由香理 |
そうですね。では回答2。「どういう理由で組織と敵対してるかによるが、純粋に禍族の存在(ヒトを食い物にする点)が許せないのならば、『今さら何を言ってやがる。てめぇが忘れていようとも、俺は忘れちゃいねぇ。てめぇらが喰らってきた人の想いってやつをな!』」 |
恭 弥 |
ベタだろ。 |
悪 魔 |
ベタですね。 |
由香理 |
ベタね。私みたいな『感覚力』の高い術者だったらちょっと変えて、「あなたには見えないの? 自分の手がどれほど血にまみれているのかが。あなたには聞こえないの? あなたに心を砕かれた人達の哀しみの声が」っていうのもありよね。 |
恭 弥 |
ううむ。まあ、この後一戦交えるくらいの覚悟はしといた方がいいだろうな。 |
悪 魔 |
そうですね。回答3はどうなってます? |
由香理 |
ええと。「こっこの力は・・・」。・・・・・・。 |
悪 魔 |
まあ、愚直ながらもこれがベストだとは思いますよ。 |
恭 弥 |
その論拠としては、βステージでの術力に対する無理解があげられる。αと違って、≪力≫は持ってないのが普通だから、今まで一般人として普通の生活を送ってきたのならばこれしかないと言っても過言ではないだろうな。 |
悪 魔 |
言い換えれば先祖代々術者の家系ならば反応は違ってくるのでしょうね。 |
由香理 |
ふ〜ん。続いて回答4。「第7章番外参照」・・・って、なにこれ? すごい手抜き。 |
恭 弥 |
どんなペーパーテストでも、答えを書かないのは俺のプライドが許さないんでね。 |
由香理 |
・・・詭弁ね。 |
悪 魔 |
まあまあ、リンク先を楽しみにしましょう。ただでさえこのコーナーは「長すぎる」という苦情が来てるんですから。 |
恭 弥 |
・・・・・・。 |
由香理 |
コホン。それでは本日のメインイベント、最終問題の回答に参りましょう! ・・・・・・・・・キャー |
悪 魔 |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 |
由香理 |
キャー、キャー 恭ちゃんったらちゃんと覚えててくれたのね |
悪 魔 |
えー、勝手に暴走している由香理さんは放っておいて回答を発表しましょう。 |
恭 弥 |
俺、なんか変なことでも書いたか? |
悪 魔 |
ええ。「条件は事件のかたがついたとき『・・・遅くなって悪かったな。・・・そりゃ・・・ガキの頃の約束だけど、今まで忘れてたときなんて1秒もなかった。嘘じゃない・・・。で、さ・・・これからは・・・その・・・おまえも新しい生活に踏み出すんだろ? 俺もなんだ。・・・・・・だからさ・・・もうしばらくでいいから・・・一緒に・・・いないか? ど、どうせ今までも腐れ縁で一緒にいただろ・・・。やっぱり・・・俺が背中を預けられるのは・・・おまえしかいないから・・・。』」だそうですが? |
恭 弥 |
なんであんなにはしゃいでるんだ? |
悪 魔 |
?ちなみにこの演出のタイトルは何ですか? |
恭 弥 |
我ながらセンスのないネーミングだと思うが「形見」だ。シーンはもちろん港の見える西洋風の墓地だな。 |
悪 魔 |
は? |
恭 弥 |
お、珍しい悪魔さんの驚く顔(笑)。 |
悪 魔 |
(読み返して)・・・ああ、なるほど。そういわれれば・・・。 |
恭 弥 |
だろ? 試験問題は「幼なじみの仇を討ったとき」だからな。 |
悪 魔 |
しかし上手いことやりましたね(苦笑)。 |
恭 弥 |
ちゃんと解答用紙の裏には追加の条件が書いてあるから嘘はついてない。「回想シーンで『もしおまえに何かあったら必ずおれが助けにいく』を演出している」「シナリオ中で仇を討つ」ってな。 |
悪 魔 |
なるほど。まあ、『天勢値』の稼ぎ方は千差万別ですけど、今回恭弥君が答えてくれたような「ベタ」なネタをいくつか用意しておくと咄嗟に演出を求められても大丈夫かと思いますよ。 |
恭 弥 |
同感。 |
悪 魔 |
それでは今日はこの辺で失礼しますよ。 |
恭 弥 |
え? ちょっとくらいゆっくりしてけば良いのに。 |
悪 魔 |
いえ。なんだか嫌な予感がしますので。それでは。 |
恭 弥 |
ふーん。さて、試験前に吸えなかったから一服・・・ |
由香理 |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 |
恭 弥 |
あれ? ライターは・・・。 |
由香理 |
・・・恭ちゃん・・・この裏の文字は何?(ゴゴゴゴ) |
恭 弥 |
はっ、殺気! |